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宿研通信 6月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、水道橋にある「ネコワーキング」をご紹介します。

ネコワーキングのコミュニティづくりに学ぶ

“語らないアドバイザー”がいる
新しい出会いの場所

コワーキング(coworking)とは、“communication”や“collaboration”の
「co-(共に)」と「working(働く)」が合わさり、出来た言葉です。
そして、コワーキングスペースというのは、コミュニティのあるオフィス。
職種や組織が全く違う人々が、事務所や会議室として利用でき、新たな出会いができる場のことを言います。

しかし今回は、“コワーキング”ではなく、“ネコワーキング”です。

私がお邪魔したのは水道橋にある“ネコワーキング”。
飯田橋にある私の会社から自転車で5、6分というところでしょうか。
来て早々、本来の玄関ではないところから間違えて土足で入るという失態をおかしてしまいました。

床を見ると、
隙間なく並べられている50cm角のムク材(実はカーペットタイルの上に並べてあるのですが)。
そして、10人ほどが向かい合える大きなテーブルの天板にもムク材が。
椅子の上にはグレーの縞模様のメス猫が丸まっており、
私に気付いて薄目を開けてこちらを眺めています。

棚の上のスペースではブチ模様の猫がもう1匹、
昼下がりの暖かい日差しを浴びながら、気持ちよさそうに眠っていました。
猫にとって気持ちがいいスペースは、
結果的に人間にとっても気持ちがいいという発想から来ているのです。
床や机に使われているムク材、飾らない印象のインテリア、おしゃれなBGM、高い天井。
それら全てが相まって、まったりとしたとても居心地のいいスペースになっていました。

ネコワーキング
ネコワーキング


代表の広瀬氏は、
「ただスペースの提供をしたり、猫カフェをやりたいわけではなく、
新しい出会いのあるコミュニティを創造したいのです」と語ってくれました。
通常のコワーキングスペースでは、
隣の声があまり聞こえないように考えられていますが、ここでは少し違います。

あちらではワークショップを、こちらではITの打ち合わせを、その横では映画の話を…。
新たなコミュニティづくりが目的なので、
隣で何を話しているか聞こえる開けた空間がポイントなのです。

昨年11月のオープンから5ヵ月経ちますが、まだ採算に合うところまで来ていないとのこと。
ところが、いくらかのパブリシティ以外、ほとんど告知はしていないそうなのです。

ムリして告知してこの価値観に合致しない人に来てもらっても、それもまた問題だと。
つまり、やりたいこと、考え方、その仕事のドメイン(領域)は違っても、
どこか共通する価値観を持った人たちが集まるコワーキングスペースにしたいということなのです。

“ネコワーキング”にとって大切なのは、コミュニティ。
どこか許し合える人たちの、このスペースならではのコミュニティなのです。
そのコミュニティの“語らないアドバイザー”が猫たちということなのでしょう。

“ネコ+コワーキング=キング&ココの居心地コミュニティ”ということ。
ちなみに、キングとココとは、ここの主である2匹の猫の名前です。
利益を求めて外へ外へと発想するのではなく、
形成されたコミュニティを軸に、新たなカタチを展開するのも、
ビジネスの一つの手なのではないでしょうか。

ネコワーキング
ネコワーキング


→ネコワーキングのホームページはこちら

 

コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。