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宿研通信 4月号

気になる宿屋レポート 末吉が行く

宿泊予約経営研究所所長の末吉秀典が注目の宿泊施設をご紹介するこのコーナー。
今月は、「お花坊」さんの体験レポートをお届けします。

「お花坊」

2011年2月22日。帝国ホテル大阪、孔雀の間にて
「楽天トラベル新春カンファレンス」が盛大に開催されました。

私がなぜカンファレンスに出席してきたかというと、
宿研がお手伝いをしている「お花坊」が、楽天アワード2010で
「近畿エリアレジャー部門 お客さまアンケート大賞」を受賞されたためです。
壇上で満面の笑顔を見せてくれた女将の小西綾子さんに、
私も含め運営に携わった関西支社スタッフも会場から大きな拍手を送りました。

今回は、楽天トラベルのお客さまアンケートで
非常に高い評価を得ているお花坊をレポートします。


楽天トラベルアワード2010 レジャー部門
お客さまアンケート大賞
楽天トラベルアワード2010 レジャー部門お客さまアンケート大賞
女将さんと
関西支社運営スタッフとの記念撮影
女将さんと関西支社運営スタッフとの記念撮影


気の利いた演出が京の風情を生み出す

お花坊は京都駅から徒歩7分。東本願寺の門前に位置し、
こぢんまりした、いかにも京らしい町屋風の旅館です。

「お花坊」という屋号だけに、館内には客室はもとより、
いたるところで季節のお花がお客さまを迎えてくれます。
また、“鰻の寝床”と称される奥へ長くつながる木造の空間は、
畳廊下と板張り階段の組み合わせがなんともいえない風合いを醸し出しています。


 
客室や館内の至る所に
生け花を添えてあります
客室や館内の至る所に生け花を添えてあります
京風情が漂う
「かわいい花の間」
京風情が漂う「かわいい花の間」


客室は12室。部屋にはそれぞれ名前があり、
「かわいい花」「なつかしい花」など愛嬌があって面白い。
こんなところにも女将さんのセンスのよさが垣間見えます。



まるで客室のような寛ぎ処 まるで客室のような寛ぎ処
客室の名称が面白い「なつかしい花」 客室の名称が面白い「なつかしい花」


客室にはかわいらしい絵柄のアメニティや、アクセサリーを入れられる小物入れがあります。
こういうちょっとした気遣いや演出が、京の風情となってお客さまを包み込むのかもしれません。



女性心をくすぐるかわいらしいアメニティ 女性心をくすぐるかわいらしいアメニティ
思わず仕舞ってしまうアクセサリー小物入れ 思わず仕舞ってしまうアクセサリー小物入れ


京の季節を味わう、旬の材と早生の鮮材の会席

お食事は、京の早生と旬を感じる会席料理です。
艶やかな京の旬材と、季節を先取りした鮮材で作られたお料理が、
色とりどりの大小の器に盛られ、仲居さんの手で一品一品丁寧に運ばれてきます。

この仲居さんたちがまた、笑顔と気兼ねない話し言葉で親しみやすい。
私はどちらかというと人見知りをしてしまうタイプで、
お料理が運ばれてくると神妙になって
お膳に並ぶのを黙って待ち説明を聞いていることが多いのですが、ここでは違いました。
仲居さんたちが親しみやすく、自然とこちらも普段の話し言葉で会話することができ、
お食事も美味しくいただくことができました。

このあたりも、女将さんの価値観が浸透している結果のようです。
各宿泊予約サイトのレビューやアンケートでも、
女将さんやスタッフの笑顔と人柄、気配りが高く評価されています。



京の旬と早生を活かした会席料理 京の旬と早生を活かした会席料理
目と薫りを愉しむ色艶やかなお料理 目と薫りを愉しむ色艶やかなお料理


立体的に品数多く
視覚でも楽しむことが出来る朝食
立体的に品数多く視覚でも楽しむことが出来る朝食


お客さま1人ひとりと向き合う姿勢が最高のおもてなしの源

着物姿と笑顔が似合う、小柄でかわいらしい女将の小西さん。
内にはポジティブさと活発さを秘めています。
今はやりのコーチングそのもののような方です。

365日休むことなく、早朝4時頃から宿屋前の通りを1人で掃除したり、
大型免許を取得してお客さまの送迎をしたり、
調理師免許を取得して自ら調理場に立ったこともあるそうです。

「小さな宿屋だから私が率先して何でもやってきたんです。
こんなところだから、私にできることはお客さまを常に気にかけ、
喜んでいただけることを考えるしかないのよね。
でも、今はスタッフたちが同じように考えてくれるので嬉しいです」

女将さんはこんな風に、スタッフへの感謝を屈託のない笑顔で語ってくれました。



ポジティブスマイルが素敵な女将
小西 綾子さん
ポジティブスマイルが素敵な女将小西 綾子さん


館内での女将さんは常にお客さまの前に顔を出し、笑顔で話しかけていました。
朝食を食べていた学生風の女性2人連れに、
「今日帰られるなら、新幹線に乗るまで荷物は預かっておくから、
気軽に観光に行ってきていいよ」と声をかけている姿が印象的でした。

お花坊は、何か大きなことをお客さまに提供しているわけではありません。
ただ京都を訪れるお客さまの意図を汲んで、お客さま1人ひとりに対して、
心地よく滞在していただくための取り組みを行っていることが強みなのでしょう。
お客さまのことを常に気にかけている姿勢が気づきを生む瞬間でもあります。

今回、楽天トラベルのお客さまアンケート部門で高い評価を受け、
受賞されたこともうなずけます。
私たちも一緒にお仕事をさせていただいていることが誇らしく思えます。
改めて、大賞受賞おめでとうございました!

(文・写真:末吉 秀典)

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