新緑の風渉る嬉野川の畔に佇む
「和多屋別荘 離れ水明荘」
佐賀県を代表する温泉場、嬉野温泉。
県西部に位置し、1300年の歴史がある嬉野温泉は、ぬめりのある源泉が特徴で、
日本三大美肌の湯として女性にも大変人気があります。
また、嬉野茶や温泉を利用した湯豆腐なども有名で、
街の周辺には肥前吉田焼や有田焼などの窯元も多く点在しています。
1950年に開業した和多屋別荘は約3万坪の広大な敷地に、
黒川紀章氏が設計したタワー館を始め、全121室の規模を誇る大型老舗旅館です。
そのなかで和の風情を醸し出す水明荘は
嬉野川を挟み、対岸に数寄屋造りの離れとして佇んでいます。
源泉掛け流しの湯に寛ぎ、
癒やしに誘う芸術空間。
水明荘に併設されたモダンな芸術空間「湯殿心晶」。
檜・御影石それぞれを基調とした開放的な大浴場に、露天風呂・サウナそして
休み処としてウッディで洒落た空間が広がるラウンジ・テラスの構成となっています。
これらは水明荘に宿泊するお客さまなら無料で使えるので、贅沢な空間を心ゆくまで愉しめます。
その他、本館の大浴場・露天風呂も利用でき、スパ施設・休憩処なども充実しています。
荘厳な折上格天井に
和の美意識を想う「洗心の間」
水明荘は全8室。8畳から10畳の和室、庭園露天風呂付の和室、
そして佐賀鍋島藩の別邸を移築して贅沢につくりあげた特別貴賓室の構成。
本日宿泊する客室は昭和天皇・香淳皇后も宿泊された特別貴賓室「洗心の間」。
その格調高い気品漂う空間には思わず圧倒されます。
客室は二間続き、鶴と旭の絵が描かれた欄間で仕切られ、
両脇は雪見障子を隔ててツツジが美しい日本庭園に囲まれています。
内湯は源泉掛け流しの檜の湯舟に珍しい打たせ湯、
そして木々を愛でながら浸かる岩の露天風呂もあります。
時折小さく音をたてるガラス戸に目を向け、ひとり自由な時間を過ごす。ああ至福のひととき。
嬉野の選び抜かれた素材を涼感とともに味わう。
水明荘では夕食・朝食ともにお部屋にていただきます。
食事処とは違ってプライベートな宴を堪能できることは魅力のひとつです。
さらにお料理は水明荘専任の料理人がもてなす地産地消の会席料理。
先ずは自家製の梅酒で乾杯。先付けは夏を先取りした涼感溢れる一品。
真っ白な器のなかに湯引き鱧と蟹身が透明な寒天に閉じ込められているのを崩してポン酢とともにいただきます。
アクセントのじゅん菜が涼感を引き立てます。
次に名物「温泉湯どうふ」と温泉で吸物にした一品。大豆の風味にトロトロの食感が食欲を加速します。
造りは輪っぱに綺麗に盛られた新鮮な平目に縞鯵、脂ののった鮪。
凌ぎは島原素麺に贅沢な鮑が添えられた、これまた涼感溢れる一品。
強肴は県を代表する食材である「佐賀牛」の網焼きステーキ。初夏の旬材とともに山葵でいただきます。
柔らかな肉の甘みに山葵の辛みが絶妙な味わい。
一品一品丁寧に仲居さんのもてなしを受け、至福の時間が過ぎてゆきます。
締めは、有田鶏の粕汁と佐賀米のご飯をいただき、黒糖のプリンとフルーツのデザート。
佐賀の良質な食材に季節感を取り入れた思いが伝わるお料理です。
目指すは空間滞在価値を強みとする
独創的な施設への変化。
今回ご案内いただいた小原嘉元さんは3年前に三代目として代表取締役に就任したばかりだそうです。
先代・先々代がつくりあげてきた和多屋別荘のすべてを引き継ぎ、
約3万坪の敷地空間を活かす次世代の和多屋別荘を思い描いているそうです。
泊まる施設の規模を追うのではなく、滞在する体感を売る新たな施設。
例えば…大規模な図書館構想!? なんだか楽しみです。
そんな小原さんの思いは館内の至るところに現れています。
館内の通路やちょっとしたデッドスペースにモニュメントアートが設置されていたり、
月を愛でる休憩処、清涼・妖艶なスパ施設の充実などなど。
そのなかで、粋な空間である水明荘も新たな空間滞在価値を提供する施設として進化していくのでしょう。
ぜひ皆さまも一度お泊まりになってみては如何でしょうか。
※掲載のお料理は、仕入れ状況により毎日異なったメニューが提供されます。
掲載の料理はメニュー一例としてご参考ください。