- ビジネスコラム
ビジネスコラム:セイコーマートの地域力に学ぶ
コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、「セイコーマート」をご紹介します。
満足度No.1の
ローカルコンビニ
先日、北海道へ出張で行った時のこと。
数あるコンビニの中で、私は「セイコーマート」に立ち寄りました。
皆さんはこの「セイコーマート」をご存じでしょうか?
北海道を中心に展開している、いわゆるコンビニです。
私は北海道出身のため、当然のように知っているのですが、
全国的には知られているとは言い難いかもしれません。
実はコンビニとしての歴史は長く、あのセブンイレブンよりも先の1971年、
つまり41年前に第一号店を出店しているのです。
それでも、知名度はローカルコンビニとしての域を出てはいません。
ところが、その「セイコーマート」は
2011年のコンビニ満足度調査でNo.1に輝いたというのです。
名だたる大手がひしめき合う業界で、なぜこのローカルコンビニが選ばれたのでしょうか。
選ばれる理由を意識してみると、確かに他のコンビニとは一味違うところがあります。
まず、お酒のつまみの充実度は特筆に値するもの。
鮭のトバなど、北海道ならではの海の幸が所狭しと並んでいます。
そして、ワインをはじめとしたお酒の種類の豊富さ…お酒好きな私としては、
ついお酒関連にばかり目が行ってしまいますが、支持される理由は他にもあります。
例えば、100円惣菜。
パスタやおかずを100円で提供しており、安くておいしいとお客さまから好評をいただいています。
また、「ホットシェフ」というブランドもお客さまに選ばれる理由の一つ。
おにぎりやお弁当を店内で調理することで、
いつでも作りたての温かい食べ物を購入することができます。
通常、衛生面などが懸念材料となり、店内での調理は避けることが多いのですが、
「セイコーマート」ではチャレンジすることで自社ブランドを確立しているのです。
このような独自の“仕組み”により、他社との差別化に成功している「セイコーマート」。
その“仕組み”は、商品や売り方を画一化することにより得る効率ではありません。
地域性を理解した、地に足の着いた展開だからこそ支持される理由があるのです。
それは、私たちのビジネスにおいても同様です。
これまでのような最大公約数的な考え方ではなく、
各地域や世代、またはそれぞれの嗜好やニーズに合わせたものこそ
選ばれるという時代に移り変わってきているからです。
地域ならでは、自分ならではの強みを活かし、伸ばしていくことにより、
特別であり続けることができるのではないでしょうか。
セイコーマートの仕組みは、ビジネスの形が効率的集約ビジネスから、
分散型のローカルビジネスへと向かっているのだと感じることができました。
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ なかじま せいじ
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。