- ビジネスコラム
ビジネスコラム:俺のフレンチの着眼力に学ぶ
コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、レストラン「俺のフレンチ」をご紹介します。
常識を打ち破る
“立ち食い”フレンチ料理店
「原価はじゃぶじゃぶ使え、人件費もじゃぶじゃぶ使え」
こんな思い切った言葉をたびたび口にしているのは、
BOOK OFFの創業者である坂本 孝氏。
その坂本氏がついに飲食業界にも進出し、話題を集めています。
そのお店の名は「俺のフレンチ」。
私も坂本氏とは、9~10年ほど仲良くさせていただいており、
その坂本流の発想には常に驚かされていましたが、
このお店にも彼ならではの発想がこめられていました。
「俺のフレンチ」はなんと、従来のフレンチにはない時間制限制の立ち食いスタイル。
さらには、驚くべき低価格で一流の料理を提供しています。
とかく高級志向になりがちなフレンチへの入り口をぐっと広げたことにより、
「俺のフレンチ」には連日多くの人が詰めかけるようになりました。
私も1ヶ月前から予約し、先日ようやく入店することができました。
そこで味わったのは、高級レストランでは4,000~5,000円はする豪華なフレンチ。
牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ トリュフソースかけは、なんと、お値段1,280円。
けれど、名店のシェフを口説き落としたというだけあって、その味も確かなものです。
おいしい料理を低価格で提供するために、坂本氏は以下の様な工夫に取り組んでいます。
・設備にお金をかけないため居抜き物件に出店
・内装にお金をかけない
・高い回転率で収益をあげる
「俺のフレンチ」は、居抜き物件に出店して内装費を極力おさえているぶん、
いい材料を使ったり、名店のシェフを雇って料理の質を上げています。
だからこそ、リーズナブルな値段で一流の料理を提供でき、多くの人に選ばれるようになるのです。
なかなかフレンチやイタリアンを食べに行けない、
若い人たちなどを呼び込んで、新しいお客さまづくりを展開する。
老舗の高級フレンチを訪れていた客層ではないので、
他店の存在をおびやかすこともありません。
「俺のフレンチ」はこれからの飲食業界に大きな影響をもたらす、
まさに革新的な新業態と言えるでしょう。
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ なかじま せいじ
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。