- ビジネスコラム
ビジネスコラム:虎屋の不易流行に学ぶ
コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、老舗「虎屋」をご紹介します。
500年間の
伝統と革新
「不易を知ら座れば基立がたく、流行を辨へざれば風あたらにならず」
これは俳人・松尾芭蕉が旅の途中で体得した概念。
不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、
時代の変化を知らなければ新たな進展がないという意味です。
俳句というものは、句を詠む手法は変わらないけれど、
語っていくテーマは時代とともに変わっていくもの。
常に流行は意識しながらも、俳句の根本の考え方は変わりません。
そこから、松尾芭蕉は、世の中とは、変わらないもの(変えてはいけないもの)と
変わるもの(変えていかなければいけないもの)で構成されているのだと語っています。
この不易流行の考えは他でも度々目にします。
例えば、老舗「虎屋」の17代目当主である黒川氏は、
“伝統とは革新の連続である”と語っていました。
虎屋のメーカーとしての本来の考え方は活かしつつも、時代の変化に合わせて革新し、
お客さまに選ばれる努力をしてこなければ、500年もの間、続けてこられなかったということです。
先日、ある雑誌でも「不易流行」がテーマになっていました。
ある人が案内された神社は、50年前に修復を行ったといいます。
その時に寄付をしてくれた協賛会社の数は100社。
50年たった今、その協賛会社で現在も続いているのはなんとたったの1社だといいます。
1,000社のうち、100年後に生き残れるのは2~3社という定説から考えれば、
この神社の例も妥当な数字。
100年後も会社を続けていくには、時代の流れ・価値観の変化に対応していく必要があるのです。
変えてはいけないところと、時代の流れに合わせて変化させなくてはならないところを
分かりながら展開していかないと、お客さまに選ばれ続けるビジネスはできません。
とにかくチャレンジを続けなくては、未来は見えてこないということです。
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ なかじま せいじ
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。