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グルメスーパーマーケット「トレーダー・ジョーズ」に学ぶ
他スーパーとは異なる独自の徹底した店舗づくりとは

他業種に学ぶ ビジネスコラム

 

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、全米に約300店舗を展開している人気グルメスーパーマーケット「トレーダー・ジョーズ」をご紹介します。

 

トレーダー・ジョーズの徹底に学ぶ

 

トレーダー・ジョーズが選ばれる理由


安い、楽しい、そして納得の品揃え!
ファッションであれ、家電製品の販売であれ、百貨店であれ、昔から生活者に選ばれているお店は、このようなイメージでしょう。

そして、食品スーパーでこの路線を行っているのが、アメリカのトレーダー・ジョーズです。1966年創業のトレーダー・ジョーズは、カリフォルニアを中心に全米に約300店舗を展開している、超人気グルメスーパーマーケット。

 

 

店頭に並べられたこだわりのオーガニック商品やワインは、世界各地から直取引で仕入れたもので、値段は格安。店内の8割以上がプライベートべランドというのも魅力のひとつです。しかも、そのプライベートべランドは人気により入れ替えがあるので、行けば必ず新たな面白いもの、珍しいものがあるという期待感を抱かせてくれます。

しかし、トレーダー・ジョーズの魅力は単なる「商品力」に留まりません。もうすぐストアマネージャーになるというクルー(スタッフのことをこう呼ぶ)にお話を伺ったところ、ヘルプのスタッフ(コンシェルジュ?)が店内いたるところにいるのは当たり前。特にレイを首にかけているクルーには何を聞いてもOKで、味見をしたければ袋を開けて試食させてくれるというのです。またトレーダー・ジョーズには常連客が多く、クルーとお客さまとの距離が近いのも特長のひとつだとか。

「私たちにとってトレーダー・ジョーズに勤めていることは、ステイタス性も高く、自慢なんです!」

バリュー価格にも関わらず、徹底的に食品に対する生活者の不安を取り去ろうとしている<バリュー&クオリティ>というところ。そして、上の言葉にあるようにクルーたちが自慢できる徹底した店舗づくりも、トレーダー・ジョーズ最大の強みなのです。

ここまで語れば、セルフサービスが主流のアメリカでトレーダー・ジョーズが選ばれ続けている理由が見えてくるでしょう。

他のスーパーとは異なる一歩進んだアピール、いわば「感動」「愛着」「充実」がトレーダー・ジョーズのブランドを差別化し好影響を与えているのです。そこには常識を気にせず展開する、まさにトレーダー・ジョーズ流のビジネスモデルがあり、他にはない価値観を生み出しています。

これからの時代、多くの人から選ばれ、信頼され、なくてはならない存在になるためには、トレーダー・ジョーズのような独自の「徹底」が重要なのでしょう。

 

 

コンサルタント プロフィール

中島 セイジ なかじま せいじ

株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。

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