- ビジネスコラム
服部幸應の食育道に学ぶ
食べることだけでは無い「真の食育」とは
コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、学校法人服部学園の理事長である服部幸應先生の「食育」についてご紹介します。
ちゃぶ台から学ぶ家族の輪
今は懐かしきちゃぶ台が、日本で当たり前だった頃。朝、みんなが「おはようございます」と
挨拶しながらちゃぶ台に集まり、そして「いただきます」と言って一緒に朝ごはんを食べる。
子どもたちの行儀が悪いと、親がきちんとあれこれ注意をする。そんな光景がかつての日本では当たり前でした。このちゃぶ台を囲んでの食事が、家族のコミュニケーションと子供の躾につながっていたのです。
そんな話をしてくれたのは、学校法人服部学園の理事長である服部幸應先生。
15年程前でしょうか、ある打ち合わせの際に服部先生の著書「食育のすすめ」をいただいたことがあります。その時も、知育、徳育、体育、そして、それらの基となる“食育”が大切なのだと服部先生は語っていました。
それから7~8年後にその考えを国として実践するため「食育基本法」ができました。8年前、当時の厚生大臣だった小泉純一郎氏が担当する有識者の会合で、服部先生はこの食育のことを語りました。すると小泉氏は、かなり興味を持っていたといいます。その後、首相となった小泉氏は、この“食育”という概念の立法を積極的に推し進めたのだそうです。
振り返れば、その会合で服部先生が食育を語ったことが、世界でも例のない「食育基本法」の成立につながったということでしょう。このことは、普段から自分なりの概念やポリシーをしっかり持っていたからこその結果でしょう。
冒頭で述べたように、かつての日本はちゃぶ台を中心に家族のコミュニケーションが行われていました。つまり、ちゃぶ台が「食育」を学ぶ場の役割を担っていたのです。
そんなちゃぶ台も少なくなり、家族みんなで食事をする機会すらも減ってしまった現代。
服部先生は、「食育」とは食べることだけではなく、食材のこと、食の作法のこと、そして食事プロセスも含まれていると語っていました。
つまり、“プロセス”が大切であり、プロセスがあるからこそ“結果”となるのです。
私達はそのプロセスをより意味あるものとするためにも、日本の文化を知り、しっかりした知識を持ち、次なる一歩を踏み出したいものです。
服部先生は、まさに食に関わるプロとして、服部流の仕事の道“食育道”を歩んでいるのではないでしょうか。
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ なかじま せいじ
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。