宿研通信NEWS LETTER

  • 集客の匠に訊く

集客の匠に訊く:口コミを味方につける集客

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“インバウンドの匠”が
「宿屋に求められるインバウンド施策」についてお話しいたします。
今回のテーマは「口コミを味方につける集客」についてです。

口コミを味方につける集客

みなさま、こんにちは。“インバウンドの匠”村山慶輔です。
4回にわたり、「宿屋に求められるインバウンド施策」についてお話ししています。
どうぞよろしくお願いいたします。

第2回は、「口コミを味方につける集客」についてです。

現状把握から始めるインバウンド

前回はインバウンドにおける
宿屋業界の現状だけでなく、
インバウンド施策にて利用されている
サービスやそのメリット・デメリットについて
お話しさせていただきました。

今回お話しさせていただくのは、
宿屋の“現状把握”です。
サービスを利用して一時的に
インバウンドのお客さまが増えても、
十分におもてなしができなければ
リピーターになる可能性は低くなってしまいます。

現状把握を行うことで、次に必要なことが見えてきます。

■宿屋における現状把握のポイント

・現在、外国人のお客さまはどれくらいの人数・頻度で利用しているか
・お客さまの国籍はどこか
・どのような媒体を見て宿を知ったのか
・団体・個人のどちらの利用が多いのか
・現状で寄せられているクレームはないか
・Wi-Fiなど、お客さまが快適に過ごすための設備は整っているか

など。

このように、宿屋の現状を把握し、
「いまこの宿には何が足りないか」を知ることが大切です。
まずはお客さまへアンケートを行い、
情報収集をしてから現状を把握しましょう。
その内容から、今後の展望とそれに対する
インバウンド施策の方法を探ることができるでしょう。

口コミを味方につける

宿屋にまつわるお客さまからの
意見を聞く方法として、
アンケート以外に「口コミ」の活用があります。

外国人観光客は、口コミをフルに活用して
旅行プランを立てるということが日常的に行われています。
また、口コミは旅行先で体験したことの発信力・拡散力が高く、
観光において重要なポイントになっています。

つまりインバウンド施策において、
「口コミ」は欠かせない存在といえます。
だからこそ、口コミを効果的に活用するための
“口コミのマネジメント(管理)”が必要なのです。

ここで、ひとつの事例として
口コミのマネジメントをうまく活用した
宿屋をご紹介しましょう。

客室数12室という規模のその宿屋では、
客足が遠のいてしまったことをきっかけに
インバウンド施策へと大きく舵を切りました。
その際、「口コミ」を活用することを決意し、
口コミサイトに寄せられるよい評価や厳しい意見も
こまめにチェックし、改善に努めた結果、
素早い対応・改善に努めてくれる宿屋として高く評価されるようになりました。
現在では口コミサイトで常にランキング上位に上るだけでなく、
85ヵ国以上、15万人以上もの集客をするほどの
人気の宿屋になりました。

口コミサイトに寄せられるひとつひとつの意見は、
小さな不満がほとんどかもしれません。
しかし、寄せられた意見と真摯に向き合うことで、
信頼は積み上げられ、
大きな集客効果を生むことに繋がるでしょう。

次回は、インバウンド施策を行う上で
知っておくべきリスクとその解決方法を、
過去に起きたトラブルの事例を交えながら
ご紹介します。


プロフィール

村山 慶輔 むらやま けいすけ

株式会社やまとごころ代表取締役。インバウンド戦略アドバイザー。米国ウィスコンシン大学マディソン校卒。2007年にインバウンド観光に特化したBtoBサイト「やまとごころ.JP」を立ちあげ、さまざまな業界に情報発信、教育・研修、コンサルティングサービスなどを提供。インバウンドビジネスの専門家として、ワールドビジネスサテライト、NHKワールドをはじめ、国内外各種メディアへ出演多数。著書に「訪日外国人観光ビジネス
沸騰するインバウンド市場攻略ガイド(翔泳社)」がある。

集客の匠に訊く一覧へ戻る