- 集客の匠に訊く
集客の匠に訊く:目的ある言葉が相手を知る鍵
集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“採用の匠”が「宿屋に求められる人材育成」についてお話しいたします。
今回のテーマは
「目的ある言葉が相手を知る鍵」
についてです。
こんにちは。“採用の匠”小川晴寿です。
「宿屋に求められる人材採用」についての連載2回目は、
「宿屋に必要な人材への面接方法」についてお話します。
相手からの興味の度合いを知る
人材採用において、
直接会って話す回数は限られています。
だからこそ、相手の人となりを
ダイレクトに知ることのできる
“面接”が重要だと言えます。
私が面接をさせていただく時、次のような質問を投げかけます。
「あなたが今日合格するためにしてきたことを教えてください」
この質問によって、
①相手がこの面接を大切に考えているか
②きちんと準備する行動習慣があるか
を知ることができます。
この面接を重要だと捉えている人材は、
実際に宿泊したり、他店舗の調査をしたり、
合格をするために周到な準備をするもの。
宿屋の方もせっかく採用するのだから、本当にこの宿で働きたいと
思ってくれている熱意のある人や
自分たちの宿を好きになってくれる人と働きたいですよね。
このように、目的別に質問することで、
人材の本質的な部分に迫ることができるのです。
「自分たちが一緒に働きたい人」
「会社(宿)のファンになってくれる人」
を探すために、
質問の項目を考えることが大切なのです。
注意したい外国人の採用
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、
積極的に、外国人スタッフを採用する企業が増えています。
その際に気をつけるべきは、
外国人人材の働く動機について十分に確認すること。
特に客室係や清掃スタッフの人員不足で、
急な対応を迫られた場合などは注意が必要です。
面接では、
・日本文化を学びたい。
・日本の観光業界を持ち上げたい。
・ノウハウを学んで自国で開業したい。
などともっともらしいことを言っても、
本心ではビザが欲しいだけというケースも少なくありません。
「この宿で長く働く意思があるのか」ということを
面接時にしっかり見極めておくことが、
より良い人材採用の第一歩と言えるでしょう。
プロフィール
小川 晴寿 おがわ はるひさ
株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング 代表。東証2部上場のコンサルティング会社へ入社後、コンサルティング商品の企画・開発をはじめ、営業部門の生産性向上、人事評価制度の策定、マネジメント・システムの構築、 採用コンサルティング等のプロジェクトを経験。その後、株式会社リンク・ワンの創業メンバーとして、経営に参画。取締役として、おもにプロ店長事業、教育コンサルティング事業を管掌し、一翼を担う。2006年11月、アッシュ・マネジメント・コンサルティングを設立。若手の速・戦力化、定着のコンサルティングを行っている。