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集客の匠に訊く:光のリズムは癒しのリズム

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“光の匠”が宿屋の空間演出についてお話いたします。
今回のテーマは「光と人のバイオリズム」についてです。

光のリズムは 癒しのリズム

皆さま、こんにちは。
“光の匠”の小西美輝です。

前回は、日本人が好む光とは
実は禅の文化が大きく関係しているという
お話をさせていただきました。

今回は光と人の「バイオリズム」に焦点を当て、
集客に役立つ空間演出の方法をご紹介いたします。

人の心と体に
配慮された光

前回ご紹介させていただいた
集客を左右する2種類の光。

ひとつは体や脳を活発化させる“活動の光”。
こちらは“直接光”と呼ばれ、
スポットライトやダウンライトなどの光を指します。

そしてもうひとつが、
人の心に落ち着きや癒しを与える“安らぎの光”。
こちらは、壁や天井に一度反射させてから、
照度を調整することから“間接光”と呼ばれています。

人々が安らぎを求める宿屋にとって
この2種類の光の使い方は、とても重要と言えるでしょう。

光のリズムが
ストレスのない宿屋を生む

宿屋に限らず、空間に求められる光の「質と量」は、
1日24時間という自然のサイクルと
人の「バイオリズム」と密接に関係しています。

一般的に、直接光は積極的な目的を持った動的行為に適し、
間接光は休息的な静的行為に適しているといわれています。

人は活動と休息を繰り返し、バランスをとります。
宿屋に滞在している際も
活動時間と睡眠時間、心臓の鼓動や呼吸も、
まさにそのバランスの中にあるのです。

お客さまに選ばれ続ける宿屋になるためには、
光のリズムを人のリズムに合致させ、
アクティブな心と穏やかな心を有機的にジョイントさせることが大切です。

それが、様々なストレスの軽減へと結びつくのです。

午前中は強い光で覚醒効果を狙い、
夜は明るさを押さえて疲れを和らげる。
そんな些細なことを意識するだけでも、
お客さまが抱く宿屋の印象は大きく変わります。

また、季節によって色温度を変化させることで
より居心地のいい空間を感じていただくことができます。
夏は涼しげな色、冬は暖かな色など、
1年周期で人のバイオリズムと光をうまくリンクさせることが重要なのです。

バイオリズムに適した照明を取り入れることで
ストレスがたまりにくくなり、
よりお客さまにとって心地良い空間演出が可能になります。

宿屋の皆さまも、人の「バイオリズム」に従った
光の空間演出に取り組み、更なるお客さま満足を
目指してみてはいかがでしょうか。


プロフィール

小西 美輝 こにし みき

株式会社EPK専務取締役。1976年生まれ。年少の頃から照明に携わり、その魅力に感銘を受ける。日本女子大学を卒業後、一般企業に勤め、主に海外でマーケティングを学び、帰国後、株式会社EPK専務取締役に就任。現在は、建築空間をより良くするために、最新の照明器具の特注などを中心に幅広く活動している。また、光を通して人に希望や感動を与えるという視点から、社会貢献活動にも積極的に参加している。

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