4,000坪の敷地に
旧家180年以上の歴史を有する母屋が
旅人を誘う

車を停め、石畳の小径を歩むと瓦屋根が特徴的な平屋の建物が私たちを迎えてくれます。
180年以上の歴史を感じさせる母屋ですが、なかに入ると高い天井に重厚な梁が組み合わさったモダンな空間が広がっていました。
ロビー・食事処を兼ねた母屋と中庭を中心として4,000坪もある館内には、
離れの露天付き客室がわずかに5室、男女別大浴場・露天風呂に休憩室、
さまざまな書籍やDVDが揃う小さな図書館と囲炉裏、卓球場。
そして元気な鶏たちが鳴く農園は、旬の野菜など自家栽培しているそうです。

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誰に気兼ねすることなく
上質に過ごす露天付き離れ「かりん」

母屋を出て庭木の手入れが行き届いた中庭の散路を通り、少し奥まったところに本日宿泊する離れ「かりん」があります。
なかに入るとまずリビングルームは広々としており、柿渋で染めた天然木の梁柱と床、そして漆喰の色合いが安らぎを与えてくれます。
その他にモダンにデザインされた小上がりの和室と、寝心地がよいベッドルームという構成。
誰に気兼ねすることなく天然の掛け流し温泉を愉しめる、檜の内風呂に石湯の露天風呂。
そして、筑後の長閑な時を互いに過ごすテラスの空間となっています。
リビングルームにはボーズ社の音響装置も設えられており、迫力のある映像を楽しむことができます。

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美容液に浸かっているみたい。
ヌルヌル驚きの天然温泉

離れのお風呂以外に男女別の内湯と露天風呂もあります。
もちろん、離れと同じく内湯・露天ともに源泉掛け流しです。
泉質はアルカリ性単純温泉ですがpH9.5と高アルカリ性のため、
湯に浸かるとまるで美容液に浸かっているみたいにヌルヌルとした感触が楽しめます。
石材やデザインも凝っており、モルタルに竹を埋め込み成型した炭壁や内湯の底には
岩盤浴に使用される鉄鉱石、外湯の底にはラジウム鉱石をそれぞれ使用。
また、浴場の敷石には地元の山の石材がそれぞれ使用されていました。
ややあたたかめの湯加減が滞在する時間を延ばしていきます。

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無添加にこだわる旬の自然食会席を堪能

お料理は夕食・朝食ともに母屋のお食事処にていただきます。
夕食は料理長おまかせの会席料理。
添加物を一切使わない一品一品丁寧に手づくりされた自然食が時間をかけて振る舞われます。
はじめの一品はガラスの器に盛られたみずみずしい水菜のジュレかけ。
前菜はゆり根の豆腐、鴨の山椒焼き、ちしゃとうの塩麹漬けなど7品。次に帆立の真丈の椀物。
初春を想う金色の梅の上蓋を開け、ほのかな湯気とともに何ともいえない出汁のいい香りが立ち上ります。
汁を口に含むだけでこのあとの料理に期待できることを確信させます。
刺身は虎河豚。甘みとコクを味わう厚みのあるふぐ刺しは、料理長のこだわりを感じさせます。
蕪の餡かけに伊勢海老の柚子味噌焼きをいただき、鍋物はスッポン。
臭みのない柔らかな身はトロトロ、スープは最後の一滴まで飲み干しました。
口休めに新鮮な野菜を特製の甘めの味噌をつけていただきます。
主菜は薄切りにしたロースト黒毛和牛。温野菜は自家製ソースと醤油漬けされた青唐辛子とともにいただきます。
締めは、雑穀米に春を彩る菜の花とお豆をふんだんに炊き込んだご飯。
デザートはデコポンのゼリー。毎度のことながらお腹いっぱいにいただきました。
翌日の朝食は、かまどで炊きあげた十六穀米に自家農園で採れる野菜やジュース、
手づくりの豆腐、そして鶏たちの産みたて玉子などがテーブルに並びます。

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昔もいまもこれからも
人の笑い声を繋ぐ大切な空間

ふかほり邸は元々は個人の深堀さんの邸宅であった住居を宿泊施設に改築して2008年4月に開業したそうです。
最初から宿泊施設を運営することは考えておらず、社員の研修の場として利用しているなか、
寝心地がよいという声が社員からあがり、それならこの長閑な地域とともに
築180年以上を重ねてきた歴史ある空間を活かした宿泊施設を提供できないかと考え、開業に至ったとのことです。
そう語っていただいたのは、ふかほり邸の運営会社でもあるベストアメニティ株式会社 代表取締役社長 内田 幸子さん。
宿泊施設の建築にあたり旧家の深堀邸は当時2,000坪で現在の母屋までの敷地、
さらに2,000坪を地元の方から譲り受け、中庭・離れ・浴場・農園を造り、都合4,000坪の宿泊施設となったそうです。
旧家深堀邸の建材を最大限再利用し、漆喰、床下には備長炭を敷きつめ、
柿渋で塗装された柱や床、無農薬のい草を使用した畳など自然素材にもこだわっているとのこと。
食事も自家農園で採れた新鮮な野菜をはじめとして無添加自然食品にこだわり地産地消を心がけているそうです。

内田社長との対談で印象的だったお話が、深堀邸を譲り受け深堀夫妻が引っ越しされる時、
「自分たちがこのまま住み続ければ、やがて誰も居なくなってしまうが、
内田さんが引き受けてくれたおかげで、またここに人の笑い声が続いていく。
だから私たちが去ることは少し寂しいがこの邸宅にとってはよかったと思う」と言ってくれたこと。
その後、深堀夫妻の想いをそのまま屋号に使用させていただいたこと、すごく喜んでくれたこと。
そして、これからもその想いを大事にしていきたいとのこと。
お互いにご縁があってのお話ですが何だかとても素敵なことだと思いませんか。
みなさまもぜひ一度お泊まりになってみては如何でしょうか。

※料理は、仕入れ状況により毎日異なったメニューが提供されます。
掲載の料理はメニュー一例としてご参考にしてください。