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顧客満足度1位の企業から学ぶ シリーズ1
 ~スターバックスはなぜ選ばれるのか~

サービス産業生産性協議会は7月27日、2万5167人を対象に実施した
「2022年日本版顧客満足度指数」の調査結果
を発表しました。
この調査は毎年30以上の各業種、約400社の企業を対象に行われています。

本記事ではその中から3つの業種、カフェ・コンビニエンスストア・百貨店部門
それぞれで顧客満足度1位に
選ばれた企業は「なぜ選ばれ、満足度が高いのか」を
シリーズで3回に分けてご紹介、宿泊業に活かせることは
ないのか考察したいと思います。

第1回は、「カフェ部門」スターバックスです。

 


 

カフェ部門1位:スターバックス

カフェ市場の現状

2010年代からのカフェ人気を背景に成長を続けてきたカフェ市場。
市場の業績は2020年にコロナ禍で外出控えがあり急落しましたが、
昨年から緩やかな回復傾向にあります。

市場の実態として、消費者の利用率は大手企業に集中しており寡占状態となっています。
しかし、近年は独自のコンセプトをもった個人店や、コンビニでも質の高い挽きたての
コーヒーが味わえることから、業界内の競争は激化していくことが予想されています。

 

スターバックスが提供しているもの


そんなカフェ市場のなかでトップシェアを獲得しているのが
ご存じ『スターバックス』です。
国内店舗数は2022年6月時点で1,727店舗。
国内シェア2位のドトールコーヒーが1,070店舗ですのでその規模の大きさが分かります。
どの業界でも、店舗数1位 = 1番選ばれる = 顧客満足度1位 とは限りませんが、
なぜスターバックスは多くの人に選ばれ、満足度が高いのでしょうか。

 

その要因は、他社との差異化ポイント(独自路線)
カフェを利用する消費者心理を的確に捉えた
秀逸なものであることです。

 

その差異化ポイントとは、
競合他社が「商品」を提供する一方で、

スターバックスは 体験 を提供していることです。

 

 

多くの人に選ばれ、顧客満足度が高い「体験」とは


1970年代、スターバックスの創設者ハワード・シュルツ氏は
当時コーヒー豆の小売店のみを事業としていたスターバックス社に入社。
ある時訪れたイタリアの小さなエスプレッソバーで運命を変える体験をしました。

そのエスプレッソバーでは、店員から気さくに声がかかり、
バリスタは忙しそうにせず
優雅にエスプレッソを注ぎ、
心地よい音楽が流れていました。
そしてその雰囲気に感銘を受けたシュルツ氏は気づきました、

 

「ここはただコーヒーを飲むための場所ではなく、
 この場にいることに素晴らしい価値があるのだ」

 

翌年、シュルツ氏は退社し自らコーヒー店を立ち上げます。
そのコーヒー店は瞬く間に人気店となり、独立からわずか2年で
以前勤めていたスターバックス社を買収、店舗数を拡大していき今日に至ります。

 

スターバックスが提供する「体験」とは ” 居心地の良さを感じる時間 “ です。
それはオシャレで落ち着いた空間演出だけではなく、
座り心地のよいソファー、気さくな店員さん、店内のBGM、窓からの景色など
長時間居たくなるような仕掛けがたくさん融合されています。
もちろん、商品にも力を入れ”ワクワク感”が体験できるような工夫もあります。

 

「ちょっとどこかでゆっくりしたい」と欲する多くの消費者に対し、
理想通りの体験を提供している ことが、スターバックスが選ばれる理由であり
顧客満足度が高い理由といえるでしょう。

 


 

再認識してほしいこと

このスターバックスの例から私が思う、
みなさまに再認識してほしいポイントがあります。
それは先述の

競合他社が「商品」を提供する一方で、
スターバックスは「体験」を提供していること

さまざまな宿泊施設が「商品」や「価格」に
重きを置きますが、商品や価格をアピールした集客は
他社と比較されやすく、また模倣されやすいなど
競争となることで長く続けていくと疲弊します。

この記事を読まれたみなさまには、
今一度、「宿泊中に体験できること」に目を向け、
その体験をアピールポイントとして発信されてはいかがでしょか。

 

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第2回は「コンビニエンスストア部門1位」
北海道のローカルストア『セイコーマート』
~ 大手コンビニがどうしても勝てない、セイコーマート ~
をご紹介します。尚、第2回の配信は10月予定です。

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