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宿泊予約経営研究所所長の末吉秀典が注目の宿泊施設をご紹介するこのコーナー。
今月は、「若竹の庄 別邸 笹音」の体験レポートをお届けします。
寒さが厳しい2月初旬、私たちは
大人の至福の時間を過ごせることで人気の湯宿「若竹の庄 別邸笹音」に宿泊することにしました。
以前宿泊した折、テラスから眺めた景色に心地よく過ごした時を思い出しながら、
東北新幹線宇都宮駅で下車し、鬼怒川温泉を目指してレンタカーで出発。
今市ICから国道121号線経由で1時間ほど走れば、
大型観光ホテルが建ち並ぶ温泉街、鬼怒川温泉が見えてきます。
鬼怒川温泉の中心街から川治温泉方面へ1kmほど進むと見えてくるのが、
竹林に囲まれた「若竹の庄 別邸 笹音」。
大きな長屋門をくぐり、まずは若竹の庄のロビーラウンジへ。
スタッフの案内で別邸 笹音のラウンジでチェックインし、
モダンながらも和のぬくもりを感じさせるラウンジでお抹茶と和菓子のおもてなし。
館内ではクラシカルな音楽が流れ、上質な大人の空間を演出しています。
別邸 笹音には半露天風呂付の客室が全16室、鬼怒川に面したタイプは4種類あります。
いずれもプライベートな滞在を愉しめる空間となっており、
大人のお籠もりの場として完結されています。
その他に、貸切風呂、食事処の料亭、バーカウンター・ラウンジ、アロマルームで構成されています。
宿泊客は若竹の庄の大浴場・露天風呂も利用することができます。
その中で好評なのが、
鬼怒川のせせらぎと山並みを眺めることができる客室のテラスと半露天風呂。
長閑な対岸の山並みと清冽な鬼怒川の流れを、
テラスに備え付けのデッキチェアに腰掛けて愉しむことができます。
また、半露天風呂は木枠の格子により、景色を全面で楽しむことはできませんが、
格子から覗き見る対岸の景色が逆に想像力を高め、時が経つのを忘れさせてくれます。
夕食は、季節に応じた京会席料理。郷土料理のしもつかれを先付けに、
全国から取り寄せた旬材を活かしたお料理が一品一品運ばれてきます。
那須牛の柔煮・寒鰻のタルタル焼、日光生湯葉など地場の料理もしっかり続きます。
お料理が運ばれる度に気づくのは、同じ品でも一人ひとり異なる器で運ばれてくるということです。
多彩な有田焼の器を違えて出す演出は非常にお見事。
お互いの器を見比べることで会話も弾み自然と心が和みます。
食事の後は、シックなカウンターバーで一休み。
開放的なラウンジで好きなドリンクを愉しむもよし、カウンターで料理の余韻を愉しむもよし。
ジャズの調べが二人だけの大人の時間を演出してくれます。
別邸 笹音の開業は7年前の2005年。
「当時は各地で露天風呂付客室や空間プロデュースを手がける
デザイナーズ旅館が注目され始めた頃で、鬼怒川温泉に無い宿屋を創りたかった」
と話すのは常務取締役の臼井賢一さん。
「鬼怒川の地で二人連れの大人がプライベート空間を愉しめる湯宿を創ってみたかった。
そのためお子さまの宿泊をお断りし、鬼怒川で初めて本格的なバーカウンターを設えました。
団体ではなく、個人へ。スタイルが新しかったので設計事務所の方とも相当議論しました。
今後も上質な大人のための館をさらに極めて行きたいと考えています」
個人の嗜好が多様化するお客さまに対し、どのように変化し、何を変化させないのか。
料理はどうあるべきか? 館内の設えは? サービスは十分なのか?
…など悩みも尽きないというお話もいただきました。
この手の問題は、宿を経営される方にとっては共通の問題のように思います。
弊社でもこの問題に対し真摯に取り組み、
経営者の方と一緒になって検討していく場を現在検討しております。
近々にご案内をさせていただきますので、是非ご検討いただきますようお願い申し上げます。
大事な人と過ごすプライベートなお籠もり空間。
そして、大人の振る舞いを互いに演じるカウンターバー。
臼井さんが仕掛ける大人の上質な空間は、前回の宿泊の時と少しも変わっていません。
7年の年月が経ち、次に何を仕掛けられるのかがとても楽しみです。
(文・写真:末吉 秀典)
若竹の庄 別邸 笹音 |
〒321-2521 栃木県日光市鬼怒川温泉藤原136
0288-76-3000 →若竹の庄 別邸 笹音 公式HP |
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車で東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路今市ICを経て国道121号線で20分
電車東武線浅草駅から鬼怒川公園駅下車徒歩8分 |