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宿研通信 3月号

気になる宿屋レポート 末吉が行く

宿泊予約経営研究所所長の末吉秀典が注目の宿泊施設をご紹介するこのコーナー。
今月は、「若竹の庄 別邸 笹音」の体験レポートをお届けします。

「若竹の庄 別邸 笹音」

寒さが厳しい2月初旬、私たちは 大人の至福の時間を過ごせることで人気の湯宿「若竹の庄 別邸笹音」に宿泊することにしました。
以前宿泊した折、テラスから眺めた景色に心地よく過ごした時を思い出しながら、
東北新幹線宇都宮駅で下車し、鬼怒川温泉を目指してレンタカーで出発。
今市ICから国道121号線経由で1時間ほど走れば、
大型観光ホテルが建ち並ぶ温泉街、鬼怒川温泉が見えてきます。

竹林の向こうに佇む
お籠もりの宿

鬼怒川温泉の中心街から川治温泉方面へ1kmほど進むと見えてくるのが、
竹林に囲まれた「若竹の庄 別邸 笹音」。
大きな長屋門をくぐり、まずは若竹の庄のロビーラウンジへ。
スタッフの案内で別邸 笹音のラウンジでチェックインし、
モダンながらも和のぬくもりを感じさせるラウンジでお抹茶と和菓子のおもてなし。
館内ではクラシカルな音楽が流れ、上質な大人の空間を演出しています。

竹林に囲まれた
庄屋スタイルの若竹の庄
竹林に囲まれた庄屋スタイルの若竹の庄
まずは長屋門をくぐり
若竹の庄のロビーラウンジへ
まずは長屋門をくぐり若竹の庄のロビーラウンジへ

大きな窓から抜けが心地よい
別邸 笹音のラウンジ
大きな窓から抜けが心地よい別邸 笹音のラウンジ
上質な音楽が
ラウンジを演出
上質な音楽がラウンジを演出

別邸 笹音には半露天風呂付の客室が全16室、鬼怒川に面したタイプは4種類あります。
いずれもプライベートな滞在を愉しめる空間となっており、
大人のお籠もりの場として完結されています。
その他に、貸切風呂、食事処の料亭、バーカウンター・ラウンジ、アロマルームで構成されています。

窓を開放して長閑な対岸を
眺めながら浸かる貸切風呂
窓を開放して長閑な対岸を眺めながら浸かる貸切風呂
鬼怒川を渡る風が
アロマと共に薫るアロマルーム
鬼怒川を渡る風がアロマと共に薫るアロマルーム

鬼怒川の清流が作る
ゆったりとした時間

宿泊客は若竹の庄の大浴場・露天風呂も利用することができます。
その中で好評なのが、
鬼怒川のせせらぎと山並みを眺めることができる客室のテラスと半露天風呂。
長閑な対岸の山並みと清冽な鬼怒川の流れを、
テラスに備え付けのデッキチェアに腰掛けて愉しむことができます。
また、半露天風呂は木枠の格子により、景色を全面で楽しむことはできませんが、
格子から覗き見る対岸の景色が逆に想像力を高め、時が経つのを忘れさせてくれます。

本日宿泊をした客室
「上田」
本日宿泊をした客室「上田」
ゆったりとした和室8畳と
ベッドルームのBタイプ
ゆったりとした和室8畳とベッドルームのBタイプ

プライベートな空間を愉しむ
半露天風呂
プライベートな空間を愉しむ半露天風呂
デッキテラスから広がる鬼怒川と
対岸の山並みの景色
デッキテラスから広がる鬼怒川と対岸の山並みの景色

器から伝わる
小さな心遣い

夕食は、季節に応じた京会席料理。郷土料理のしもつかれを先付けに、
全国から取り寄せた旬材を活かしたお料理が一品一品運ばれてきます。
那須牛の柔煮・寒鰻のタルタル焼、日光生湯葉など地場の料理もしっかり続きます。

お料理が運ばれる度に気づくのは、同じ品でも一人ひとり異なる器で運ばれてくるということです。
多彩な有田焼の器を違えて出す演出は非常にお見事。
お互いの器を見比べることで会話も弾み自然と心が和みます。

彩り鮮やかな別邸笹音の
京会席如月料理
彩り鮮やかな別邸笹音の京会席如月料理
那須牛の焼物と
寒鰻のタルタル焼
那須牛の焼物と寒鰻のタルタル焼

柚子のかほりを添える
那須牛の柔煮
柚子のかほりを添える那須牛の柔煮
何とも贅沢!
朝からお造りをいただける幸せ
何とも贅沢!朝からお造りをいただける幸せ

食事の後は、シックなカウンターバーで一休み。
開放的なラウンジで好きなドリンクを愉しむもよし、カウンターで料理の余韻を愉しむもよし。
ジャズの調べが二人だけの大人の時間を演出してくれます。

ジャズの音楽が心地よい
シックな大人のカウンターバー
ジャズの音楽が心地よいシックな大人のカウンターバー
上質な空間で
食事の余韻を満喫
上質な空間で食事の余韻を満喫

開業当時から取り組んできた
“大人のくつろぎ”の創造

別邸 笹音の開業は7年前の2005年。
「当時は各地で露天風呂付客室や空間プロデュースを手がける
デザイナーズ旅館が注目され始めた頃で、鬼怒川温泉に無い宿屋を創りたかった」
と話すのは常務取締役の臼井賢一さん。

「鬼怒川の地で二人連れの大人がプライベート空間を愉しめる湯宿を創ってみたかった。
そのためお子さまの宿泊をお断りし、鬼怒川で初めて本格的なバーカウンターを設えました。
団体ではなく、個人へ。スタイルが新しかったので設計事務所の方とも相当議論しました。
今後も上質な大人のための館をさらに極めて行きたいと考えています」

個人の嗜好が多様化するお客さまに対し、どのように変化し、何を変化させないのか。
料理はどうあるべきか? 館内の設えは? サービスは十分なのか?
…など悩みも尽きないというお話もいただきました。

この手の問題は、宿を経営される方にとっては共通の問題のように思います。
弊社でもこの問題に対し真摯に取り組み、
経営者の方と一緒になって検討していく場を現在検討しております。
近々にご案内をさせていただきますので、是非ご検討いただきますようお願い申し上げます。


大事な人と過ごすプライベートなお籠もり空間。
そして、大人の振る舞いを互いに演じるカウンターバー。
臼井さんが仕掛ける大人の上質な空間は、前回の宿泊の時と少しも変わっていません。
7年の年月が経ち、次に何を仕掛けられるのかがとても楽しみです。



(文・写真:末吉 秀典)

今月の宿屋データ
宿屋 若竹の庄 別邸 笹音
所在地・連絡先
宿泊予約サイト
 →一休.COM →じゃらんnet →楽天トラベル
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