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宿泊事業の身近なSDGs取り組み事例┃サステナブルな宿運営を目指すには
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宿泊事業の身近なSDGs取り組み事例┃サステナブルな宿運営を目指すには

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2022. 08. 22

最終更新 2024. 08. 20

宿泊事業の身近なSDGs取り組み事例┃サステナブルな宿運営を目指すにはのキービジュアル

目次

    皆様は「SDGs」や「サステナブル」をどのように捉えていますか?
    言葉は知っているが、「メリットが何かわからない」「なにからやればいいのかわからない」等の理由から敬遠されている方も多いと思います。 横文字で表現されると、海外主流の新しい取り組みのように感じますが「もったいない」という日本独自の言葉があるように、日本文化は意外にもサステナブルと相性が良いのです。

    「もったいない」「顧客満足度や従業員満足度が上げたい」「地域活性に繋げたい」そういった観点で始めた普段の取り組みが、少しだけ見方や表現を変えることでSDGsの取り組みとして十分にPRできる可能性があります。

    今回は、SDGsという世界が決めた2030年までの大きな目標に対し、旅館・ホテルが出来る取り組み事例と発信の方法をご紹介します。

     

    サステナブルとは・・・持続可能という意味で、SDGsのSにあたる。
    「世界全体で、美しい地球を保ち続けるための設計や仕組みを考えること」を意味する

    SDGsとは・・・Sustainable Development Goalsの略称。
    サステナブル社会を実現するために掲げられた具体的な17の目標のこと
    (2015年9月の国連サミットで採択された2016年~2030年迄の国際目標)

    宿泊業界におけるSDGsを取り組むメリット

    《メリット1》インバウンド集客に特に効果的

    Booking.comが発表した2022年版「サステナブルトラベル」レポートをみると旅行で利用する宿泊サービスや訪問先の選択において、サステナビリティを意識する傾向は高まっており、「サステナブルな旅は自分にとって重要」と回答した人は世界全体で81%、日本人回答者でも73%を占めています。

    また、宿泊施設についての質問では世界全体で78%が「今後1年以内の旅行で、少なくとも一回はサステナブルな施設に滞在したい」と回答しています。(引用:Booking.com 2022年版「サステナブルトラベル」)

     

    <サステナブルトラベルバッジ>

    Booking.comでは、2021年11月から「サステナブル・トラベルバッジ」を導入しており世界では10万軒以上、日本では1千軒以上が取得しています。
    管理画面上で32項目に解答することで申請できるこのサステナブルトラベルバッジは、海外旅行者の宿探しにとって、重要な役割を果たすことを示唆しています。

     

    ▼サステナブルトラベルバッジを取得すると
    以下の通り施設ページに登録施設であるというタグが表記され、詳細ページでは具体的に何に取り組んでいるかを確認することができます。

     

    また、絞り込み検索時も、サステナブルでヒットするようになっています。

     

    《 メリット2 》若い世代の人材獲得に向けたアピールになる

    SDGsやサステナブルの取り組みは、「大企業のイメージアップのためのミッション」と思われがちですが、会社の知名度や大きさだけで企業を選択しなくなった現代だからこそ中小企業においても十分アピール材料になります。

    そもそもSDGsに興味関心がある層は「Z世代」「ミレニアル世代」といわれる20代~30代の年代です。そういった世代が就職や転職の際に、企業がSDGsへの向き合っているかを将来性の判断基準に据える傾向がでてきました。

    ベイニッチが2021年5月に発表した「22卒就活生の選社軸とSDGsの関係性」の調査では、17%が就職先企業を選ぶ上で重視した点で「SDGsに対する姿勢や取り組み」を選択しています。

    人材確保に悩まされる宿泊業界でも、優秀な人材を採用するにあたって、SDGsはますます無視できなくなっていくでしょう。

    従業員に若い世代の方がいらっしゃる場合は「SDGs・サステナブルプロジェクト」のリーダーに任命してミッションを課してみるのもいいかもしれません。
    従来の業務と直接的なしがらみの薄いSDGsであれば若手がリーダーになっても波風が立ちにくく、向上心のある若手社員を定着させ育てるきっかけにもなります。

    《 メリット3 》地域全体の活性化につながる

    どの地域にも、文化や気候・歴史などにおいて、他とは違う「ユニークな一面」があります。SDGsの取り組みを通して、その土地で破棄されるはずだった資源や利用されずに眠っていた資産が新たな価値となることも多いです。その土地の文化や食べ物、人々を巻き込み、そこに付加価値や意味を付けて発信することは、地域全体のコミュニケーションなしでは成立しません。SDGsの取り組みは、地域全体が元気になる相乗効果をもたらします。

    旅館・ホテルが取り組みやすいSDGsとは?

    SDGsが掲げる17の目標(ゴール)のうち、旅館・ホテルの皆さんが取り組みやすい3つを紹介します。

    ゴール8 . 働きがいも経済成長も

    働きがいも経済成長も ©宿研

     

    「働きがいがあり、十分な収入を得られ、あらゆる権利が守られる」そんな人間らしい仕事が出来ることをディセント・ワークといいます。

     

     例えばこんな取り組みがあります 

    ・スタッフ同士で印象に残った良い業務の事例をGood Jobとして推薦
    ・施設の一角や壁を利用して、障がい者アーティストの活動の場の創出と自立支援
    ・結婚や出産を経ても働き続けられる職場環境作り
    ・管理職を目指す女性を応援する制度を設立・実行
    ・海外人材が日本で活躍するサポート
    ・男性の産休取得を促進
    ・キャリアパスに応じた研修制度
    ・障がい者雇用の推進
    ・働き方改革
    ・従業員の健康保持・増進
    ・フェアトレード商品(公平・公正な取引と認定された商品)を扱う

     

    ゴール12 . つくる責任つかう責任

    SDGs作る責任使う責任 ©宿研

     

    持続可能な消費と生産パターンを確保することがテーマとなっており、
    消費全般に関わる内容の他、代表的な分野として水、エネルギー、食料がこれにあたります。

     

     例えばこんな取り組みがあります 

    ・ 食ロス対策として残った食材をお弁当にして安く販売
    ・ 「TABETE」という食ロス対策を行うシェアリングサービスがあります。都内のホテル等、宿泊者以外の方のご利用も見込める施設様は参画してみても良いかもしれません。TABETE(https://tabete.me/)
    ・ 紙の宣伝印刷物等を減らし、WEB広告やスマホ画面での案内に切り替え
    ・ 環境に配慮したノベルティやオリジナルグッズの作成
    ・ バイオ生ゴミ処理機で朝食の生ゴミを堆肥化して近隣の農園に提供・返納
    ・ 客室のボトルアメニティや女性向けのスキンケア・ヘアケア製品はオーガニックへ変更
    ・ 地産地消にこだわった朝食・夕食
    ・ 食べきれる量の料理にして質を重視
    ・ お土産どころの過度な梱包をなくす
    ・ 廃材を使ってオリジナル商品を制作販売

     

     

    渓谷に佇む隠れ宿 峡泉での取り組み

    ◎リニューアル工事で出た廃材をリメイクした箸置きコースターを商品化し、販売しています。


     

     

     

     

     

     

     

    地元で活躍するアーティスト(Hana to Ki to)さんに廃材リメイクの協力を依頼し、お土産品として
    人気の商品となりました。

    出典:渓谷に佇む隠れ宿 峡泉

     

    ゴール14 . 海の豊かさを守ろう

    SDGs海の豊かさを守ろう ©宿研

    失われつつある海の豊かさを守り、海や海洋資源を持続的に利用するために掲げられた目標です。
    中でも海洋プラスティックによる海洋汚染の問題や、地球温暖化がもたらす海への影響などが挙げられます。

     

     例えばこんな取り組みがあります 

    ・ 脱プラで環境にやさしい竹のアメニティを導入
    ・ アメニティは必要な方のみ選択式
    ・ 連泊時のエコ清掃(ベッドメイキング選択制)
    ・ 置き型のシャンプー・ボディーソープ等の詰め替え

    発信していくために必要なもの

    SDGsのロゴに許可は必要?

    SDGsロゴのダウンロード自体はサイトから自由にでき、企業や担当者の登録は必要ありません。基本的に自社の取り組みを社外に伝えるために会社ロゴと並べて表示するといった場合には許可は必要ありません。許可が必要なのは「商業用途」「資金調達目的」として使用する場合です。

     

    ▼ SDGsロゴおよびアイコンの使用についてはこちらをご確認ください

    国連広報センターHP

    最後に

    売り上げや利益に直結しにくい取り組みに、追加のコストを許す余裕はないとSDGsに腰が引けてしまう施設様もまだまだ多いと思います。

    しかし、SDGsやその取り組みは、決して新たなコストがかかるものばかりではありません。普段の取り組みにSDGsの視点を盛り込むことで、私たち宿泊業界もサステナブルな社会づくりに関わり、貢献し、企業としてPRできる可能性があります。

    ぜひこの機会に一度、ご自身の普段の活動と照らし合わせてみていただき、あてはまる事柄を発信してみてください。

    さらに今回一例としてご紹介した中から「無理なく続けられる分野」に絞って新たに実践していくことでより貢献度の高い活動につながるはずです。

    株式会社宿研は〝日本中の宿を元気にする”宿泊施設専門のweb集客パートナーです。
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