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【宿泊業の利益確保術!】ホテル・旅館が失敗しない値上げ方法とは?お客様が納得する3つの値上げ方法
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【宿泊業の利益確保術!】ホテル・旅館が失敗しない値上げ方法とは?お客様が納得する3つの値上げ方法

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2023. 05. 16

最終更新 2024. 06. 20

目次

    [caption id="attachment_3738" align="alignnone" width="630"] 顧客に納得感をもってもらう 値上げ方法3選[/caption]

     
    近年の原材料価格、エネルギー価格の高騰によるコストアップにより、販売価格の見直しや損益計算に苦労されている施設様が多いと思います。
    そんな中、2023年3月末に帝国データバンクが発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」によると、2023年10月頃までは引き続き継続的に値上げが実施されるという調査結果が報告されました。

    特に今後は輸入小麦の価格が再び引き上げられる可能性があり、それに伴うパンの値上げはもちろんのこと、その他、ショートニングや乳製品、砂糖類の原材料で多くの値上げが行われる可能性もあります。直近では、2023年6月から加工食品を中心に再び大規模な値上げが実施される見込みとの調査報告がされています。また、大手電力会社7社も6月から電気代の値上げを実施する意向が示されています。


    ※詳細はこちら(帝国データバンク「食品主要195社価格改定動向調査―2023年4月」


    各食品メーカーがこれまでのコスト増加分を十分に価格転嫁できていない実情がある以上、宿泊業においても三たび、コストのひっ迫は避けられないことでしょう。


    そこで今回は、コストアップ分で失う利益を取り戻す価格転嫁。利益増を目的とした値上げに焦点を当て、顧客に“納得感”をもってもらうことで失敗しない価格転嫁、値上げの方法をご紹介したいと思います。

     

    ------------目次-------------

    1.絶対に避けたい「物価高倒産」
    2.失敗しない3つの価格転嫁、値上げ方法
    3.価格転嫁、値上げを実行するために重要な2つ思考
    4.さいごに

     

     

    ┃絶対に避けたい「物価高倒産」


    2023年4月10日、帝国データバンクは2022年度に発生した「物価高倒産」の動向調査結果を発表しました。この調査によると物価高が最後の追い打ちとなり倒産した企業は9カ月連続で過去最多を更新しており、2022年度は436件と2021年度の3.4倍に増加しています。

     


    ※出典元:帝国データバンク「物価高倒産」動向調査(2022年度)

     

    続いて、物価高倒産の要因(左下図)については、原材料費が要因:37.4%と最も高く、次いでエネルギーコストが要因:23.7%です。業種別(右下図)で見ると運輸業が最も多い結果でした。

     



    ※出典元:帝国データバンク「物価高倒産」動向調査(2022年度)

     

    個別の倒産事例をみると、先の不安定な社会情勢を経験し経営体力を消耗している状態が続くなか、最後の追い打ちとして物価高の影響を受け、事業継続を“あきらめる”ケースがほとんどだったようです。そのうち 2022年度の物価高に起因し、価格転嫁が叶わない、いわゆる「価格転嫁難」倒産は少なくとも 47 件確認されています。


    冒頭の通り、2023年度に入ってもしばらく続くコストアップの波。さらには、先の不安定な社会情勢下で取り組まれた「ゼロゼロ融資」の返済が今月5月から始まったことで、融資を受けているなかで価格転嫁が不十分な場合は、コストアップ分を価格転嫁するだけでなく、利益幅を増やすことも必須となります。また、旅行需要が回復してきたことで、今後は売上高を伸ばすことよりも、いかに利益を増やすかに注力が必要と言えます。

     

     

    ┃失敗しない3つの価格転嫁、値上げ方法

     

    一般的に利益を確保、増やす方法として、コストの削減が最も最初に思い浮かびますが、こう何度も広域的にコストアップが続いていてはコスト削減にも限界がでてきます。
    先述の通り、値上げを実行する場合は顧客に対し値上げの“納得感”をもってもらう必要があります。既存顧客と初見の新規顧客とでは見るポイントが異なりますが、値上げの理由を明確にすることと、顧客の利益も明確にすることが大切です。ここでは「値上げの理由」と「顧客の利益」に繋がる価格転嫁、値上げ方法をご紹介します。

     

    1.値上げの理由を正直に開示する


    値上げの際に必ず実行しなければならないことは、値上げの理由を正直に開示することです。原材料費、光熱費の高騰による値上げなのか、満足度向上のための値上げなのか、顧客に納得を得てもらうために値上げの理由を正直に開示します。

    現在の社会状況において、原材料費、光熱費の高騰は周知の事実なので理解してもらえます。また、正直に誠意をもって伝えることにマイナスの印象をもつ人はいません。反対に良くないことは、価格を据え置きにするために「質を落とすこと」です。質の低下は既存顧客がこれまで得られていた便益の喪失、信用の失墜に繋がる恐れがあるので、もっともやってはいけない行為です。
    値上げの情報は「お知らせ」として事前に目につきやすい箇所に表示し、誠意を示す必要があります。


    参考に、Google検索においてここ3カ月の間、「ホテル 値上げ なぜ」「ホテル 値上げしすぎ」「旅館 高くなった」などのキーワード検索の回数が以下の通り急増しています。一般ユーザーが宿泊施設の値上げについて敏感に反応し、値上げの要因を調べていることが伺えるので、決して旅行支援事業の便乗値上げではないことを示しておきましょう。


     

     

    2.値上げとサービス改定をセットにする


    続いてご紹介するのは、ただ値上げをするのではなく、値上げとサービス改定をセットにする方法です。お料理を提供されている施設様は、値上げと提供メニューの改定をセットする方法もあります。

    ポイントはお客様に「損」を感じさせないこと。同じ価格の変化でも損ととるか、得ととるかで消費者のモチベーションは異なります。つまり、値上げの認知と同時にメリットも認知してもらう必要があります。

    具体的には、選択肢の増加や供給量の増加など「数」のアップを伴った値上げは消費者にメリットが伝わりやすく、大きな「損」を感じにくいものです。
    例えば、仕入れ原価が同じくらいの商品を追加導入することで、選択できる種類を増やす。または、原価率の低い商品・食品を取り入れ提供数を増やすなどの方法があります。

    ◎値上げと同時に選択制にしていた商品・サービスの種類を増やす。
    ◎料理メニューの場合、元々仕入れている食材の中で、仕入れ原価の低いものを使った別メニューを追加する。

     

    この方法を実践する場合、売れ行きが好調な商品アイテム(プラン)の値上げ幅を増やすと良いとされています。その他、単純に「数」に着目する以外にも「質」で損を感じさせない方法もあります。

    ◎人気が高い商品・サービス、一部メニューの質を上げることで新たな満足をつくる。
    ◎地元産で話題性のあるサービス・商品・食材を取り入れ、満足度を高める。

    「数」「質」またその他のいずれにしても、顧客はこれまでの経験や他施設を見たことで似たような商品・サービスの価格を覚えています。他の施設と異なるオリジナルポイントを設けておくことも肝心です。
    ※これは既存顧客へ向けて有効なアプローチ手段となります。

     

     

    3.提供商品、サービスはそのままで「付加価値」を伝える


    施設の特性上、先述のように量や質のサービス改定が難しい施設様もいらっしゃいます。

    既にある商品、サービスを変えることなく値上げをせざるを得ない場合は、もう一度自社に目を向けてみましょう。
    ここでご紹介する方法は、文脈で価値をつくる方法です。これまでは表現できていなかった付加価値を提示することで価格の納得感を認識してもらいます。(文脈が変われば意味が変わり価値も変わる)

    付加価値は単に商品(プラン)、サービスに対してだけでなく、施設自体の付加価値も存在します。商品(プラン)やサービス毎の付加価値と施設自体の付加価値、どちらがより重要かと問われれば間違いなく施設自体の付加価値です。(施設を利用する価値)
    なぜならば、顧客は商品(プラン)、サービスで宿泊施設を決めることよりも、宿泊施設自体を吟味し選ぶことが多いからです。プランは予約するための手段でしかありません。

    付加価値とは何か?という話になると長くなりますので、付加価値の本質だけをご紹介すると、付加価値とは、商品・サービスに+αで付与される「消費する意味」もしくは、「消費において約束されること」です。消費者は商品・サービスに対価を払っているのではなく、この+αの付加価値便益を得るために対価を払っていると言えます。


    付加価値の創造は簡単ではありませんが、付加価値を見つける視点はいくつか存在します。

    最も大切な視点は、本業に縛られないこと。市場を大きく捉えることです。
    宿泊施設は「宿泊行為を売っている」という固定概念を捨て、宿泊行為という機能面以外に目を向けてみます。


    例えば、「〇〇にとって自施設の存在価値はどのようなものか?」という問いをいくつか立て、それぞれを考えてみます。この時の〇〇に入る例を以下に挙げてみます。

    〇〇に入る例
    ◆ 地域の歴史、文化を楽しみたい人
    ◆ 地域の食文化を楽しみたい人
    ◆ 地域の自然・季節体験を楽しみたい人
    ◆ 特定の趣味・嗜好をもつ人
    ◆日常がルーティン化している人
    ◆「休日なのに人だらけで疲れる」と感じている人

    ◆ 人の健康活動
    ◆ 人の旅行経験
    ◆人の余暇活動
    ◆ストレス社会

     ・・・にとって自施設の存在価値はどのようなものか

     

    このように「宿泊業」よりも視座を上げ、市場を大きく捉えた問いを立て考えていくと思考が広がり、新たな価値に気づきやすくなります。

    それでも付加価値の創造が難しい場合は、以下の問いを考えてみます。
    『どんな人たちがどのような状況・場面で利用すると、自施設が最も魅力的になるのか』

    この問いに答えを見出してみてください。そして、自施設に未だ来訪していない人(未顧客)にいつもと違うシーンやタイミングで利用してもらえるよう、自施設が最も魅力的な存在になる状況・場面をWEBサイト上でPRします。


    この施設の付加価値を創造することはとても大切なことです。考えるうえでたくさんの意見を引き出すために、閑散期に従業員の皆様で一度じっくりと考えてみることをおすすめします。
    ※このアプローチは新規顧客に対して価格の納得感を知覚してもらう有効な手段です。

     

     

     

    ┃価格転嫁、値上げを実行するために重要な2つの思考


    先ほどご紹介しました3つの方法を実行に移す際の考え方として、重要なことが2つあります。

     

    1.前時代的な「価格至上主義」の考えを捨てること

    近年、消費者のお金の価値観は確実に変わっており、「自分にとって意味のあるコトにはお金を使う」という価値観が広まっていることを認識する必要があります。
    特に今後のさまざまな消費市場を担う若い層、外国人観光客はこの傾向が強くあります。
    あくまでも私たち宿泊事業者が売るのは「価格」ではなく、宿泊者にとっての「価値」です。
    ※ただし、価値が納得感のある価格であることが重要です。

    値上げで顧客が離れる心配をされる方もいますが、数%の値上げで離れる顧客は元々ロイヤリティの高い顧客とは言えません。ロイヤリティの低い顧客を残すために身を削ることよりも、勇気をもって一歩踏み出し、未顧客への認知拡大とそこからの顧客獲得に時間とお金をかけるほうが将来性があります。

     
     
    2.一人で考えないこと

    特に経営者は一人で考えることが多くなりますが、一人で考えると行き詰まり思考の幅も狭まることが往々にしてあります。新たな視点で考え、これまで気づいていなかった価値の発見には、複数人で意見を出し合い考えることでアイディアが増え、実行する際にも推進力が高まり、良い結果を生みやすくなります。また、専門的知識が必要な場合は専門家に相談することが効率的です。

     

     

     

    ┃さいごに

     

    今回ご紹介した内容は利益幅向上のためのひとつの考え方と方法であり、他にも他社との競争力を基幹にした価格戦略、コストを基幹した価格戦略など、考え方や方法はいくつかあります。
    しかし、いかなる方法においても最終的に大切なことが1つあります。それは、顧客が何に対してお金を払うのかが明確になっていることです。ここが明確になっていないと“納得感”は得られません。施設の機能・スペックにお金を払うのか、経験にお金を払うのか、情緒的満足にお金を払うのか。全ての顧客に伝わる状態にしておく必要があります。

    値上げの際、競合施設との兼ね合いばかり気にしているケースをよく見かけますが、もっとも理解を深めなければならない先は「顧客」です。この記事を読まれた皆様には、顧客の視点に立ち、顧客が満足できる、納得できる工夫をしたうえで価格転嫁、値上げを実行してもらいたいと思います。

     

     


     

     

    値上げしたいけど、顧客が減るのか不安という方は
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    この記事を書いた人

    はまだ しゅうさく

    入社後、コンサルティング営業室のコンサルタントとして全国のホテル・旅館の集客支援を行う。現在はマーケティング部署でマーケティング戦略を担当。豊富な実務経験と、データを活用したロジカルな思考で課題発見と解決を得意とする。宿泊業以外の他ビジネスからのヒントを紹介するビジネスコラムを担当することが多い。

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