【スイーツのトレンド9選】流行スイーツをヒントに提供デザートのマンネリ解消!
2024. 09. 05
最終更新 2024. 09. 18
目次
ホテルや旅館のお料理を集客のフックにするために、食事のメニューに対して様々な施策を打っている宿泊施設は多いと思います。しかし、食後のデザートまでは手が回らず、長年同じメニューでマンネリ化してしまっている宿泊施設もいらっしゃるのではないでしょうか。
「人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する」というのは、心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏によって提唱された「ピークエンドの法則」です。お客様にとって食事の最後を締めくくるデザートは、滞在中の食体験の印象を左右する重要な要素の一つにもなると考えられます。
そこで本稿では、食後のデザートのマンネリ化を打破し、お客様満足度を向上させるために
の3点を押さえたスイーツを9つ紹介します。
簡単なレシピや作り方も解説していますので、ぜひご自身の宿泊施設での検討にお役立てください。
ホテルスイーツは定番化している?
ホテルや旅館などで提供されている食後のデザートはある程度定番化しています。皆さんの宿泊施設はどうでしょうか?
・アイスクリーム
・シャーベット
・小さくカットされたケーキ
・プリン
・水まんじゅう
・わらびもち
「ホテルや旅館の食事の後は、カロリーの低いものやさっぱりとしたもので締めくくりたい」というお客様は多数派です。準備や保存の手軽さ等もさることながら、こうしたお客様のニーズを満たせるデザートが定番化していると考えられます。
一方で、「もっとお客様にも喜んでもらえるスイーツを提供したい」と考えている方もいらっしゃると思います。またリピーターのお客様が飽きないようにと考えている方もいらっしゃると思います。そうした方におすすめしたいのが、話題性・拡散性のある流行スイーツです。お食事の最後の一品に工夫を凝らし、自社が選ばれるきっかけ作りの一つとして活用してみましょう。
子どもから大人も楽しめる見た目が映える可愛いスイーツ
まず最初は、子どもから大人まで楽しめる見た目が可愛いスイーツを紹介します。
旅行先で写真や動画に収めることが旅の満足度を左右するという調査結果(公益財団法人日本交通公社:「国内旅行におけるSNS・写真に対する意識/実態」)があります。特に若い女性はそうした写真をSNSで発信することが多い傾向にあり、思わずシェアしたくなる見た目が可愛いスイーツには宣伝効果が期待できます。
見た目が可愛いスイーツとしてここでは「猫プリン」と「氷タンフル」を紹介します。
型さえあれば簡単!韓国スイーツで話題の猫プリン
この投稿をInstagramで見る
猫プリンは韓国発のスイーツで、名前のとおり見た目が猫の形をしたプリンです。お皿の上でぷるぷる揺れている動画がSNSで話題となったスイーツです。
このぷるぷると揺れる猫プリンは、型さえあれば簡単に作れます。
作り方
専用の型にミルク寒天液を流し込んで冷やし固めれば完成。
手間はほとんどかかりません。専用の型は大手ECサイト等で1つ2,000円ほどで購入できます。
猫だけでなく犬の可愛い型もあり、大阪の人気カフェでは、とてもリアルなフレンチブルドッグの形をしたパンナコッタ、その名も「ワンナコッタ」を提供されています。ワンナコッタも専用の型にパンナコッタの液を流し込んで、冷やし固めて作られています。詳しくは「ワンナコッタ」で検索してみてください。
型さえあれば、手間をかけずにインパクト抜群の愛らしいデザートが提供できます。
涼しげな見た目でバリエーション豊富な氷タンフル
見た目が涼しげなスイーツ『氷タンフル』は目でも舌でも楽しめるスイーツです。氷タンフルは韓国で流行したタンフル(フルーツ飴)をモチーフにしたスイーツで、フルーツを飴の代わりに氷でコーティングしています。パリパリ食感が楽しめるひんやりスイーツの氷タンフルですが、フルーツの数だけバリエーションを増やせる点もポイントです。暑い季節には、単純にカットフルーツを提供するのではなく、氷タンフルとしてひと工夫することで、お客様を楽しませることができるでしょう。
作り方
作り方はとてもシンプルで、冷凍フルーツを氷水に入れて混ぜるだけで出来上がります。氷をミルク氷に変えれば、ミルクタンフルとして楽しむこともできます。
冷凍フルーツと氷・水、そして作り方を書いたポップを食事会場に用意すれば、お客様自身でデザートを作る機会も提供することができます。ワクワクする仕掛けや、新たな料理を作る楽しみはお客様の宿泊体験の充実度や満足度の向上につながるでしょう。
氷タンフルはビジュアルが可愛いだけでなく、新たな食体験を提供できるニューフェイスのスイーツです。
栄養価が高く、華やかで健康的なスイーツ
新型コロナウイルスによる社会生活への影響は減ったものの、健康志向のブームは今も継続しており、今後も栄養価が高いスイーツは注目度は続くと思われます。そして、InstagramやTikTokなどのSNSの台頭により、目でも楽しめる華やかなスイーツがトレンドとなっています。
ここでは栄養価が高く、華やかにアレンジできるスイーツとして「グリークヨーグルト」と「アサイーボウル」を紹介します。
いま大注目!のグリークヨーグルト
高たんぱく質・低カロリーなグリークヨーグルトは、今大注目の健康的なスイーツです。その注目度は、東京や大阪などの都市部にグリークヨーグルト専門店が開店するほどです。
引用元:APTIMO
生クリームのように濃厚な味わいと固めの食感のグリークヨーグルトは、おしゃれな容器に入れて、フルーツやナッツ類、巣蜜をトッピングして食べる方法が典型パターンとなっています。
固めの食感のヨーグルトと聞くと、ギリシャヨーグルトをイメージする方もいるのではないでしょうか?実はギリシャヨーグルトとグリークヨーグルト、厳密には違いはありません。しかし、トレンドの発祥地・韓国では、クリームチーズのような食感になるまでしっかりと水切りしたものをグリークヨーグルトとして提供しているようです。
作り方
グリークヨーグルトは、市販のプレーンヨーグルト(無糖)から簡単に作ることができます。キッチンペーパーを敷いたザルにヨーグルトを置いて、6時間~ひと晩を目安に水切りするとグリークヨーグルトの完成です。
韓国ではグリークヨーグルトにイチゴやブルーベリー、バナナなどのフルーツ、グラノーラをトッピングする食べ方が主流となっています。日本でもトッピングのバリエーションが豊富になっており、パイナップルや柑橘系のフルーツなどをトッピングして食べるケースもあります。つまり、宿泊施設で定番となっているフルーツと、ヨーグルトから作るこのグリークヨーグルト、材料を変えずにひと手間加えるだけでお客様に“いつもと違った食体験”を提供することができます。
グリークヨーグルトは前日に水切りの準備さえすれば、簡単に提供できるトレンドスイーツです。お客様に提供する際には、高たんぱく質・低カロリーな健康志向のスイーツであるPRは忘れずに。
人気再燃のアサイーボウル
約10年前に人気を集めたアサイーボウルが、2024年になって人気が再燃しています。
引用元:富澤商店オンラインショップ
アサイーボウルは、南米原産のフルーツのアサイーと豆乳や牛乳を加えてピューレ状にしたものにフルーツやグラノーラなどをトッピングして食べるスイーツです。アサイーはポリフェノールや鉄分が豊富に含まれる栄養価の高いフルーツのため、健康志向の高い女性を中心に高い人気を集めています。フレッシュなアサイーの購入は難しいものの、冷凍アサイーはECサイトで購入することができます。
作り方
①バナナやキウイフルーツ、いちご、パイナップルなどのフルーツを食べやすいようにカット。
②ミキサーに冷凍アサイーピューレ、バナナ、無調整豆乳(牛乳)、はちみつを入れて、なめらかになるまで撹拌し個別の器に移します。
③アサイーピューレの上にカットしたフルーツ、ブルーベリー、フルーツグラノーラを飾って完成。
※盛り付けるフルーツは3種類以上にすると見栄えが良くなります。
※器は事前に冷やしておくと、アサイーピューレの溶けるスピードを遅らせることができます。
紫色のアサイーとフルーツの華やかな組み合わせを、思わず写真に収めたくなるお客様も多くいるでしょう。グリークヨーグルトとの相性も抜群で、グリークヨーグルトとアサイーボウルを組み合わせた食べ方も流行っています。トレンドに敏感な女性客をターゲットにしたい宿泊施設では、見た目もよく健康的なスイーツが集客のフックとなるかもしれません。
定番のように見えて流行中のスイーツ
スイーツとしては定番であっても、なかなか宿泊施設のデザートとして取り上げられることのないスイーツもあります。
例えばビュッフェのラインナップにあることで、「大人になって敢えて買うことはないけど、懐かしさから思わず手に取ってしまった」という大人の方からお子さんまで、多くの人に喜ばれる可能性が高いでしょう。
定番のように見えて、実は流行中の「チョコバナナ」と「パッピンス」を紹介します。
安定感抜群のチョコバナナ
チョコとバナナの組み合わせは定番であるものの、実際に取り扱っている宿泊施設は少ないのではないでしょうか?
大手コーヒーチェーンでも、期間限定で販売するバナナを使った商品は毎年売り切れ続出になるほど高い人気を集めています。さらにチョコバナナがコンビニスイーツとして並んでいる様子からも、バナナの人気の高さが窺えます。
また円安の影響で外国産果物の値段が高騰する中でも、バナナは比較的手に入れやすい果物です。コンスタントに仕入れができる点も、宿泊施設にとっては大切なポイントです。
チョコとバナナと牛乳をミキサーで撹拌するだけで完成するチョコバナナスムージーや、バナナにチョコレートをコーティングして凍らせるフローズンチョコバナナなど、チョコバナナアイテムは簡単に始められるレシピが多くあります。カラースプレーやココナッツ、ピスタチオなどをトッピングすると見た目が華やかになります。子どもから大人まで愛される栄養価の高いバナナとチョコの組み合わせは、万人に愛されるスイーツです。
アレンジ豊富の韓国版かき氷!パッピンス
パッピンスは、小豆をトッピングした韓国版のかき氷です。韓国語で「パッ」はあずき、かき氷は「ピンス」と呼びます。
韓国版かき氷のピンスは小豆が乗ったパッピンスが定番ですが、アイスクリームやフルーツが盛り付けられた写真映えするメニューもあります。日本のかき氷とは異なり、ビビンバのような大きな器の中でスプーンで混ぜながら、2人以上でシェアしながら食べるのが韓国流の食べ方です。
ピンスと日本のかき氷の大きな違いは、削り出す氷の粒子の大きさです。ピンスのように粒子の細かく、繊維状の氷は削り出せないとしても、今あるかき氷機を使って「ピンス風」のかき氷として提供してみてはいかがでしょうか?
器やトッピングを工夫し、定番スイーツを流行スイーツ風にして提供することも1つのアイディアです。
【番外編】カフェメニューにも使える流行スイーツ
最後にカフェメニューやウェルカムスイーツにも使える、流行スイーツを3つ紹介します。
・クルンジ
・チュロス
・パリパリクレープ
これらのスイーツはボリュームがあるため、食後のデザートとして提供するにはやや不向きですが、小腹が空いたチェックイン時のウェルカムスイーツや、ビュッフェ形式の朝食の一品として提供すれば、見た目の可愛らしさから一躍人気メニューとなるかもしれません。
クロワッサンの進化系スイーツ?!クルンジ
引用元:ALL HEARTS MALL
クルンジは韓国が発祥の新スイーツで、クロワッサンをホットプレートでプレスして焼いたスイーツです。「クロワッサン」と韓国語でおこげを意味する「ヌルンジ」を掛けあわせ、「クルンジ」と呼ばれています。
朝食などでクロワッサンを提供する宿泊施設では、プレスするホットプレートがあれば比較的取り入れやすい点もクルンジの特徴です。暑い時期にアイスクリームやソフトクリームにクルンジをトッピングして提供すれば、トレンド感に加えて、華やかさや涼やかさも感じられるでしょう。
短く食べやすいアレンジ豊富なチュロス
テーマパークや映画館で定番のスイーツ・チュロスは、短くカットされたものが流行しています。
この投稿をInstagramで見る
短いチュロスをチョコレートやレアチーズ、チリヨーグルトなどのソースにディップするのがトレンドの食べ方です。クルンジと同じく暑い時期はソフトクリームやアイスクリームにディップして食べる方法もおすすめです。ソースをディップした後に、チョコスプレーやアラザンなどをトッピングすれば、より華やかなスイーツになります。
チュロスは生地を星口金で絞り出して油で揚げて作るため、手間のかかるスイーツに思えるでしょう。しかし、冷凍チュロスは簡単に手に入れられるため、揚げて砂糖をまぶすだけで完成する手軽なスイーツです。サイズ感だけでなく可愛らしい容器に入れて提供すれば、写真映えするスイーツになるでしょう。
今注目はシンプルなパリパリクレープ
本場・フランス流のシュガーバタークレープが大流行しています。
クレープといえば、もちもちの生地にフルーツや生クリームなどたっぷりの具材を包んで食べるイメージですが、トレンドは生地が主役のパリパリとした食感のクレープです。
シュガーバタークレープは、焼き上げたクレープ生地にバターとグラニュー糖をトッピングして食べます。ライブキッチンでクレープを焼けば、お客様を目でも楽しませることができるでしょう。デザートの一品やカフェメニューとして、シュガーバタークレープはおすすめのスイーツです。
さいごに
今回は、ホテルや旅館の食後のデザート革命に一役買えそうなトレンドスイーツを紹介しました。調理自体は比較的手間のかからないお手軽スイーツです。ご自身の宿泊施設の食後スイーツ、ビュッフェスイーツ、ウェルカムスイーツなどのアイデアとして参考となれば幸いです。
また、本稿を通じて「流行スイーツ」の共通点を見つけた方もいらっしゃるでしょう。実はここ数年、日本では韓国から端を発したスイーツがトレンドとなる傾向が高くなっています。トレンドスイーツを取り入れたいと考えている宿泊施設では、韓国グルメに注目するとよいかもしれません。韓国グルメ以外にも、「スイーツ トレンド」で検索してみると簡単に流行を知ることができるので、ぜひ定期的に検索をしてみてはいかがでしょうか。
別の記事では、「朝食」をフックにした集客アイデアについてもまとめていますので、お時間があれば是非ご覧ください。