ホテルの共有スペースを特別な場所にする事例

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<ホテル・旅館向け>機能から体験へ。宿泊体験の価値を高めるパブリックスペースの仕掛け(事例あり)
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<ホテル・旅館向け>機能から体験へ。宿泊体験の価値を高めるパブリックスペースの仕掛け(事例あり)

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2026. 02. 05

最終更新 2026. 02. 05

<ホテル・旅館向け>機能から体験へ。宿泊体験の価値を高めるパブリックスペースの仕掛け(事例あり)のキービジュアル

は じ め に

最近、宿泊施設のロビーやラウンジなどのパブリックスペース(共有スペース)が、客室以上にユニークな場所へと進化しています。

 

まるでリビングにいるようにくつろげる。その土地ならではの美味しいものや文化に触れられる。スタッフや地域の方との交流ができる場になるなど、ただテーブルとイスが並んでいるスペースにするのではなく、客室を出て泊まる時間を楽しめる提案をしています。

 

今回は、宿泊者が思わず長居したくなるような魅力的なパブリックスペースの事例をピックアップしました。 宿泊施設の顔ともなる空間をどう活かしていくのか、6つの事例トレンドそしてこれからパブリックスペースを考えている方へのヒントをご紹介いたします。

 

この記事で分かること

 パブリックスペースが「過ごす場所」へと変化した背景

個性が光る!ユニークな最新のパブリックスペース事例

パブリックスペースのトレンド

 空間づくりに活かせる体験価値を高める3つのヒント

目次

    パブリックスペースにどんな変化が起こっているのか

    「通過する場所」から、「過ごす場所」へと変化

    これまでのパブリックスペースは、椅子とテーブルが並ぶ単なる待合室や、客室へ移動する際に通過するだけの場所という位置づけでした。
    現在は、そこで過ごすことが目的となる場所へと変化しています。さらに、場所の性質が変わったことで、過ごし方の幅も広がりました。
    カフェのような活気の中で仕事に集中したり、一人の時間に浸ったりと、思い思いに過ごせる環境が整ってきています。
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    なぜパブリックスペースが「変化」しているのか

    パブリックスペースが大きく変わってきた背景には、客室だけで他との違いを出すのが難しくなってきたという現実があります。

    かつて旅のメインイベントといえば、豪華な食事や温泉でした。しかし今は、どの施設も客室の設備やサービスが一定以上の高いレベルで揃っています。そうなると、客室だけでは宿らしさを伝えるのが難しくなってきました。そこで、施設の個性を表現する場として、パブリックスペースが改めて注目されています。では、なぜパブリックスペースだったのか、その理由は大きく分けて3つあります。

    施設のメッセージや思いを、自由に表現できるから
    客室は広さに限りがあり、全ての部屋に新しい工夫を取り入れるのはコストも手間もかかり、限界があります。一方、パブリックスペースという一つの空間であれば、「こんな人に、こんな風に過ごしてほしい」という施設のコンセプトを思いきり表現でき、それを新しいサービスとして提供できます。
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    宿泊者の自由な過ごし方に応えられるから
    施設が空間を整えていくうちに、宿泊者の側も「部屋にこもるだけでなく、好きな場所で自由に過ごしたい」という価値観に変わっていきました。今では、パブリックスペースをもう一つの居場所として使い分けるのが、旅のスタンダードになりつつあります。
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    SNSの影響によりビジュアルが目に留まりやすくなった
    SNSが普及した今の時代、素敵な空間は宿泊者の手によって自然に広がっていきます。パブリックスペースの魅力的なビジュアルが、施設の個性を伝える強力な後押しになっているのです。

    このように、施設側の個性を出したいという思いと、宿泊者の自由に過ごしたいいう気持ちが重なったことで、パブリックスペースは今やその施設を選ぶための大切な基準の一つになりました。

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    満足度の高いパブリックスペース 6つの事例

    では、実際に宿泊施設がどのような工夫をしているのか。ここからは、独自の仕掛けで魅力的な空間を作っている施設の事例をご紹介します。
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    1. 洗濯の待ち時間を「くつろぎの時間」へ変える

    なんばオリエンタルホテル:ランドリーラウンジ

    画像提供:なんばオリエンタルホテル 様

    「用事のための場所」を「居心地の良い場所」へ
    宿泊施設のランドリースペースは、用事を済ませてすぐに立ち去る場所になりがちです。他の宿泊者と居合わせることに、少し気まずさを感じる人も多いかもしれません。

    大阪のなんばオリエンタルホテル様は、洗濯待ちという必然的に発生する時間に着目し、その時間をどのように過ごせるかを空間づくりの出発点としています。

    ランドリーを単なる設備としてではなく、「リビングのように過ごせるラウンジ」として再定義しています。落ち着いた木目調の床にソファやラグを配置し、コーヒーやボードゲームも用意。ここでは洗濯を待つ時間が、ただの待ち時間ではなく、滞在の中のひと息として扱われていることが特徴です。
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    2.本×映画×お酒、3つのコンテンツを使った「没入体験」

    TUNE STAY KYOTO:体験できるパブリックスペース

    引用:TUNE STAY KYOTO 様 公式サイト

    スマホを置いて、感性を動かす夜を過ごす
    「人生に心躍る寄り道を」というコンセプトを掲げるTUNE STAY KYOTO様では、パブリックスペースを宿泊体験の価値を提供する大切な場所として位置づけています。

    ここでは、「本屋」「クラフトジンBAR」「ショートフィルム上映」の3つの体験を提供しています。自分の感性で本やお酒を選んだり、映画の世界に深く浸ったりと、誰もが自分のペースで楽しめる空間が広がっています。スマホを置いて、目の前の世界に没入することができる。そんな自分だけの豊かな時間を過ごせる予感が、多くの人を惹きつける魅力です。

    これらの体験はクチコミでも「パブリックスペースでの時間が充実していて満足度が高い」と評価されており、この唯一無二の過ごし方こそが、多くのお客様がTUNE STAY KYOTO様を指名する決め手となっています。
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    3. 「時間ごと」に楽しみが変わる、地域のおもてなし

    ホテルインターゲート広島:インターゲートラウンジ

    引用:ホテルインターゲート広島 様 公式サイト

    ホテルに行くだけで地域を楽しめる
    そんな高い満足度を生み出しているのが、ホテルインターゲート広島様のラウンジです。

    最大の特徴は、朝から夜まで時間帯ごとに提供される「地域を感じるおもてなし」にあります。広島で愛される老舗喫茶のコーヒーや、地元名産を活かしたお夜食など、館内にいながら広島の豊かな食文化に触れることができます。また、地域の伝統品や書籍を並べたゆとりのある空間は、旅の合間にその土地を深く知るための心地よい図書室のようです。

    こうした充実した体験はクチコミでも高く評価されており、「ラウンジを楽しむために早めにチェックインする」という宿泊者も少なくありません。ホテルに泊まること自体が旅の目的になる、地域愛に溢れた場所のあり方です。
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    4. 文化や歴史を現代らしい「デジタル体験」で触れる

    HANARE by Tokyu Stay:らうんじはなれ・デジタル茶室

    画像提供:HANARE by Tokyu Stay

    歴史ある文化を「現代らしい体験」へ
    ここでは、地元の老舗酒蔵から厳選された日本酒や、古くから愛されてきた京菓子が用意されています。宿泊者は、お猪口を選んだり、畳の小上がりで寛いだりしながら京都の日常にある美味しいものや日本らしい文化に触れることができます。

    また、ラウンジと同じ1階のフロアにはデジタル茶室が設置されています。ここでは、伝統的な茶道の作法を学びながら、美しい映像演出の中で実際にお茶を点てる体験ができます。歴史ある文化に触れる体験に、現代的な演出による没入感が加わることで、他にはない魅力を味わえます。こうした先進的でユニークな体験は、宿泊者の記憶に残る滞在の一場面となっています。
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    5.館内のいたる所に「共有スペース」を用意

    自分なりの居心地の良い場所を見つけられる
    ラウンジ、足湯、テラス、ライブラリーなど場所や雰囲気の異なる休憩スペースを、館内の随所へくつろぎの仕掛けを用意する事例です。

    特定の場所に限定せず、館内を歩くたびに新しいおもてなしに出会える設計は、どのような客層であっても自分に合った過ごし方を選べる楽しさを提供します。次はあそこへ行ってみようという好奇心を刺激する仕掛けは、施設全体を能動的に楽しむ体験になります。実際にこうした施設では、館内の至る所に楽しみがあるといったクチコミが寄せられる傾向にあり、滞在の選択肢を増やす工夫が高い満足感を生み出しています
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    6.地域に開かれた「街の拠点」としての場所づくり

    宿泊者と地域住民の交差が、活気をもたらす
    1階にオープンなカフェやバーを併設し、宿泊者と街に暮らす人々が日常的に利用できる場所として機能させている事例です。

    体験型ワークショップ文化交流イベントなどを通じて、宿泊者は地元客から生きた情報を得たり、地域の一員になったような感覚を味わえたりします。多様な人々がフラットに集い、賑わいが生まれることで、その場所は街の拠点としての価値を持ち始めます。旅行者にとっては地域とつながる架け橋になり、地域にとっては新しい活気をもたらす場所となる。こうした相乗効果が、多くの人を惹きつける力になります。

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    このように、多様な仕掛けを持つパブリックスペースが、今多くの支持を集めています。こうした数々の事例から見えてくる、2026年のトレンドを整理してみました。

    2026年、パブリックスペースのトレンド

    ■ 地域に触れる、小さな体験を取り入れる

    地域性を感じられる特産品や地酒などの食は、滞在中の楽しみとしてニーズがありますが、最近ではさらに、空間のしつらえによる表現に強い個性がみられます。地元の木材や石材、職人の手による照明やアートなど、空間を構成する要素がその土地の風土を伝える役割を担っています。

    デザインを通じて地域の素材や文化に触れられる体験は、今ここにいるという実感を宿泊者に与えます。どこでも同じような空間が作れる時代だからこそ、食だけでなく、身近なもの一つひとつから地域らしさを感じられることが、旅行の満足度を左右する大きな価値になっています。
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    ■ リラックスできる空間デザイン

    最近の宿泊施設では、家具の配置や照明によってリラックスできる場所を提供することが重視されています。あえて外を向いた一人掛けのソファや、深く腰掛けられるソファを互いの視線が合わない位置に配置することで、他人の気配を感じつつも安心できるパーソナルな空間を生み出しています。

    また、全体を低照度に抑え、間接照明を多用する手法も、心理的な落ち着きをもたらします。客室とは異なる開放感の中で、リラックスできる、そんな自由な過ごし方を許容する空間デザインが、滞在の満足度を高めています。
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    ■ 時間によって変化するおもてなし

    どの時間帯も楽しんでもらうために、時間帯で空間の役割を変える演出が欠かせない要素となっています。朝は自然光の中でコーヒーを楽しみ、午後は地元のお菓子で一息つき、夜は照度と色温度を落とした落ち着いた照明に切り替えることで、同じ場所でも異なる雰囲気を作り出します。

    一度体験して終わりではなく、時間ごとに新しいサービスが用意されていること。この変化があるからこそ、ホテルにいる間は飽きることなく、結果として滞在全体の満足度が高まります。
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    このようにパブリックスペースは、滞在の目的そのものへと進化しています。こうした空間のあり方の変化は、宿泊者の満足度を高めるだけでなく、施設側にもこれまでにない価値をもたらします。
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    パブリックスペースづくりに活かせる、3つのヒント

    弊社の過去調査、2025年夏の宿泊体験を終えた旅行者の声から集めた「宿泊先で好感を抱いたポイント」から、パブリックスペースづくりに活かせるヒントを厳選しました。

    1. 自分で選ぶ楽しさをつくる

    自分で選べるという体験は、滞在の満足度を大きく高めます。

    数種類の茶葉から今の気分に合うものを選んで淹れたり、ロビーにある多様な椅子の中から自分だけの特等席を見つけたりパブリックスペースに自ら選ぶプロセスを作ることで、滞在のワクワク感を増幅させます。

    2. 人の温度が感じられるアナログな工夫

    人の気配が伝わる仕掛けは、デジタルにはない温かみを生みます。

    スタッフがおすすめを綴った手書きの周辺マップや館内マップ。ラウンジのフリードリンクの横に、手書きのメッセージカード《今日は寒いので○○がおすすめです》といった小さな手書きの札があるだけで、人の温度が感じられて温かい気持ちになります。誰かの想いに触れることは、デジタルにはない情緒的な価値を生み出します。

    3. 地域・季節を感じられる仕掛け

    トレンドにもありますが、宿泊者にとって地域を感じられ旅の醍醐味でもあります。

    地元の職人が手がけた焼き物の器に、地域で愛される喫茶店やコーヒースタンドの豆で淹れたコーヒーを注いで提供する。また、季節の草花の香りをラウンジに漂わせるなど五感を心地よく刺激する演出は、深いリラックスをもたらし、パブリックスペースで過ごす時間の質を底上げしてくれます。

    パブリックスペースを宿泊者に選ばれる価値ある場所に変えていく鍵は、こうした工夫の有無にあります。大がかりな改装を行わなくても、今の空間でどのような過ごし方を提示できるかという視点を持つことが重要です。ぜひ、このヒントをパブリックスペースの在り方を考えるヒントにしてみてください。

    さいごに

    今回ご紹介した事例に共通しているのは、お客様にどのように過ごしてもらいたいかという意図が明確であることです。

    お子様連れでも気兼ねなく遊べるスペースや、移動の合間に集中できるワークスペース。そして、ソファの配置ひとつで生まれる、一人の落ち着いた時間や誰かとの自然な会話。こうしたパブリックスペースで過ごす時間は、その施設での滞在を振り返ったときに鮮明に思い出されるハイライトになります。

    「ここではこう過ごしてほしい」という意図を持って空間を整えることは、まさに他と比較されない唯一無二の記憶を作るブランディングそのものです。お客様に寄り添い、パブリックスペースのあり方を一歩踏み込んで考えることが、施設としての個性を確立し、選ばれ続ける理由となっていくでしょう。

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