【2025年最新】旅行者1,000人調査レポート。物価高時代の宿泊施設選び、本当の判断基準とは?

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旅行を終えたばかりの1,000人に聞いた。2025年物価高時代の「宿泊施設選び」の行動と判断基準
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旅行を終えたばかりの1,000人に聞いた。2025年物価高時代の「宿泊施設選び」の行動と判断基準

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2025. 09. 25

最終更新 2025. 09. 25

旅行を終えたばかりの1,000人に聞いた。2025年物価高時代の「宿泊施設選び」の行動と判断基準のキービジュアル
なぜ、お客様は予約をやめてしまうのか?

その答えを探るため、2025年夏、国内旅行を終えたばかりの1,000人に、「情報収集の方法」や「宿泊先選びの判断基準」など、実際にとった行動や判断を弊社独自で調査を実施。
そこで明確に浮かび上がったのは、3つの変化です。

 

① 物価高の影響を映す「価格へのシビアな目線
② 宿泊施設タイプごとに異なる「情報収集の行動パターン
③ 宿泊費用の違いによって変わる「求めること

 

さらに注目すべきは、旅行者の宿泊先の探し方そのものが変わり始めていること。
それは、生成AIを使った宿泊先探しという、新しい検索行動です。

 本稿は、当該調査資料の中から一部を抜粋し、物価高騰で揺れる旅行者心理の「現在」と、時代を超えて通用する普遍の選択基準を簡潔に解説します。宿泊施設の集客やマーケティングに携わる方々には、消費者行動の理解を深める機会としてぜひ、最後までご覧ください。

また、宿泊・観光業界の『高付加価値化』を進めている関係者の方々へも、“付加価値創造”の先に待つ、本質的な課題について最後に言及しています。

★本調査結果の全容は下記の ダウンロード資料に収録しています。
 数字の裏にある旅行者の“ホンネ”と、明日からの打ち手に直結する示唆を明記。
 いま、皆さんの施設を確認している人たちの“頭の中”が少し見えてくるはずです。

目次

    第1章:2025年夏の旅行のサマリー

     2025年夏の旅行を振り返ると、ひとり旅が定着し、ビジネスホテル利用が最多となりました。旅行の計画段階では、猛暑や物価高を背景に「避暑志向」や「コスト削減策」が目立ち、さらに3人に1人がChatGPTをはじめとした「生成AI」を宿泊先探しに活用するなど、新しい行動が広がっています。
    ここでは、2025年夏旅行の特徴について、調査結果資料の内容から一部を抜粋して解説します。
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    ひとり旅の定着と「ビジネスホテル利用」の多さ

     2025年夏の旅行で最も多かったのは「家族(子ども連れ)」。続いて、「夫婦・カップル」、「ひとり旅」という結果に。注目すべきは、ひとり旅が全体の5人に1人という高い割合を占めており、昨今のひとり旅需要の拡大が改めて示されました。(下記左図)
     さらに、利用の多かった宿泊施設タイプは「ビジネスホテル」、「旅館」、「リゾートホテル」の三つ巴となり、僅差でビジネスホテル利用が最多という結果でした。(下記右図)

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     ビジネスホテルについて解説すると、利用者318人中、35.5「ひとり旅」が占める一方、家族(子ども連れ) 、夫婦・カップルの利用も多く、観光地周遊の拠点として選ばれていました。家族旅行は「立地×宿泊プラン×コスパ」、ひとり旅は「移動効率」が重視され、それぞれの旅に合わせて違う顔を見せているのがビジネスホテルの特徴です。
    宿泊を手段として捉え、目的地での活動を充実させたい層が、立地とコスパの良さから積極的にビジネスホテルを選択している実態が明らかになりました。
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    旅行計画時の工夫:「コスト削減意識」の高さが顕著に

     2025年夏の旅行計画では「賢く旅行する工夫」が目立ちました。
    旅行計画時の工夫の最多は「涼しい場所の選択」で、次に「穴場スポット探し」、「早割・クーポン利用」が続きました。注目は、コスト削減策』に繋がる計画は合計で36.1に達し、物価高ながらも旅行を諦めるのではなく、工夫によって継続したい意志が表れています。
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    外部の調査結果においても、夏は猛暑・混雑のストレスを避ける発想が目立っており、価格だけでなく体感の良さ」が目的地選びと、現地体験選びの共通軸だったといえます。
    一方、「いつも通りの旅行計画」も一定数存在しましたが、この傾向は特定の宿泊施設タイプで顕著に見られた傾向です。詳しくは ▶ ダウンロード資料 ◀ をご覧ください。
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    生成AIを使った宿泊施設探しの実態

     今回の調査で新たに見えた動きが、ChatGPTをはじめとした「生成AI」を活用した施設探しです。生成AIを宿泊先探しで「しっかり活用した」13.2%、「少し活用した」19.4%を合わせると活用率は32.6に達し、3人に1人が生成AIを活用していたということが明らかになりました。

    どのような旅行者が生成AIを活用していたのか?
     簡潔に述べると、大都市圏在住の会社員が中心で、年齢は20代~40代が多く、日常勤務の中で生成AIに触れているであろう層が、そのまま旅行計画でも使い始めていると考えられます。
    施設タイプ別では、「民泊・ゲストハウス」「リゾートホテル」「都市型ホテル(シティホテル)」での活用が多く、体験や選択の自由度が高い市場環境ほど、AI検索が使われやすい傾向があります。

    さらに詳しい生成AI活用者の分析(年齢・居住地・職業役職・施設タイプ・価格帯)は、ダウンロード資料で詳しく取り上げているので、関心のある方は ▶資料ダウンロード◀ からご確認ください。

    示唆されること
     今後、生成AIによる検索行動が旅行先決定、宿泊施設探しのスタンダードになる可能性があります。大都市圏を商圏にもつ宿泊施設はGoogleやSNSだけでなく、AIに推薦される」ための情報整備(GEO対策/LLMO対策)が欠かせないでしょう。

    次回予告

    生成AIに推薦されるめの「GEO対策/LLMO対策」は、何をすればいいのか?
    次回の宿研ナレッジで解説します。

     

    第2章:価格帯別でみる3つの指標

     今回の調査では、1人あたりの宿泊費用によってさまざまな行動や判断の違いが明らかになりました。その傾向を一部ご紹介します。

    ① 価格帯で変わる「旅行目的」


    ▼ 1人あたりの宿泊費  ⇒ コスパ意識が鮮明

     2025年夏の宿泊費は、1人1泊あたり2万円未満の利用者が、63.4%と全体の3分の2を占め、特に9,000~14,999円の価格帯が26.3のボリュームゾーンとなっていました。(下記表の黄色範囲)
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    また上記表の右側には、各価格帯に宿泊をした人の「旅行目的」をクロス集計しています。
    この価格帯による「旅行目的」の違いを特徴的な要素だけでまとめると、下記のようになります。

    さらに、他の設問回答の傾向から、各価格帯と「旅行傾向」をまとめると下記の図に集約できます。

     このように、価格帯による旅行目的の違いを見ると、価格帯が上がるにつれ宿泊施設の利用のされ方が、「利便性・効率性」から「体験の質・記念性」へと移行しています。

    ■ 低価格帯は立地や拠点性が宿泊目的の中心ですが、
    ■ 高価格帯では料理・客室・特別な時間の体験など、情緒的要素が求められるようになります。

    さらに、目的価格帯によって宿泊施設選定時の「選ぶ決め手」も異なってきます。
    次に、価格帯と旅行目的を「選んだ決め手」との関係から整理し、どの価格帯で何が決め手になるのかを見ていきます。
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    ② 価格帯で変わる「選んだ決め手」

     前章で触れたとおり、旅行目的と価格帯は密接に結びついており、その延長線上で「選ぶ決め手」も変化します。今回の調査では、15,000円で料理25,000円で客室30,000円で思い出・記念性が「選んだ決め手」の変化ラインとして浮かび上がりました。
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    ▼ 15,000円 を境に「料理が決め手」が増える

     15,000円以下では料理が決め手となる割合は8.2~28.1%ですが、15,000円を超えると一気に38強へと上昇し、その後も40%前後の高水準を維持しています。つまり、宿泊費が15,000円を超えると、旅行者は宿泊施設に対し「食体験への期待」を本格的に抱くようになることが分かります。

    示唆されること
    このため、15,000円以上の価格帯でサービスを提供する施設にとって、料理情報の充実度と説得力は競合優位性を左右する重要な要素となります。料理のこだわりや特徴、競合との違いが、それを語れる根拠と共に伝わらなければ、候補から外されるリスクが高まると推測できます。

    ただし、施設タイプによって価格帯の意味合いは異なり、都市型ホテル(シティホテル)では9,000円台から料理への関心が高まる傾向が見られました。「料理が決め手」が多かった同行者や、旅行目的の組み合わせ、旅行者心理の分析は ▶ ダウンロード資料 ◀ からご覧ください。

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    ▼ 25,000円 を境に「客室が決め手」が増える。

     25,000円未満では、客室が決め手になった割合は18.2~31.6%で推移しますが、25,000円を超えると41.0へと上昇し、その後も37%台の高い水準で推移します。つまり、25,000円を超える価格帯では「客室の質」が意思決定の大事な判断材料になりやすいと考えられ、客室で競合に見劣りすると、比較検討の段階で除外されるリスクが高まります。

    示唆されること
     高価格帯の旅行では「プライベート感」を重視する傾向が強く、客室はその質を決める中核的要素です。ゆとりある空間、上質な素材感、心地よいインテリアや美しい眺望といった目に見える品質は「高い料金を払う納得感」と「得られる満足」という、投資対効果を実感しやすい要素といえます。
    ただし、ビジネスホテルは9,000円以下から、都市型ホテル(シティホテル)では、20,000円から「客室が決め手」の選択率が高くなる傾向がありました。
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    ▼ 30,000円 を境に「思い出・記念性が決め手」が増える。

     30,000円未満では、記念性が決め手となる割合は1.8~9.5%の一桁台ですが、30,000円を超えると14.9へと大幅に上昇し、最終判断の価値観には「思い出・記念性」が挙がることが読み取れます。尚、この傾向は旅館とリゾートホテルで強く、都市型ホテル(シティホテル)では15,000円を境に思い出・記念性への関心が高まり始める違いがありました。

    示唆されること
     この価格帯では、宿泊は「泊まる場所」ではなく、「大切な人との時間を特別にする舞台」であり、「ちゃんとした場を選びたい」という意識が強く働きます。ここで必要なのは、全てを上質へ引き上げることではありません。自施設ならではの「ひとつのハイライト」をもつことです。言い換えると、全部を上質に整え見せるより、記憶に残る一点を明確にする方が心に届きやすく、選ぶ理由も容易になります。
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    ③ 価格帯で変わる「情報収集の深さ」

     本調査では、価格帯が上がるにつれて、旅行者の情報収集行動も変化していることが明らかになりました。低価格帯では立地や価格比較中心の「機能性重視」の情報収集が目立つ一方、高価格帯では施設の姿勢やこだわり、確実性を確認する「質重視」の情報収集が目立つ結果になっています。
    ここでは価格帯を大きく3つに分け、それぞれの価格帯に見られた情報収集行動の特徴や傾向を簡潔にまとめます。

    低価格帯(~14,999円):価格比較と基本情報の確認
     9,000円未満では「複数サイトでの価格比較」が基本行動として多く見られ、料理確認は他の価格帯に比べ低い傾向があります。この価格帯では、立地や基本的な設備といった旅行目的に対する「効率性や機能面」の確認が中心となりやすく、詳細な体験情報への関心は宿泊施設タイプによって変わってきます。
    中価格帯(15,000~24,999円):料理とクチコミの深掘り
     15,000円を超えると「料理情報」の確認が一気に増えると同時に、「悪いクチコミの確認」も顕著に増え、失敗回避のための根拠取りの行動が強まる傾向があります。全体を通し幅広く情報収集することが増え、公式HPの情報をチェックする割合も増えます。
    高価格帯(25,000円以上):施設の姿勢と情緒的要素の確認
     25,000円を超えると「クチコミ返信の確認」が増え、施設の対応姿勢への関心が高まります。40,000円台では料理のこだわり確認、SNS確認も高水準で、施設の「こだわり」や「雰囲気」を多角的に調べ、「確実性」を確認する行動の増加や、ブランド力・知名度も影響してきます。
    反対に、立地や割引情報への関心は低い傾向が見られました。

    このように、価格帯の上昇とともに情報収集は「量から質」へと変化し、宿泊施設は価格帯の情報収集特性に合わせた情報提供方法が求められます。

     

    第3章:比較検討から除外される理由

     旅行者は候補の宿泊先を探す一方で、「ここはやめておこう」と、外す判断も同時にしています。本調査で最も多かった除外理由は「価格に見合わないと感じた」、いわゆるコスパ懸念でした。
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    コスパ懸念の本質は『納得の壁』⇒ 価値の可視化が集客の鍵

     ここで重要なのは、”高い・安い”という額面の問題ではなく、提示された価格に「見合っている根拠」が見えづらいことです。物価高のいま、旅行者は「価格と体験の釣り合い」をこれまで以上にシビアに見定めており、価格の納得感が欠けた瞬間、候補から外れるリスクが高まります。

    さらに本調査では、中~高価格帯ほど「コスパが悪い」で外されやすく、低価格帯では立地・アクセスや基本設備など機能面の不足が離脱理由として多い傾向がありました。施設タイプ別でみると、旅館・ビジネスホテル・リゾートホテル・都市型ホテルで「コスパ懸念」が最大の要因となっており、価格が上がるほど”機能性“ではなく”情緒性体験の質“への説明が必要になるという構造が見えてきました。

    集客で本当に越えるべきは「価格の壁」ではなく『納得の壁』です。

    示唆されること
     夏季のような高い需要期に、利益を狙って価格を上げたつもりが、実際には本来得られたはずの売上を逃しているケースも多いと考えられます。需要期に稼働が伸び悩んでいる施設の場合、自施設の「受容価格帯(消費者がこの価格なら払ってもいいと考える価格)」を把握しつつ、その価格に”見合う”体験と根拠を明確に見せることが肝心です。

    そして、その鍵となるのは「価値の可視化」です。提供までの手間や工程、その良さを得られる根拠を具体的に伝え、「何があるか」ではなく「それでお客様はどう良くなるか」を語らなくてはいけません。つまり、PRの場面では「モノやコトの説明」から「ヒトの話」へと変換する作業が、集客担当者には求められます。

    宿泊施設選びの最新事情「全記録と施策提言」のサムネイル

    宿泊施設選びの最新事情「全記録と施策提言」

    今回ご紹介した内容は、調査結果のほんの一部です。さらに詳しい調査結果や考察、そして実務に落とし込める施策提案は、ぜひダウンロード資料でご確認ください。

    さいごに

    価値は二度つくられる。
    ひとつは施設の中で、もうひとつは旅行者の頭の中で。

     本調査で印象的だったのは、「価格に見合わない」と感じて候補から外した人の多さです。実際には多くの宿泊施設が優れたサービスを備えていたはずです。ところが、「体験すれば分かる良さ」が、事前の「情報」になると十分に伝わらず、価値が施設内に留まっているのかもしれません。

    現在、宿泊業界や観光業界で至上命題とされている「高付加価値化」。
    しかし、その取り組みが「新しい体験をつくる」「特別なサービスを加える」といった“創造”の側面だけに偏ってしまうと、成果は限られるでしょう。今回の調査結果が示す通り、どれほど優れた体験を創造できても、旅行者の頭の中で「価格に見合うもの」「価格以上のもの」として認識、納得されなければ、選ぶ理由にも、お金を払う理由にもなりません。

    この時、本当に必要なのは「つくった価値」を、旅行者の立場に“翻訳”して伝える力です。
    料理の細かなこだわりも、どれほど心を込めたおもてなしも、単なる情報ではなく、旅行者からみる「自分にとっての意味や、約束されることに変換し、可視化する作業が欠かせません。

    近い将来、「高付加価値化」は、「中身の差」ではなく「伝える技術の差」が本質的課題になるでしょう。これまで以上に宿泊施設経営では、サービス開発(高付加価値の創造)と同等か、それ以上に「価値を伝える技術」への投資と習得が生き残りの鍵となります。

     多くのお金と人と時間を費やしても収益が伸び悩む施設と、新しいことをせずとも収益が出る施設。その差を決めるのは、もはや「何をするか」ではなく、「どこに光を当て、どう語るか」なのだと思います。

    明日、皆さんの施設を予約する人が「価格」ではなく、『泊まる価値』に惹かれ、心から楽しみに当日を迎えてくれる。この調査結果が、そのような未来への一歩を後押しする指針となれば幸いです。

    調査資料の詳しい解説とご相談について

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