
【秋の集客テクニック】言葉で魅せる秋の宿!末広がりに使える「秋の表現集」美しい大和言葉
2025. 09. 10
最終更新 2025. 09. 10

お客様にとって宿泊施設の印象は、使われている「言葉遣い」によって大きく変わります。
素敵で品のある言葉は、自施設の丁寧さや親切さ、細やかな心遣いを無意識に感じさせてくれるものです。これは単なる接客マナーにとどまらず、印象を操作するブランディングの要素でもあります。
ここで取り上げる“秋”を表す大和言葉には、季節の深まりや落ち着きを映し出す独特の情緒があります。その言葉を添えることで、お客様は自然と「素敵な宿で過ごす秋」を思い描き、滞在への期待が高まるでしょう。
本記事は、これまでにご紹介した「春の表現集」「夏の表現集」に続き「秋」をテーマに『美しい大和言葉(やまとことば)と漢語』をご紹介します。宿ブログ、メルマガ、DM、クチコミ返信、宿泊プランなど幅広い場面で活用できる使用例も合わせて提案しますので、秋の誘客施策にぜひお役立てください。
目次
※なお、秋をまとう大和言葉や漢語はたくさんあり、 本記事ではその一部をご紹介しています。
より充実した使用例や活用のポイントをまとめた資料もご用意していますので、
ぜひ、こちらからダウンロードしてください。

秋の集客に役立つ!表現力を高める手引き
・お客さまへのメッセージを送る
・イベント企画のキャッチコピーを考えたい
・秋の宿泊プランで魅力的な言葉を使いたい
など、初秋~晩秋の集客施策の場面で活用できる素敵な大和言葉と漢語を37単語集めています。
秋の大和言葉(やまとことば)
旅や宿泊の時間を特別なものにするのは、設備や景色だけではありません。それと同じくらい大切なのが、目にする言葉や耳にする言葉のひとつひとつです。
宿泊先を選ぶ際、お客様が目にするのは、写真と文章です。宿の世界観は、写真だけでなく言葉でも丁寧に伝えることができます。言葉ひとつで、宿泊前から旅の期待を感じ、訪れる前の時間からすでに体験の気分を味わうことができます。
秋の大和言葉は、落ち着きや季節の移ろいを自然に映し出すため、宿の魅力や滞在価値を伝えるのに最適です。情景をやさしく表現でき、日本語ならではの奥ゆかしさや豊かさも感じさせてくれます。
例えば下記のような言葉があります。
このように、秋の大和言葉は、宿泊前からお客様に滞在中の心地よさや季節の彩りを感じさせてくれます。言葉を通して、これから体験する特別なひとときや非日常の雰囲気を自然に伝えられるため、宿泊施設の情報発信やプラン作成で幅広く活用できます。
それでは、そんな秋の大和言葉と使用例をご紹介します。
宿ブログや、DMで使える「秋の大和言葉と漢語」の使用例
秋の始まりから終わりにかけて、順に10の言葉をご紹介しています。
【意味】 空気が澄みさまざまな物音が聞えること
【使用例】
― 夕暮れの涼しさの中に響く虫の音が、次の季節を告げる秋の声に聞こえます。
― 夏の声は蝉たちが木の上から力強く響き、秋の声は姿の見えない小さな虫たちが、足元からささやくように鳴いています。季節の移ろいは、聞こえてくる音の高さにも表れるようです。
【意味】 気候が秋らしくなる兆候が現れること
【使用例】
― 彩り豊かな山の景色のように、当館のお料理も、松茸の土瓶蒸し、茄子田楽、里芋の煮ころがしに秋刀魚の料理と、すっかり秋めくメニューになってきました。あれもこれも食べたくなるこの季節、実り豊かな味わいを、どうぞお楽しみください。
― 街の風が秋めいてきたら、甘いご褒美を口にしていい日のサインかもしれません。ここ〇〇ホテルのご褒美は、ふんわり仕立てのモンブランや、〇〇を合わせた和風パフェなど、この秋だけの、ちょうどいい甘さをご用意しています。
【意味】 秋の夜に、澄んで見える月を鏡に見立てた言葉
【使用例】
― 秋の夜に澄んで見える月を、「空の鏡」と呼びます。その鏡が映す、昼間にはない静かな風景を楽しみに、どうぞ秋の夜の散策へお出かけください。
― 車の音や人の声で賑やかな街中でも、ふと見上げれば澄んだ月が浮かんでいます。古くから「空の鏡」と呼ばれるその光は、都会の騒がしさを忘れさせる静けさをもっています。秋の夜には一度夜空を見上げてみてください。その瞬間だけは、都会にいることを忘れさせてくれるでしょう。〇〇ホテルのラウンジから、その時間を味わってみてください。
【意味】 夜が長くなっていくのを感じること
【使用例】
― 「長き夜」という響きに、秋だけの情緒を感じます。皆さまは秋の夜に、どんな時間を長く大切にして過ごされますか。長く語り合う夜、長く味わう酒、長く眺める星空。都会の慌ただしさから少し離れ、ゆっくりとした夜を過ごしに、ここ〇〇にお越しください。
― 夜の深まりとともに、露天風呂で心休ませる時間。澄んだ空に浮かぶ、月や星を眺めながら贅沢な長き夜をお過ごしください。
【意味】 秋の訪れとともに、紅葉に彩られてはなやぐ山々
【使用例】
― 朝食を召し上がっていただく会場では、窓の向こうに、秋の嶺の景色を眺められます。澄んだ空気と山々の彩りが、旅先ならではの贅沢な朝を届けます。
― 秋の嶺を望む窓辺で、旬の食材を使った夕食に舌鼓。紅葉の彩りを眺めながら味わうひと皿は、季節をより深く感じさせてくれます。
【意味】 山が化粧をしたように華やかに色づくさま
【使用例】
― 秋も深まり、粧う山が赤や黄に染まる10月。当館のお料理でも、この時期ならではの「実り」と「彩り」をお届けしています。
― 当館の露天風呂は、澄みきった爽やかな風が漂うなか、粧う山を眺めながらのご入浴をお楽しみいただけます。
【意味】 月を船にたとえたようす
【使用例】
― 澄んだ夜空に浮かぶ月の船が、旅のひとときを静かに照らしています。窓辺の椅子に腰かけ、夜風にそよぐ木々の音や遠くの街明かりを眺めながら、日常を忘れた静かな夜をゆったりと過ごしませんか。
― 露天風呂から見上げる夜空に、細い三日月がまるで船のように浮かぶ月の船。まだ満ちきらないその姿が、これから少しずつ形を変えていく様子に、わくわくとした気持ちを抱かせてくれます。

【意味】 秋が過ぎ去ろうとすること。それを惜しむ気持ち。
【使用例】
― 庭の木々から散りゆく葉の中で、ひとつだけ枝に残る葉に秋の名残を感じます。
― 窓からは湖面に映る紅葉と、そっと浮かぶ落ち葉が秋の名残を伝え、移ろいゆく季節の美しさを感じさせてくれます。
【意味】 まだ霜の形をなさない冷たい露
【使用例】
― 水霜が降りた静かな朝、ひと粒ひと粒がキラキラと太陽に照らされ輝いています。凛とした風が心地よい目覚めを誘い、清々しい1日のはじまりを感じさせてくれます。
― 草花に降りた水霜が月明かりに照らされています。ひんやりとした風に、揺らめく小さなきらめきが秋の静けさをいっそう際立てます。
【意味】 露の降りる頃の寒さ
【使用例】
― 露冴ゆる頃となり、庭の石畳がひときわ冷ややかに。そこに映る気配からも秋の深まりを感じております。
― 露冴ゆる季節となり、庭の石畳はひんやりと冷たく、そんな時ほど温泉のぬくもりが恋しくなります。秋の風情とともに、心も身体も温まりにいらしてください。
<宿ブログやDMを送る時のポイント>
件名で「〇〇地域の秋の風をお届けします」と使用したり、本文の冒頭で「木々の葉が色づき始め、秋の深まりを感じる頃となりました」の記述から具体的な情景、写真を示すことで、それを目にしたお客様は新しい季節の到来をより一層感じることでしょう。
宿泊プラン名や客室名、キャッチコピーなどに使える「秋の大和言葉と漢語」
続いて、秋の季節プラン名や、客室名として使用できる大和言葉と漢語をご紹介します。
○○会席/懐石や、○○部屋としてイメージしてください。
秋らしい風景や空気、夜の時間など情景にあわせて、順に9つの言葉をご紹介しています。

秋の山々や野原が色とりどりに染まる様子を「錦」と表現する季語です。
日本ならではの雅やかさや、上品で洗練された趣を感じさせます。
たとえば色彩豊かな秋景色と旬の味覚を楽しむ、贅沢な滞在体験ができるプラン名に最適です。
『野山の錦と秋の味覚プラン』
都会のざわめきから離れ、自然に包まれるような癒しを感じさせる言葉です。
施設周辺の風景や体験を『秋郊散策プラン』や『秋郊フォトウォーク』など
自然を楽しむプランやイベント名に合わせて使用できます。
秋の自然や夕暮れの風景に赤とんぼが飛んでいる情景は穏やかな秋を想像させます。
自然の中を静かにすごせる『秋茜の夕景テラス』をキャッチコピーにした写真の投稿。
リードコピーには、『秋の野原の上を軽やかに飛ぶ秋茜を眺めながら過ごす時間』のように活用できます。

「秋日和」は、澄んだ空気とやわらかな日差しに包まれた、
晴れやかで穏やかな秋の日を表す言葉です。
落ち着いた上品さのなかに、どこか愛らしい響きもあるため、
庭園散策や秋空の下でのティータイムなど、穏やかな滞在と組み合わせると魅力がより伝わります。
『秋日和のガーデンツアー』『秋日和アフタヌーンティー』
「新涼」は、秋の気配を感じ始める9月にぴったりの言葉です。
お料理のメニュー名として活用することで、夏と秋のあいだならではの今だけの特別感を演出できます。
初秋ならではの野菜やきのこ、旬のお魚を取り入れたお料理のメニュー名に。
『新涼御膳』 『新涼 秋の彩り会席』
穏やかで美しい情景に合い、柔らかな印象を感じられる表現です。
心穏やかな時間や場所、意味を付与したいシーンで使うとよいでしょう。
『秋麗の里山御膳』 『秋麗の散歩道』 『秋麗のフォトコンテスト』

「夜長」という言葉は、“夜の時間が長い=ゆとりある時間が過ごせる”というプラスの響きで、
宿泊施設の雰囲気づくりにもぴったりです。
読書や音楽といった静かなイベントだけでなく、
“秋の長い夜を特別に過ごす”という切り口で広げると、より活用の幅が出ます。
『秋の夜長を充実させる、読書ラウンジ』『星空観測会~秋の夜長 天体ショー』
「待宵」は十五夜を心待ちにする夜を表す言葉なので、
月景色が綺麗な客室に『待宵の間』と命名すると良いでしょう。
秋の涼やかな夜を月とともにゆったり楽しむイベント・企画には
『待宵の月見会』と銘打つと上品で情緒が高まります。
早朝の静かで澄んだ空気を感じるものと相性がとても良いです。
『朝ヨガ〜明の月に深呼吸〜 』『明の月の庭園さんぽ』
早朝ヨガや朝の庭園散歩などの外の空気を楽しめるコンテンツと掛け合わせると清らかさや上品さを演出できます。
このように、プラン名やお料理名、PRコピー、イベント名を美しい大和言葉や漢語の言葉から着想を得ると、いつもとは違う視点で新たな魅力を語れるでしょう。ご紹介してきた美しい言葉を参考にしていただき、自施設に合った言葉選びを実施ください。
ダウンロード資料には、これら以外の美しい言葉と例文もご紹介しておりますので、こちらもぜひご活用ください。

秋の集客に役立つ!表現力を高める手引き
・お客さまへのメッセージを送る
・イベント企画のキャッチコピーを考えたい
・秋の宿泊プランで魅力的な言葉を使いたい
など、初秋~晩秋の集客施策の場面で活用できる素敵な大和言葉と漢語を37単語集めています。
さいごに
魅力は言葉から生まれる
紹介してきたように、秋の大和言葉には「落ち着き」や「季節の深さ」を情緒的に伝える力があります。プラン名や料理名、客室名に添えられた一言が、現地での秋体験をより深めてくれるでしょう。そして、その積み重ねが皆さんの施設の印象を高めます。
冒頭で触れたように、言葉は知覚品質を高める大切な要素です。だからこそ、自施設にふさわしい言葉を一つひとつ選び抜くことが、他にはない個性を生み出します。
秋は、深まりを味わう季節。虫の音や夜の静けさ、澄んだ空気に映える木々の紅葉。そうした情景を大和言葉に移すことで、自施設の魅力をより深く感じてもらえます。普段の文章にほんの一言添えるだけでも、目にしたお客様の足を止めるきっかけになるはずです。
ぜひ、ご紹介した『秋の大和言葉』を自施設の印象づくりに活かしてみてください。
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