
【夏の集客テクニック】言葉で魅せる夏の宿!末広がりに使える「夏の表現集」美しい大和言葉
2025. 05. 28
最終更新 2025. 05. 29

お客様からの印象を左右する「言葉遣い」ですが、接客マナーとして重要な上に、ブランディングの要素も含まれています。洗礼された言葉の表現はお客様の心にやさしく届き、宿泊施設の魅力をより深く伝えることができるでしょう。
本記事は、以前ご紹介した「春の表現集」に続き「新緑~夏」をテーマに『美しい大和言葉(やまとことば)と漢語』をご紹介します。SNSの写真に添えるコピー、宿グログ、DM・メルマガ、宿泊プラン等々にご活用いただけるよう、使用例もあわせてご提案します。
夏の誘客施策にぜひお役立てください。
一つ一つの言葉が、お客さまの記憶に残る夏のひとときを形づくっていくことを願っています。
目次
※なお、夏をまとう大和言葉や漢語はたくさんあり、 本記事ではその一部をご紹介しています。
より充実した使用例や活用のポイントをまとめた資料もご用意していますので、
ぜひ、こちらからダウンロードしてください。

夏の集客に役立つ!表現力を高める手引き
・お客さまへのメッセージを送る
・イベント企画のキャッチコピーを考えたい
・夏の宿泊プランで魅力的な言葉を使いたい
など、新緑~夏の集客施策の場面で活用できる素敵な大和言葉と漢語を34単語集めています。
夏の大和言葉(やまとことば)
お客様が宿泊先を選ぶ際に目にするのは、写真と文章です。
宿の世界観や心づかいは、写真だけでなく、言葉でも丁寧に伝えていくことが大切であり、大和言葉は、“宿の佇まい”や“おもてなしの心”を、自然なカタチで表現してくれます。さらに、大和言葉は、情景や情緒をやさしく柔らかくも表現でき、日本語の奥ゆかしさを感じ取ることができます。
例えば下記のようなものがあげられます。
このように、夏の大和言葉は、暑い夏に涼しさを見つける言葉がたくさんあります。
今の都会にはない”涼しさ”が、ここにはあることを表現することに長けているため、地方の施設様は使うシーンが多いことでしょう。
それでは、夏の大和言葉と使用例をご紹介します。
宿ブログや、DMで使える「夏の大和言葉と漢語」の使用例
新緑の季節から夏の終わりにかけて、順に12の言葉をご紹介しています。
春の終わりごろ、だんだんと夏の気配がしてくる様子。
【使用例】
―「夏きざす朝の空は、見上げるたびに深呼吸をしたくなるような爽やかな空です。
一年の中でも一番散歩に合う時期なのかもしれません。」
―「どこの空も同じはずなのに、ここの夏きざす朝は少しだけ
青色が澄んで見え、鳥たちの声も遠くから届いてきます。
ゆっくりとした時間の中にただ歩くだけで心がすーっと整っていくのを感じます。」
夕方から夜にかけて、蛍が光りながら飛ぶ様子。
【使用例】
―「空が静かな夜へと移るころ、ほのかに光を揺らすこの里の蛍たちが、
どこか懐かしく、尊い時間をつくってくれます。
宵蛍とともに過ごす静かな夜は、きっと心に残るひとときとなるでしょう。
どうぞ、この時期ならではの風物詩をお楽しみください。」
―「陽が落ちて空気が和らぐ頃。蛍がひっそりと舞う光景にどこか懐かしさや
あたたかさを感じる方も多いのではないでしょうか。
当館ではそんな”宵蛍”を思わせるような、
やわらかな灯りと静けさに包まれた夏の夜をお過ごしいただけます。」
青々とした木や草がしげるころの梅雨。
【使用例】
―「雨の多いこの季節、静かに流れる雨音が、気持ちを整え、深い呼吸を誘ってくれます。
ぽつぽつと降る青梅雨の優しい音に耳を傾けながら、
ふと心をほどくような時間を過ごしてみませんか。」
―「青梅雨に濡れた草木たちのみずみずしい緑色は、灰色の空や、雨の暗い景色によく映えます。
雨が多い季節、晴れの日にはない情緒ある写真を撮りにぜひいらしてください。
雨の日は、普段はお出ししていない〇〇をご用意してお待ちしております。」
青々としげった木々の様子。
【使用例】
―「夏木立が視界いっぱいに広がる客室では、
まるで森の中にいるような心地よさを感じていただけます。」
―「青空と緑が作り出す夏木立の風景は、まるで1枚の絵画のようです。
この木漏れ日が揺れ動く中で涼やかな夏を感じていただけます。」
織姫と彦星が流す涙が雨になる、というロマンチックな言葉。
七夕のころの雨のこと。
【使用例】
―「七夕の夜、そっと降る雨を”酒涙雨”といいます。
織姫と彦星の再会を願う静かな時間が流れます。」
―「織姫と彦星の別れを惜しむ涙で”酒涙雨”という言葉をご存じでしょうか。
七夕に降る雨のことをそう呼ぶそうです。お泊りの日にそんな雨が降ったなら、
窓辺で静かに過ごす夜もまた、かけがえのない夏の思い出になるかもしれません。」
夏の夜、月を見ながら感じる、ひんやりと気持ちのいい涼しさ。
【使用例】
―「”月涼し”とは、月の光に涼しさを感じる夏の夜のことです。
今夜はぜひ、窓辺に腰かけて、やさしく涼しい月夜を楽しんでください。」
―「当館は、満天の星空を眺めながらの露天風呂が格別です。静けさと涼しさが
深まる月涼しの一夜が、日々の疲れをそっとほどいてくれます。」

青々とした田んぼに吹く気持ちのよい風。
【使用例】
―「まっすぐに伸びる稲を撫でながら走り去る青田風が、
夏の日差しの中にそっと涼を運んできてくれます。」
―「当館の周りには青田風にそよぐ田園がいっぱいに広がっています。
旅先だからこそ出会える、そんな優しい景色にぜひ会いにいらしてください。」
多くの蝉が一斉に鳴き続ける声、時雨の降る音に例えた表現。
【使用例】
―「”蝉時雨”という言葉をご存じでしょうか。たくさんの蝉の声が重なり、
まるで雨のように降り注ぐさまを表す日本ならではの美しい表現です。
当館でも蝉時雨に出会える季節になりました。」
―「もし夏に蝉時雨がなかったら、どこかもの足りなさを感じるかもしれません。
蝉時雨が夏の音を演出し、思い出を色濃いものにしてくれます。」
夏の夜に、まるで霜が降りたかのように月明かりが山や海や地面を照らしている様子。
【使用例】
―「当館の近くにある砂浜が月明かりに照らされて、まるで霜が降りたように白く光っています。
昔の人はこれを”夏の霜”と呼んだそうです。白く光る砂浜に打ち寄せるやさしい波音は
夏の暑さを忘れるほど涼やかです。」
―「月明かりに照らされた山の峰々がほんのり白く光って見えます。
まるで夏の霜が降りたような。時間の流れを忘れてしまう静かな夜です。」
宿ブログやDMを送る際は、件名で「〇〇地域の夏の風をお届けします」と使用したり、本文の冒頭で「木々の緑がいっそう濃くなり、夏本番も間近となりました」の記述から具体的な情景、写真を示すことで、それを目にしたお客様は新しい季節の到来をより一層感じることでしょう。
宿泊プラン名や客室名、キャッチコピーなどに使える「夏の大和言葉と漢語」
続いて、夏の季節プラン名や、客室名として使用できる大和言葉と漢語をご紹介します。
○○会席/懐石や、○○部屋としてイメージしてください。
新緑の季節から夏の終わりにかけて、順に12の言葉をご紹介しています。
1.夏椿(なつつばき):梅雨の時期に咲く白い花 品のある和モダンな印象を与える言葉なので、グレードの高い料理コース名に活用できます。
「夏椿会席 / 懐石」 「夏椿御膳」など。
また、静かな和室名とも相性が良いでしょう。
2.立夏(りっか):暦の上で夏がはじまる日 夏の始まりを感じる7月のお料理名にぴったりの言葉です。
夏の到来を感じる旬の野菜や魚を使ったお料理で今だから楽しめる特別感を演出できます。
「立夏 彩り会席 / 懐石」 「立夏 旬彩御膳」など。
3.朝涼(あさすず):朝のひんやりして気持ちのよい空気 朝の爽やかな空気を表す言葉なので、朝の時間の体験と組み合わせると良いでしょう。
朝食を丁寧に表現する「朝涼御膳」。限定イベント名として「朝涼ヨガ」。
また、「朝涼の湯あがり時に、新鮮な牛乳を~」など、
朝の特別企画やサービス案内文に活用できます。
4.さつき:初夏を彩る花のこと 清らかさを印象づける言葉として通年利用もできます。
庭にさつきが咲く客室を「さつきの間」と呼ぶと綺麗に納まります。
さつきの花を生かし「さつき香湯(かおりゆ)」と銘打ち、湯船にさつきの葉を浮かべ、
ほのかな香りと新緑の彩りを楽しむ、期間限定の湯あみ企画が考えられるかもしれません。
その他、催しなら「さつき茶会」・「さつきの夕べ」など、
和の風情を活かしたPRコピーに活用できます。
5.藤(ふじ):初夏に長い花序を垂れ下げて咲く花 藤のもっている語感には品格を感じ取ることができます。
料理コースのグレード名(上中下)に良いでしょう。
「旬彩会席~ 藤 ~」のようにグレードの高いお料理に最適です。
6.蓮見(はすみ):蓮の花を見て楽しむこと、夏の風物詩 涼やかで神聖な印象をもつ蓮。7月~8月の会席料理で、上品さを感じさせたい場合に最適です。
「蓮見の会席/懐石」や「蓮見の御膳」で、上品さを連想させることができます。
7.涼風(りょうふう・すずかぜ):夏に吹く涼しい風 夏の暑さから解放される心地よさが語感にあります。
冷製料理中心のライトな夏会席や、テラス・川床での食事プランに最適で、
涼しさを感じながら味わう季節感を演出できます。
「涼風小会席」 「涼風御膳」などの名で、
暑さを忘れさせるような爽やかな食体験を想起させます。
8.月見草(つきみそう):夜にひっそりと一晩だけ咲く白い花 月明かりに咲く花の名。月見草は「湯上り美人」の花言葉を持ち、
貸切風呂や露天付き客室の名前としても使えます。
また、静かな夜や思いに更ける時を連想させることができる言葉なので、
夜景を楽しめる客室名に最適です。
9.短夜(みじかよ):夜がみじかく感じること 季節感が際立つ言葉のため、客室名より夏限定の催し向きです。
「短夜をしのぶBar」 「短夜星空ツアー」など、
短い夜時間の名残惜しさ、希少性をテーマにしたイベント名やPRコピーに活用できます。
10.涼夜(りょうや):涼しくて気持ちのいい夜 涼しさを感じる夏の夜を表す言葉で、夜風が心地よい屋外イベントに最適です。
「涼夜の夕涼み露天風呂」 「涼夜を楽しむビアテラス」など、
涼と情緒を感じる夜のひと時を演出する企画名やPRコピーに活用できます。
11.夕涼み(ゆうすずみ):夕方に外の風にあたり涼む様子 夏の夕暮れを心地よく過ごす情景を表す言葉で、屋外イベントやナイトプランに最適です。
「夕涼みの湯上がり時間に~~」 「夕涼みビール」など、
気取らない風情を楽しむ企画やコピーに活用できます。
14
12.ゆく夏(ゆくなつ):だんだんと夏がおわっていく様子 「晩夏限定~ゆく夏プラン~」として、お盆明けの予約需要を喚起することが
アイディアとして浮かびます。
また、夏商材を消化するための企画として「ゆく夏フェア」を開催し、
夕涼みイベントや、ゆく夏ギフトコーナーなどを用意することで、
夏の余韻と売上をどちらも高められるかもしれません。
このように、美しい大和言葉や漢語の言葉から、プラン名やお料理名、PRコピーの着想を得ると、いつもとは違う視点で新たな魅力を語れるでしょう。ご紹介してきた美しい言葉を参考にしていただき、自施設に合った言葉選びを実施ください。
ダウンロード資料には、これら以外の美しい言葉と例文もご紹介しておりますので、こちらもぜひご活用ください。

夏の集客に役立つ!表現力を高める手引き
・お客さまへのメッセージを送る
・イベント企画のキャッチコピーを考えたい
・夏の宿泊プランで魅力的な言葉を使いたい
など、新緑~夏の集客施策の場面で活用できる素敵な大和言葉と漢語を34単語集めています。
さいごに
大和言葉は、昔の人が愉しんだ夏を、現代に蘇らせる“言葉のタイムマシン”
現代の夏といえば、海や川でのレジャー、バーベキュー、花火大会や夏祭りなど、にぎやかで活発な過ごし方を連想することが多いと思います。けれども、大和言葉が生まれたとされる平安時代以前の夏は、今とは少し異なります。強い日差しを避け、屋内で涼を取り、夕暮れ時には川辺に出て風にあたり、夜は虫の音に耳を澄ませ、月を眺める。そんな静かで風流な過ごし方が主流でした。
そのため、夏の大和言葉には、日中の暑さよりも、夕暮れから夜にかけての「涼やかさ」、朝の「清々しさ」、雨や夏の終わりに漂う「儚さ」を映した表現が多く見られます。
そして、宿泊という体験は、ちょうどこの“夕方から朝”の時間帯に重なります。
現代人が見過ごしている、昔の人が味わった“夏の愉しみ”を、大和言葉で伝えることで、宿で過ごす時間は、より一層深く、心に染み入る体験へと変わるでしょう。
見た目や設備だけでは伝えきれない、「自分たち“らしさ”」をどう届けるか。
まずは、皆さまの宿にふさわしい言葉を一つ一つ見直すところから、魅力づくりは始まります。
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