宿研通信NEWS LETTER

  • ビジネスコラム

ビジネスコラム:笹乃雪の歴史に学ぶ

他業種に学ぶ ビジネスコラム

 

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、東京都根岸に店を構える老舗豆富店の笹乃雪をご紹介します。

 

今月のビジネス 笹乃雪の歴史に学ぶ

 

貫き通すひとつの核が大切

 

東京の根岸にある老舗“豆富”料理店「笹乃雪」。
この店では、“豆腐”と言わず、こだわりを持って“豆富”と呼んでいます。
東京での創業から320年ほど豆富の販売を続けている老舗中の老舗で、なんと日本で初めて絹ごし豆富を作ったお店だそうです。

しかし、当然のことながら今は老舗と呼ばれるお店も、最初から老舗だったわけではありません。
今、次々と誕生している新しいお店たちも、最初はおなじだったのです。

では老舗と呼ばれるお店は、他のお店と何が違うのか。答えは簡単、経営を“続けてきた”ということです。しかし、この続けることはなかなか簡単なことではありません。

笹乃雪を例に取ると、朝5時から毎日毎日仕込みをしていると言います。そして、その日出されなかった豆富は、次の日に持ち越さず捨ててしまうんだそうです。ここにこだわりがあります。

豆富は日持ちせず、時間が経つと味が落ちてしまいます。それではお客さまに認めてもらうことはできないし、何よりそんな豆富を出すことを職人自身が納得しないのです。材料に関しても、長野で採れるこだわりの大豆を使用しているそうです。

老舗といえど、時代の変化に合わせて変わっていく部分は当然あります。おそらくメニューや味も昔とは変わっているでしょう。

しかし、変えてはいけない部分は決して変えていません。だからこそ老舗と呼ばれる店は、奇をてらうこともなく、時代におもねることもなく、堂々とその歴史を積み重ねているのでしょう。

これまで私が見てきた他の老舗も、自分たちのブレてはいけない“何か”を理解し、貫き通していました。

理念やブレてはいけない核をしっかり持ってスタートすること。それが老舗をつくる第一歩であるに違いありません。

 

豆富のフルコース

豆富のフルコース

 

全部混ぜて食べます。おもしろい!

全部混ぜて食べます。おもしろい!

 

2つ食べたいというお客さまの声が多かったので2つずつ出しているそう

2つ食べたいというお客さまの声が多かったので
2つずつ出しているそう

 

シンプルに食べると 豆富の味がしっかり分かります

 

シンプルに食べると豆富の味がしっかり分かります

 

 

コンサルタント プロフィール

中島 セイジ なかじま せいじ

株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。

ビジネスコラム一覧へ戻る