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ビジネスコラム:KITTEの空間づくりに学ぶ

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、丸の内に新しくオープンしたばかりの「KITTE」をご紹介します。

KITTEの空間づくりに学ぶ

こだわり抜かれた
自然素材

3月21日に東京・丸の内にオープンしたKITTE(キッテ)は、
日本郵便が初めて手掛ける商業施設。

都心部には六本木ヒルズやミッドタウン、表参道ヒルズなど
すでにたくさんのショッピングモールがあります。
そして、この度KITTEがオープンした
丸の内エリアにもすでに点在しています。

レストランがあって物販店舗が軒を並べてと、
私には正直どの商業施設も大差なく感じられてしまうので、
例に洩れず、ここも同じだろうとあまり期待はしていませんでした。

しかし、KITTEに訪れると「あれ?なんだか居心地がいい」。

それもそのはず、フロアによって材質は違うものの
床はすべて木製なのです。
物販店舗内のインテリアも木の持ち味を生かしたものが多くありました。

ガラス張りの天井からは陽光が降りそそぎ、
やわらかい雰囲気の照明と相まって
非常に心地いい空間がつくりあげられています。

これまでの“ピカピカ”なショッピングモールとはどこか違う印象です。

 

そんなぬくもりある内装をデザインしたのは
建築家の隈 研吾(くま けんご)氏。

日本各地の自然素材を用いて、
「光の空間」「線の空間」「記憶を紡ぐ空間」を
コンセプトにデザインしたといいます。

以前から日本の文化や素材を大切にする建築家と伺っていましたが、
まさにその通りだと感じました。

飲食店フロアでは「柔らかい木の空間」をテーマに
福岡県久留米市のナラ材やクリ材を使用したり、
隈氏の素材選びのセンスが光ります。

単に木材のぬくもりがあるだけでなく明確なコンセプトに基づいているから、
この心地よさと安心感が演出されているのです。

隈氏は威張った建築や自己主張の強い建築をあまり好まず、
ずっとアンチテーゼを唱えてきたそうです。

目新しさだけを求めて自己主張するのではなく、
多くの人たちが気持ちよく安らげる空間であれば、
長きに渡り選ばれ続けていくのでしょう。

コンサルタント プロフィール

中島 セイジ なかじま せいじ

株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。

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