宿研通信NEWS LETTER

  • 集客の匠に訊く

【2024年】ゴールデンウィーク期間中の宿泊予約動向を解説!
~集客や顧客満足度に繋がるヒントもご紹介~

2024年のゴールデンウィーク(以下、GW)の動きが活発になり、期間中の動向が明確になってきました。GW期間の集客状況が思っているよりもよくないと感じている宿泊施設の方も多いのではないでしょうか。

ここでは、2024年4月上旬時点でのGWの動向と価格設定について、さらにGWの時期ならではの消費者の興味関心事の特徴をご紹介します。

 

 

 

1.ゴールデンウィークの動向と価格設定

 

2024年のGWはご存じの通り前半の3連休から中3日の平日があり、後半の4連休という日並びとなります。有給を使えば最大で10連休ということもあり、海外旅行の意向が回復傾向にあります。旅行サイトのエクスペディアの調査によると、海外旅行の検索数は昨年比で136%と2023年より増加しているようです。近年、GWを海外で過ごす海外旅行組が国内旅行に流れていましたが、2024年のGWは状況が異なるでしょう。

 

国内旅行の予約ペースは緩やか

 

では、GW期間中の国内旅行の動向は4/15(月)時点でどのような推移となっているのでしょうか。弊社調べでの客室消化率(サイトコントローラーで割り当てられた部屋数のうち、販売済の客室数の割合)は以下の通りになっています。

例年通りではありますが、山は2つあり、4/27(土)と4/28(日)の山、そして、5/3(金)と5/4(土)の山です。4月に入った現時点では、前半の山は現在消化率が55%前後、後半の山が80%程度となっており、昨年と比べ少し遅いペースとなっています。

昨年も同じ時期に消化率を紹介しましたが、そのときに比べ両山とも10%程度低い状況となっています。
この動きの遅さはHISの調査※においても同様のようで、HISによるとGWの予約者数は前年同期比の76.4%となっており、今年のGW予約のタイミングは動きが遅い傾向であることを公表しています。
HISゴールデンウィーク 旅行予約動向【国内】

 

Googleの検索データをみても、以下のように検索キーワード「ゴールデンウィーク」に関する興味関心度はまだまだ低く、これから増えると予想できます。

 

ゴールデンウィークの価格をどうするか

 

先述の通り、4月上旬の時点でGWの動きは昨年に比べ遅い傾向になっています。このことを念頭に置きつつGW期間の価格調整について解説します。

まず、人気日程の5/3・5/4はトップ価格として良さそうですが、4/27・4/28は動きが少なくなってきました。4月半ばを過ぎた段階でもイマイチな場合は稼働率優先に切り替えるほうが賢明といえるでしょう。
そして、今回の肝となるのは人気日程に挟まれた日です(下図の緑帯の日程)。動きが遅いとはいえ、これらの日は早めに受け入れ条件の緩和をしても良いかもしれません。利益を十分に確保した範囲内で稼働率を重視することを推奨します。

 

GWの最終日5/6(祝)については動きがありません。通常の平日よりも動きは悪いので、4月中旬を過ぎても入っていないようであれば休館したり、スタッフの数を減らして休ませたりといった検討をしても良いかもしれません。

ワンポイント

― 稼働率アップ対策 ―

稼働率を上げるために単に値下げで済ませるのではなく、予約サイトで「割引クーポン」を発行する方法もあります。
ユーザーは、GWの宿泊金額が高くなることを当然知っており、少しでも価格を抑えたい心理があります。クーポンの発行はそうした心理に応え、なおかつ予約サイトが実施する「クーポン特集」から認知機会をつくることにも繋がります。つまり、単純な値下げでは出会えなかったユーザーと、クーポン特集から出会うきっかけになります。
数を重視するときには、まず自社ページへのアクセス数をどれだけ集められるかかが重要です。一度、クーポン発行で値下げを試してみて、効果が高ければ次回の大型連休時の稼働率UPの施策として選択肢に入れておくとよいでしょう。

じゃらん:じゃらんクーポンまとめ
楽天:宿クーポン

 

 

2.ゴールデンウィークにおける興味関心事とは?

2024年のGWについて、世の中の興味関心はどのようなものなのか調べてみました。その結果2つの特徴があったのでご紹介します。

 

検索が多いのは「エリア名+穴場

 

Google検索におけるGWに係る検索キーワードを調査したところ、「穴場」というキーワードの検索回数が増えています。

ゴールデンウィーク 旅行 穴場    月間検索回数  12,100回
ゴールデンウィーク 穴場 子連れ      月間検索回数 5,400回
……… 参考値 ………
ゴールデンウィークの旅行 おすすめ  月間検索回数 3,600回

 

この他にも、各地域の「穴場」を探している検索が多くなっています。
「穴場」を探す人の心理として、①有名な観光地ではなく、あまり知られていないけど魅力的な場所に行きたい。②人が少ない場所で自分たちだけで楽しみたい。などが読み取れます。
この潜在ニーズ(深層心理にあるニーズ)を理解したうえで訴求内容を考えたり、現地での接客を考えることが、集客や顧客満足度を高めるポイントとなりそうです。

このように、人混みを避けて穏やかに過ごせる特徴があり、かつ、あまり知られていない観光スポットがある宿泊施設は、非常に魅力的に映ることでしょう。自社HPや予約サイトの訴求として、「穴場っぽさ」を感じ取れる情報を盛り込むのもオススメです。現地での接客時には、地元の人しか知らない近所の穴場観光スポットを教えてあげると喜ばれるかもしれません。

 

(番外編)ゴールデンウィークにバイト(短期・単発)を探している

 

集客施策ではありませんが、GW期間だけ短期で働きたい人が多くいます。
この検索は昨年4月にも急増しており、月間検索回数が33,000回を超えていました。検索回数は「GW 旅行」よりも多く、今年も同様にGW期間の短期バイトの検索が増えています。

GW中の人手不足がある施設は、TOWN WORKバイトルマイナビバイトなどに掲載を考えてみてはいかがでしょうか。これらの媒体はGWのバイトを検索すると検索結果の上位に表示され、たくさんのユーザーが見ています。
また、最近ではタイミーという短時間限定の「スポットバイト」の募集が即時に行える媒体もあります。

詳しくは今後の記事で取り上げますが、比較的簡単に募集ができるので、清掃やバックヤードの業務にどうしても人手が足りない場合に、一度利用してみる価値はありそうです。

 

 

さいごに

 

例年GWは不安定な天気になりやすい時期です。
過去5年間のGW期間中の全国的な天気傾向を調べたところ、以下のようでした。

今年もGW期間中の天気予報として、本州では前半、後半ともに大気の状態が不安定で晴れが続きにくいと予想されています。

このようにGWは天気が不安定です。高い料金を払ったからには旅行を存分に楽しみたいのに、雨により楽しさが半減したと感じる人も多いはずです。そんな季節柄だからこそ、雨でも楽しめる仕掛けや雨の日の特別な何かを用意することで沈みがちな気分を晴らしてくれる宿泊施設のサービスがあれば、きっと満足度の高い素敵な施設として印象を残すことができるでしょう。天気の悪い日が多いことは分かっていることなので、雨の日を特別にする仕掛けやサービスをひとつ用意してみてはいかがでしょうか。

 

この記事をお読みの方へおすすめの資料

宿泊施設WEB集客成功事例
直近予約の対策で予約数180%を実現!

宿泊プラン作成チェックシート
慣れない宿泊プランの作成に役立つツール

その他資料一覧

 

 

無料相談会を実施中!
最近のトレンドや自社の悩みに関する他社の動きなど
お気軽にご相談いただけます。

無料相談・お問合せはこちらから

 

 

この記事を書いた人

はまだ しゅうさく

入社後、コンサルティング営業室のコンサルタントとして全国のホテル・旅館の集客支援を行う。現在はマーケティング部署でマーケティング戦略を担当。豊富な実務経験と、データを活用したロジカルな思考で課題発見と解決を得意とする。宿泊業以外の他ビジネスからのヒントを紹介するビジネスコラムを担当することが多い。

 

 

 

集客の匠に訊く一覧へ戻る