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集客の匠に訊く:効果的なハガキの活用法

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“手紙の匠”が
「心を伝える手紙のチカラ」についてお話しいたします。
今回のテーマは『効果的なハガキの活用法』についてです。

効果的なハガキの活用法

みなさま、こんにちは。“手紙の匠”むらかみかずこと申します。
4回にわたり、「心を伝える手紙のチカラ」についてお話ししてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

第2回目は『効果的なハガキの活用法』についてです。

ハガキでお客さまとの距離を縮めよう

前回お話しさせていただいた通り、
現代において手紙の役割は「気持ちを伝えるために」使われるものです。
家族、友人に気持ちを伝えるためだけではなく、
ビジネスシーンでも手書きの手紙を活用することができます。
今回は宿屋業界で働く方々が簡単に始められる
「手紙の活用法」について、ご紹介します。

ビジネスシーンで、手紙を送る時には、
まずハガキを使ってみることをおすすめします。
何度も宿屋を訪れてくれるリピーターであれば話はまた変わりますが、
一般的な感覚として、一度訪れてくれたお客さまとは、
お互いのことをあまり知らない間柄です。
紙面いっぱいに書かれた長文の手紙は重く感じられ、
受け取る相手にプレッシャーを与えかねません。
また、書くほうも「たくさん書かなければならない」
と思うとストレスを感じやすく、ペンが止まってしまいがちです。
ハガキなら書くのはほんの数行でよいので、誰も簡単に始めることができます。

ポイントは手書きであること。
手書きならではのあたたかみによって、自分の存在、
そして宿屋のことを覚えてもらえると同時に
「丁寧な対応をしてくれる宿屋だな」「また訪れてみようかな」
といった好印象を残すことができます。
たった1枚のハガキがお客さまとの距離を縮め、
心の扉を少しずつ開く大切な一歩になります。
「ありがとうございました」のひと言でも十分、価値があります。
まずは気持ちを楽に、ハガキを取り入れてみてください。

むらかみさんが監修されている岐阜県美濃市の美濃和紙/
古川紙工さんの商品「そえぶみはがき箋」

見た目にこだわって印象を高める

いざ手書きしようと思うと、多くの人は、
どんな文章を書くかで立ち止まってしまいます。
しかし、初対面の人と会った時は、見た目の印象が記憶に残ります。
ハガキの場合も同じです。
パッと見た時に印象を左右するのは、書かれている文章よりも、
紙や切手などのビジュアルです。

文章も大切な要素ではありますが、
それよりももっと大切な見た目にこだわりましょう。
前回「相手を思いながら便箋や切手を選ぶこと」をお話ししましたが、
季節や地域にちなんだデザインのハガキを選び、切手を貼れば、相手に喜ばれるだけでなく、
自分も楽しい気持ちになるでしょう。

手短にローコストで実践できる

時間とコストをかけずに始められるのも、手書きハガキの利点です。
1枚書くのに平均10分ほどかかるなら、
1時間で6枚のハガキを書くことができます。
たった1時間で6人ものお客さまに、
よい印象を持ってもらえるきっかけづくりができるのです。
そして、ハガキを送る場合の切手代は52円
(封筒で送る場合の切手代は82円から)ですから、
お金をかけずにお客さまに思い出してもらえます。

同じようにローコストで実現できるビジネスツールといえば、
Facebook、LINEなど各種SNSやメッセージアプリがありますが、
1日何十通と送られてくるメールマガジンや膨大な情報サイトのなかで
お客さまの目に留まるのは至難の業です。
まずはお客さまとの信頼を築くコミュニケーションツールとして、
手書きのハガキを活用しましょう。

ハガキの使い方のポイントは、むらかみさんの著書・『お客の心をつかむ売り込みゼロの3分ハガキ術』(日本経済新聞出版社)に掲載されています


プロフィール

むらかみ かずこ

(社)手紙文化振興協会 代表理事。手紙の書き方アドバイザー(R)認定講座を行い、手紙の書き方講師の育成に力を注ぐとともに、自宅で学べる通信講座『手紙の書き方講座』『仕事で差がつく!
メール・文章の書き方講座』を開発・運営。企業研修や講演会などを通して、いまの時代に合う手紙の書き方・楽しみ方や成果に繋がる文章の書き方を広く社会に発信している。近著『お客の心をつかむ売り込みゼロの3分ハガキ術』(日本経済新聞出版社)など著書多数。

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