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集客の匠に訊く:「大切にされている感」を演出する

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月から4ヵ月連続で接遇の匠がおもてなしの極意をお教えします。
第1回目のテーマは「特別感を与えるおもてなし」です。

「大切にされている感」を演出する

皆さまはじめまして、“接遇の匠”山尾百合子です。
私の会社では企業さまに接遇についての研修を行っています。
宿泊施設にとって接遇は、非常に重要なポイントのひとつ。
そこで今回から4ヵ月連続で、お客さまの期待に応える為には、
どのような接遇を行っていけばよいのかをお話しします。

宿泊施設の接遇は良くて当たり前というイメージを持っているお客さまは多くいらっしゃいます。
その方々の期待に応えるには、当然その期待を上回るレベルの接遇をめざさなくてはなりません。

皆さまの施設では、すべてのお客さまに同等のサービスをする
マニュアル化された接遇をしていませんか?
接遇とは、おもてなしの心を形にすることです。
すべての方に同等のサービスをしていては、誰にもおもてなしの心はつたわりません。

お客さまに「大切にされている」
と感じてもらうことがポイント

これは宿泊施設に限ったことではありませんが、
特別感のある接遇は誰にとっても嬉しいものです。
よく行くお店で「いつもありがとうございます」と一声かけられるだけでも、
「私の事を覚えてくれているんだ」と嬉しくなりますね。

宿泊施設では、お客さまに関する多くの情報を得ることができるので、
様々なシーンで特別感を演出できるでしょう。
お名前はもちろん、初めての方なのかリピーターの方なのか。
食べ物のアレルギーの有無や、浴衣のサイズなど
滞在されている間に、お客さまのあらゆる情報が見えてきます。
お客さまに「大切にされている」と感じていただく特別感を演出するには、
それらの情報を活用していくことが有効です。

お客さまに合わせて
接遇をカスタマイズする

お客さまの情報を得られたら、それを施設全体で共有することが必要です。
例えば、お客さま情報をまとめたカルテなどを作って共有できるようにしましょう。
その情報をもとに、それぞれのお客さまに合わせて接遇を“カスタマイズ”していきます。

例えば、食べ物にアレルギーのあるお客さまには、
次回からはお食事に気を配ることが必須です。
浴衣のサイズが大きいというご指摘があれば、
次回からはきちんとサイズの合ったものをご用意します。

初めての宿泊で情報の少ないお客さまでも、個人のお名前でお呼びすることはできます。
担当スタッフではなくても、すれ違う際にきちんとお名前でお呼びすることで、
きっと施設全体に好印象をもっていただけます。

お客さまの心に残る施設になるには、「大切にされている」と感じていただくことが重要です。
そのためには、お客さまの好みを把握し、
一人ひとりにおもてなしの心が伝わる接遇を行いましょう。

それでは、そのおもてなしの際に男性より女性にアピールすることが、
より次の集客へつながりやすいことをご存知ですか?
実は女性のお客さまを喜ばせることが、集客への大きなカギとなるのです。
そこで、次回は「女性の心をつかむおもてなし」をテーマにお話ししていきます。

プロフィール

山尾 百合子 やまお ゆりこ

株式会社メイン 代表取締役社長。行政や一般企業の接遇研修、専門スタッフの派遣等を手掛ける。大手モバイルメーカーのスタッフ研修 を一手に引き受け、5年連続お客さま満足度NO.1に導いた実績を持つ。経営者としてマネジメントに関 わる傍ら、CS(顧客満足度)向上を中心とした教育や経営者を対象とした研修会・講演等幅広く活動 し、講演回数は累計700本を超える。女性目線の店づくりについてまとめた著書『女性客が増える理由』(日刊自動車新聞社)がある。元子 役・歌手・日産ミスフェアレディなど一風変わった経歴を持つ。

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