宿泊施設のOTA分析シリーズ(入門編)

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宿泊施設のための予約サイト(OTA)データ分析入門|データ分析の基本とフレームワークを使った課題の見える化
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宿泊施設のための予約サイト(OTA)データ分析入門|データ分析の基本とフレームワークを使った課題の見える化

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2025. 07. 25

最終更新 2025. 11. 06

宿泊施設のための予約サイト(OTA)データ分析入門|データ分析の基本とフレームワークを使った課題の見える化のキービジュアル

「データなんて見なくても、長年の経験と勘で何とかなる。」

長く働いていると、“経験”という思考のショートカットで判断や意思決定をする場面が増えていきます。それ自体は悪いことではありませんが、業界を取り巻く環境は確実に変化しています。

 

以前に比べ、宿泊業では人手不足が回復傾向にあり、新しいスタッフの採用も進んでいます。これは嬉しい兆しである一方、「経験や勘」に頼った属人的な判断は、共有されにくい現実もあります。

 

予約が伸びない理由は何か? その兆しはどこにあったのか?
こうした問いに向き合うとき、感覚を補い、共通の判断軸として機能するのが“データ”です。

 

本記事では、OTA集客において最低限押さえておきたいデータの見方と考え方を、実務ベースでわかりやすく整理します。
「なんとなくの判断」から「根拠をもって判断してほしい」と考えている経営者やマネージャーの方は、ぜひスタッフの皆さまと一緒にご覧いただければと思います。

目次

    シリーズ記事:予約サイト(OTA)データ分析入門本記事  ▶ 【基本編】データ分析の基本とフレームワークを使った課題の見える化
       ▶【楽天トラベル編】楽天トラベルの特徴とデータの見方を解説
       ▶【じゃらんnet編】  じゃらんnetの特徴とデータの見方を解説

     

    データ分析が必要な理由

    予約サイトのデータをどう活用するか。 その方法論を解説する前に、そもそも「なぜ、データを見ることが必要なのか」という、本質的な部分に触れておきたいと思います。 

    宿泊業に入ったばかりの方や、「数字を見るのはちょっと不慣れ」と感じている方も少なくないと思います。少し遠回りに見えるかもしれませんが、大切なことを伝えるために、まずはこんな話から始めさせてください。

    原因を診ずに薬を出す、ちょっと危ない医者

    ある町に、「手際がいい」と評判の医者がいました。
    患者が来ると、軽く症状を聞き取り、短いやり取りの中で「じゃあ、この薬だね」と素早く処方箋を書いてくれます。熱があれば解熱剤、咳が出れば咳止め。検査や問診はあまり行わず、長年の経験と勘で、その場で判断するのがこの医者のスタイルでした。

    診察はあっという間に終わり、患者も「楽になった気がする」と、一度は安心して帰っていきます。 けれども、数日後には同じ症状で戻って来る人が後を絶ちません。中には前よりも悪化する人までいました。それでもこの医者は変わりません。
    「うーん、じゃあ今度は別の薬にしてみましょうか」と。
    なぜ熱が出ているのか。どこに原因があるのか。そうした追求は行わず、対処療法が続いていきます。

    診断してから処方する、ちゃんとした医者

    さて、もうひとりの医者の話です。
    この医者は、すぐに薬を出しません。体温を測り、血液検査やレントゲンで体の状態を調べ、「いつから症状が続いているのか」「前日何を食べたのか」「どのような生活習慣か」丁寧に聞き取ります。

    少し時間はかかっても、根本的な原因を突き止めたうえで、必要な所に、必要な薬を出しながら、必要な生活習慣も教えてくれます。結果として、患者はしっかりと回復し、同じ不調を繰り返さなくなりました。

    皆さんは、どちらの医者でしょうか?

    データは、まさにこの「診断」のための情報です。
    血圧はアクセス数、心拍数はページビュー、血液の異常値はキャンセル率のようなもの。そこから全体の状態を読み取り、原因を見つけ、最適な打ち手を選ぶ。

    「なんとなく値下げ」「とりあえず広告」という反射的な施策では、症状を一時的に抑えても、また同じ問題がぶり返します。 勘や思いつき、他がやっているからではなく、自施設の数字という検査結果に基づいた判断こそが、無駄のない持続的な利益体質をつくる第一歩です。

    そして、その第一歩を踏み出すには、まずは「カルテを見る」ことから始まります。

     

    宿泊施設がまず揃えたいデータツール3選

    いまの状態を正しく知るためには、まず「どんな検査機器を使うか」を選ぶところから始まります。医者にカルテがあるように、宿泊施設にも状態を映し出すデータツールがあります。
    この章では、最初に揃えたい3つの基本ツールをご紹介します。

     

    じゃらんnet・楽天トラベルのカルテ

    予約サイトの中でも利用者数の多いこの2つのサイトは、提供されるデータも充実しています。
    予約売上、ページビュー数、アクセス数(じゃらんは非公開)、コンバージョン率、キャンセル率などを通じて、自施設の「今の状態」や「昨年との比較」ができるほか、客層や宿泊日までのリードタイムの傾向も掴めます。これにより、実施した施策の効果検証もしやすくなります。 

    さらに、同じエリア内の他施設の平均データや動向も確認できるため、自施設の立ち位置や改善点を見つけるうえで非常に参考になります。

     

    GA4(Googleアナリティクス4)・Microsoft Clarity

    この2つのツールは、自社ホームページの状態を無料で診断できる解析ツールです。
    訪問者数や年齢層、滞在時間、離脱ページ、流入経路、予約までの動線など、ユーザーの行動を多角的に把握できます。たとえば「料理ページが何度も見られている」と分かれば、写真や紹介文の強化といった具体的な改善策も立てやすくなります。

     

    さらに、Microsoft Clarityでは、訪問者のスクロールやマウス操作を録画で確認することができます。
    どの導線が使われ、どこで止まったのかなど、リアルな動きから改善のヒントが得られます。

     

    観光予報プラットフォーム

    このツールは、自施設ではなく地域全体の観光動向を把握できる外部データです。
    経済産業省の支援で開発され、この先6か月間の観光入り込み予測や宿泊予約の動きが、数値とグラフで分かりやすく表示されており、「来月の動きは?」「動きの鈍い日は?」といった先読みの判断材料として活用できます。

    このデータは、複数の予約サイトや旅行会社から集めた宿泊予約実績をもとに算出されており、弊社の宿泊予約システムも情報提供元のひとつです。つまり、業界全体から集められた信頼性の高い情報であり、判断の精度を高めるうえで非常に有益です。

    自施設の数値と地域全体の傾向を照らし合わせることで、次のような見極めができます。

    ✓  地域全体も低調 → 市場要因(自施設に来る動機付け施策が必要)
      地域は好調なのに自施設だけ低調 → 自社要因(販売状況の改善に集中)

    このように、観光予報プラットフォームは、外的要因と内的要因を見極める診断ツールとしても、地域における自施設の相対的な集客力を推し量るためのツールとしても活用できます。

    予約サイト(OTA)のデータをみるべき理由

    旅行者が宿を探すとき、最もよく使っているのが予約サイトです。
    弊社の独自調査でもこの傾向は明確に表れており、SNSでの出会いがあっても、その後の比較・検討は予約サイトで行われていることが分かっています。つまり、宿泊ニーズを持った多くの人が訪れる場所での数値こそが、自施設の集客力を映す“最もリアルな鏡”だといえるでしょう。

    「なんとなく予約が減っている」「知られていない気がする」
    このような感覚を持っている場合、予約サイトにあるカルテを確認すれば、集客の実態が見え、これからの打ち手も具体的に考えられるようになります。

    次の章では、じゃらんnetや楽天トラベルの管理画面で確認できる主な指標と、その基本的な読み解き方をご紹介します。

     

    担当者が最低限知っておくべき計測用語

    ここからは、じゃらんnetや楽天トラベルの管理画面で確認できる、基本的な指標についてご紹介します。「どの数字を見ればいいのか分からない」と感じている方に向けて、まずは押さえておきたい項目を端的に解説します。

    ※ここでは一般的な定義で解説しますが、予約サイト(OTA)ごとの違いについては今後の記事で詳しく取り上げていきます。

    予約売上 特定の時点から先々を含む予約販売の予約金額(未確定分も含む)の総額
    例)4月予約売上=4月1日~30日に成立した予約総額のこと(キャンセル分を含む)
    └ 予約件数 予約がされた件数(内訳:アクセス人数×転換率)
    └ 予約単価 1予約当たりの単価(客単価×グループサイズ)
    宿泊売上 過去から現時点までの特定期間内に確定した宿泊金額の総額
    例)4月宿泊売上=4月1日~30日に宿泊した分の総額のこと(キャンセル分を除く)
    └ 宿泊件数 宿泊がされた件数
    └ 宿泊単価 1宿泊当たりの単価(客単価×グループサイズ)
    アクセス数 自社ページに訪問した人数
    PV数(ページビュー数) 自社ページに訪問した人が閲覧したページ数
    転換率(CVR) アクセス人数に対しての成約率
    キャンセル率 予約された件数のうち、キャンセルとなった割合

    これらの指標の意味を理解することは予約サイト(OTA)に関わらず、WEBのデータを見るうえでも重要です。ただし、これらの指標は個々がバラバラに存在しているわけではありません。

    次の章では、それぞれの指標が「宿泊までの過程」の中で、どの段階に位置しているのか「パーチェスファネル」というフレームワークを使いながら構造的に捉えていきます。

     

    パーチェスファネルを使った各指標の構造的理解

    予約サイト(OTA)のデータ分析を進めるには「パーチェスファネル」の視点を取り入れることが有効です。パーチェスファネルは、AIDMAモデルやAIDAモデルとして知られる購買行動プロセスを可視化したフレームワークです。

    下記はそのパーチェスファネルを宿泊業に置き換え、予約に至るまでの行動の流れを段階ごとに分けて整理したものです。

     

    単純にアクセス数や転換率の数字を見ているだけでは、数値の繋がりに気づかず、どの段階で問題が発生しているのかが分かりにくいため、パーチェスファネルに沿って考えることを推奨します。

    そして、上記パーチェスファネルに予約サイト(OTA)で取得できるデータ指標を落とし込んでみると、下図のようになります。

     

    パーチェスファネルに落とし込んだ指標「アクセス数」「PV数」「転換率」「キャンセル率」のデータを見てみましょう。

    段階ごとの“変化”を見てみよう

    ここで重要なのは、データを“眺める”のではなく、<縦軸(ユーザー行動)>と<横軸(時系列)>から変化を読み取ることです。


    ※データはダミーです

    まずは、ユーザー行動に関わるデータを並べてみると「どの段階でユーザーの離脱があるのか」が明確になります。さらにそれを月ごとのデータを整理することで「どの月に、どの程度の変化があるのか」を可視化できます。

    時系列でみると、施策の影響や季節要因が把握できます。また前年データと比較すれば、「想定どおりか、それとも異常値か」も分かります。

    例えば、6月を振り返ると、アクセス、PV数はわずかに回復していることがわかります。転換率は5月極端に低かったが6月は改善されたことが分かります。しかし、根本的に転換率が下がってきている傾向が見受けられ、比較・検討の段階での離脱に課題がありそうです。

    このように、表にまとめることで、変化を見つけやすくなります。変化を見つけることができれば、次は原因の仮説立てをして、改善策を検討するステップです。

    次の章では、段階ごとによる原因と改善策を整理してみます。

     

    それぞれの段階による原因と改善策を考えてみよう

    段階ごとによくある原因と打ち手を一部書き出してみました。

    ①検索・認知・アクセスの段階(アクセスがそもそも少ない/減少傾向)


    考えられる要因 改善策(一部抜粋)
    認知機会が少ない ・特集などに参画し、エリア検索以外での認知機会を増やす
    ・人気検索キーワードや、条件検索に対応する
    ・おすすめ順/評価の高い順/価格の安い順などでの掲載順位を向上させる
    施設一覧の中で埋もれている ・サムネイル・キャッチコピーを目につきやすい内容にする

     

    ②興味・関心から比較・検討の段階(アクセスはあるがPVが減っている)

     

    考えられる要因 改善策(一部抜粋)
    興味関心が持たれていない

    ・テキストやキャッチコピーを工夫し、興味関心をつくる
    ・独自要素を明確に表現する

    視覚的な情報量が少ない

    ・写真の量を増やす(特に客室の写真や料理の写真)
    ・料理内容、部屋タイプ、アメニティなどの特長を詳しく説明する

     

    ③ 比較・検討から予約のフェーズ(転換率が低い)

    考えられる要因 改善策(一部抜粋)
    ニーズを満たしていない

    ・ニーズに合ったプラン設計や、テキストを見直す
    ・比較検討中の人が求める判断材料を補う
    ・特定のニーズを満たす体験が想像できる表現にする

    比較で競合に負けている

    ・ 第一印象で明らかに劣らないように視覚情報を見直す
    ・同じ土俵ではなく、独自性と比較軸を明確にする
    ・価格以外の「お得感」や「納得感」を伝える

    先の予約が取れない

    ・客室在庫は常に半年以上先まで販売する

     

    ④ 予約から宿泊のフェーズ(キャンセル率が高い)


     

    考えられる要因 改善策(一部抜粋)
    キャンセルしやすい条件になっている ・キャンセル料発生のタイミングを見直す
    ・事前決済プランの強化
    期待とのギャップが予約後に発生している
    (あとから再確認して、思っていた条件と違うと判断される)

    ・良いことばかりではなく、一部の人に対する懸念材料があれば書いておく
    ・他メディアに掲載されている写真・情報のズレをなくす工夫をする

    このように課題は、それぞれの段階によって異なりますそのためにも、どの段階で離脱しているのかを見極めることが重要です。

    次に、課題の原因を仮説立てしたものに対する改善策を決定し、実行に移していきます。大切なのは、当てずっぽうで改善策を決めるのではなく、データに基づいて的確な場所に改善策を実行し、効果を検証することです。

     

    さいごに

    「長年の経験と勘」は、大切な財産です。
    しかし、変化する業界で新しいスタッフと共に成長していくには、その感覚を、誰もが理解できる形に翻訳する必要があります。

    集客施策を考えるとき、“翻訳ツール”として機能するひとつが、予約サイト(OTA)にあるデータです。アクセス数やPV数、転換率、キャンセル率といった数字は、お客様にどれだけ知られ、どこで離れてしまったのかを教えてくれます。

    まずは、縦軸(ユーザーの行動ステップ)で各データを「ひとつの流れで捉える」こと。
    次に、横軸(時間の流れ)で「どこが変わったのか」を見えるようにすること。
    この2つの視点でデータを整理できれば、打ち手は“勘”ではなく、誰もが“確信”をもって選べるようになります。そして、改善策を実行したら、その効果を数字で確かめてみてください。

    感覚と数字、どちらか一方に偏らず、すり合わせながら考えていく。
    そんなチームには、少しずつでも着実に、手ごたえのある成果が積み重なっていくように思います。

    「自施設の課題を見える化したい」「予約サイト(OTA)データの分析方法を詳しく知りたい」という方は、宿研の無料相談サービスをご活用ください。具体的なデータの見方から改善の優先順位づけまで、実践的なアドバイスをご提供します。

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