ホームページに来たお客様の動きがわかる|Googleアナリティクス4(GA4)データでわかるお客様の関心のヒント
2025. 12. 19
最終更新 2025. 12. 19
どの宿泊施設様にも、集客力を伸ばせる「まだ見えていないポイント」は必ずあります。
では、そのポイントがどこに潜んでいるのか。知りたいと思ったことはありませんか?
実は、そのヒントは遠くにあるのではなく、すでに皆さまのホームページの中に「お客様の行動データ」として残されています。
本稿では、WEBサイトの無料解析ツール『Googleアナリティクス4(GA4)』を使って、ホームページに眠る「お客様の関心」や「集客のヒント」を見つけ出す3つの視点をご紹介します。
GA4をすでに見ている方はもちろん、まだ導入していない方にとっても、「お客様や自社の状態を知るために、こういう方法があったのか」と、集客の視野が広がる内容になっています。
これを機会に、自社のHPの健康診断を始めてみませんか。
目次
はじめに
公式ホームページは「見られている」
弊社が2025年5月に公表した独自アンケート調査では、旅行者1,000人のうち、86%が宿泊先を探す過程で宿泊施設のホームページを確認していることが分かりました。さらに、「HPの出来栄えが宿選びに影響する」と答えた方は75% にのぼります。
つまり、ホームページは予約してくれたお客様だけでなく、「検討したけれど予約しなかった人」も含め、その地域で宿泊を考えている多くの見込み客が訪れている場所だと言えます。このことから、お客様の動き(行動履歴)を知ることは、これからの集客力を伸ばすための「まだ見えていない重要なヒント」になり得ます。
そして、そのヒントを無料で見える化できるツールがGA4(ジィーエーフォー)です。
本記事では、難しい機能や網羅的な内容は一旦置いておき、チェックすべき3つの視点に絞って解説します。
視点1:賑わいの確認(今、どれくらいお客様が見に来ているのか)
視点2:集客の手応えを確認(どこからお客様が来たのか)
視点3:興味関心の確認(お客様は何に興味があり、他社との比較ポイントはどこか)
それでは、これらの視点で何が分かるのか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
視点1:賑わいの確認「HPに訪れるお客様の数」

予約が伸びない原因は、ネット上の自施設に「そもそもお客様が来ていない」からなのか、それとも「来ているのに選ばれていない」からなのか。まず見極めたいのは、この状況判断です。
✓ 予約が増えない原因がどこにあるのか分からない
✓ 今の集客施策が合っているか不安
という方は、まずはここで「HPの賑わい具合」を2つのポイントから確認していきましょう。
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ポイント①「ユーザー数」と「セッション数」の関係を見る

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◆ ユーザー数(来館人数) : ホームページに訪れた「人」の数
◆ セッション数(延べ来館回数) : ホームページが訪問された「回数」
「ユーザー数」と「セッション数」から分かること(分析の視点)
見るべきは、「ユーザー数に対して、セッション数がどれくらい多いか」です。
例えば、ユーザー数が1,000人に対し、セッション数が1,100回の場合、ほとんどの人が「1回見て終わり」の状態です。 一方で、ユーザー数が1,000人に対し、セッション数が2,000回(1人あたり平均2回)であれば、「一度見て、気になってもう一度見に来た」というホットなお客様が多い状態と言えます。
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ポイント②「新規ユーザー数」と「リピーター数※」のバランスを見る

次に、来ているお客様が「初めての人」なのか、「もう一度見に来た人」が多いのかを確認します。
※ここでのリピーターは、過去に宿泊した人ではなく「ホームページに再訪した人」を指します。
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「新規ユーザー数・リピーター数」の見方の違い
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「新規ユーザー数・リピーター数」は、お客様が今「検討のどの段階にいるか(フェーズ)」を知るための指標です。初めて見た人なのか、候補に入れて比較中なのかが分かります。
◆ 新規ユーザー数:あなたの施設を「初めて知った段階」(認知)
◆ リピーター数 :候補に入れて「比較検討している段階」(検討)
「新規ユーザー数」と「リピーター数」から分かること(分析の視点)
宿泊予約に至るお客様は、複数の施設を比べながら、何回かホームページを訪れるのが一般的です。そのため、HPアクセスの新規ユーザー数に連動してリピーター数の割合も増えているときは、「予約に近い見込み客」も増えている健全な状態と考えられます。一方で、リピーター数だけでは先細りしてしまうため、常に新しい「新規ユーザー」も必要です。この「バランス」を見て、次の手を打ちます。
視点1:“ にぎわいの確認 ” のまとめ

本章では、ホームページの「アクセス数」を一括りにするのではなく、以下の4つの指標に分解して解説しました。
これら4つを組み合わせて見ることで、
✓ そもそも人が来ていない ⇒「認知不足(接触機会が少ない)」か、
✓ 来ているのに、決めてもらえていない ⇒「魅力不足(心が動く情報がない)」なのか、
この見極めができれば、次に検討すべき施策の方向性も、ぐっと絞り込まれます。
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視点2:集客の手応えを確認「どこからHPに来たのか」

日頃の宿ブログやSNSの発信、広告やメルマガなどを頑張っているけれど、ちゃんとHPの訪問につながっているのか疑問に感じることはありませんか?GA4では、お客様がHPにたどり着いたきっかけ(入り口)を知ることができます。この章では、ブログやSNSなどの地道な努力が、ちゃんとお客様の足をHPへと運ばせているか、その手応えを数字で確かめてみましょう。

レポート>集客>トラフィック獲得(セッションの参照元/メディア)
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ポイント:「アクション」と「結果」を線でつなげて見る
アクションと結果を線でつなげて見ること(分析の視点)
この視点で大切なのは、実施した集客施策がお客様に届いているのかを確かめることです。どの取り組みが、どんな反応として表れているのかを見ることで、単なる振り返りに終わらず、次は何を改善すべきかが見えてきます。
GA4では、どこから来たかを「参照元/メディア」などの言葉で表示しますが、最初は少し分かりにくいかもしれません。まずは、よく使う4つの種類を覚えておきましょう。
具体的なアクションの分析
■ OTA(じゃらん・楽天等)での販促強化 ➡ 「自然検索(Organic Search)」が増える
一般的に、お客様はOTAで施設を知ったあと、気になった場合は施設名を検索して公式HPを確認する傾向があります。その場合、施設名での指名検索がされるため検索結果からの流入(Organic Search)が増えます。
流入に変化がない場合は、OTA内の順位が低くて、そもそも見つけられていないか、OTAのページでは魅力が伝わらず公式HPまで見てみたいという気持ちにさせられていないのかもしれません。
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■ 観光協会HPや紹介記事への掲載 ➡ 「外部サイト(Referral)」が増える
Referralとは「紹介」という意味で、他のWebサイトに貼られたリンクをたどってきた場合にカウントされます。 観光協会の宿泊先一覧や、紹介記事にある公式HPへのリンクからお客様が訪問するため外部サイトからの流入が増えます。「旅色」をされている場合も、この指標に反応が出ます。
リンクが切れていたり、掲載されている情報が古くなっていたりしないかを定期的に確認しましょう。また紹介文が定型文すぎて興味を持たれていない可能性があるため、変更を依頼できる場合は魅力が伝わるように変更の依頼をするとよいでしょう。
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■ Instagramの更新 ➡ 「外部サイト(Referral)※」が増える
Instagramの投稿を見て魅力を感じ、興味を持ったお客様が、プロフィールのリンクからHPへ訪問するため外部サイトが増えます。※チャネルグループでデータを見た際には、Googleが分かりやすく整理した結果を表示しようとするため、InstagramやFacebookなどSNSの流入をOrganicSocialとして分類します。
Instagramの投稿を見た方が、もっと詳しく見たいと思ってもらえるように「○○はプロフィールのリンクから」といった次の一押しになる言葉を添えてみましょう。あわせてInstagramのインサイトをみると、どの投稿に反響があったのかを結びつけることができます。
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■ メルマガの送信 ➡ 「直接流入(Direct)」もしくは「Email」が増える
メールからリンクをクリックしてHPへ飛ぶ際は直接流入としてカウントされます。
メルマガ読者様は、一度は宿に泊まったことがある、または強い興味を持っている方々です。そのため、メルマガを送った直後に直接流入やEmailの数字が上がれば、訪問を促せている証拠です。メルマガからのアクセスが増えない場合は、配信時間を変更してみたり、メルマガのタイトル・メール本文に思わず押してみたくなるような言葉を取り入れる工夫が大切です。
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視点2:“ 集客の手応えを確認 ” のまとめ
本章では、どこからお客様が訪れているのかを確認し、取り組みに対して見るべきデータを紹介しました。GA4の数字が動く裏側には、必ずお客様の心の動きと行動があります。 自分のアクションがどの数字に現れるのか、そしてなぜその数字が動く(あるいは動かない)のか。その理由を知ることで、お客様の関心や集客へのヒントを得られることができます。
なお、自然検索で訪れたお客様がどんなキーワードで検索しているのかは、Google Search Console(グーグル サーチ コンソール)を使うことで確認できます。検索キーワードを見ることで、お客様が何を知りたくてHPにたどり着いたのか、より具体的に把握することができます。
視点3:興味関心の確認「お客様の比較箇所」

お客様は、HPのどんな情報に興味関心を持ち比較・検討しているのでしょうか。どのページの閲覧数が多いかを見ることで、お客様が重視している情報の傾向がわかります。
またアクセスが多いだけでは、本当に読まれているかはわかりません。滞在時間をあわせて見ることで、そのページの情報が伝わっているかが判断できます。よく見られているページや、じっくり読まれているページをはどこなのか確認してみましょう。
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ポイント:お客様が重視している情報を知る
◆ 表示回数:ページが表示された延べ回数
◆ セッションあたりの平均エンゲージメント時間:1回の訪問で、平均何分滞在したか
表示回数とエンゲージメント時間から分かること(分析の視点)
表示回数を見ることで、お客様が「どの情報に関心を持ってHPを訪れているのか」が分かります。一方、エンゲージメント時間を見ることで、その情報が「比較・検討の判断材料として、どれだけ深く読まれているか」を知ることができます。この2つをあわせて見ることで、お客様が宿泊を決めるうえで本当に重視している情報が、より立体的に見えてきます。
視点3:“ 興味関心の確認 ” のまとめ
この章では、お客様がどの情報を比較し、どこに興味を持っているのかを読み解くことを目的としました。よく見られているページや、じっくり読まれているページを把握することで、「どこを強みとして伸ばすべきか」「どこで情報が足りていないか」を整理でき、予約に向けて整えるべきポイントが見えてきます。
ちなみ、探索機能を使えばユーザーがHP内でどのような順番でページを閲覧し、どのように移動したかが視覚的に分かるため、興味関心の流れがイメージしやすくなります。また、行動分析ツールのClarity(クラリティ)を使えば、HPへの訪問者ごとにページ名でどのようにスクロールし、どこをクリックしているのかなどの動きが可視化できるため、より具体的な改善ポイントが見つけやすくなります。
まとめ
GA4のデータを見ることで、お客様がどんな流れでHPを訪れ、どの情報に強く惹かれているのかがはっきりと見えてきます。よく見られているページや、じっくり読まれているページは、まさに宿泊先を決定するための大切な比較ポイントです。
一方で、滞在時間が短いページや、すぐ離脱されているページは、情報が不足していたり、イメージが伝わっていなかったりと、改善の余地を教えてくれます。お客様が残してくれた数字はただの結果ではなく、なぜそのような行動になったのかを読み解くためのきっかけになります。
こうした気づきを積み重ねていくことで、自施設の強みがより伝わるHPに整えることができます。まずは、自施設のデータを一度確認してみてください。お客様の興味関心のポイントがきっと見えてくるはずです。
GA4についての設定や分析についてご興味のある方はぜひ宿研にお問い合わせください。










