【冬の集客テクニック】言葉で魅せる冬の宿!末広がりに使える「冬の表現集」美しい大和言葉
2025. 11. 27
最終更新 2025. 11. 27
言葉は、宿の世界観をかたちづくります。
同じ料理、同じ風景、同じおもてなしであっても、添えられる一言で印象は大きく変わります。
大和言葉は、情景をやさしく伝えながら、品格と心配りのあるブランドイメージを印象づけることができます。
本記事は、これまでにご紹介した「春の表現集」「夏の表現集」「秋の表現集」に続き「冬」をテーマに『美しい大和言葉(やまとことば)と漢語』をご紹介します。冬の情緒によく馴染む表現、そして新年を迎える時期であるため縁起の良さを感じさせる言葉もあわせてまとめました。
宿ブログ、メルマガ、DM、クチコミ返信、宿泊プランなど幅広い場面で活用できる使用例も合わせて提案しますので、冬の誘客施策にぜひお役立てください。
目次
※なお、冬の大和言葉や漢語はたくさんあり、 本記事ではその一部をご紹介しています。
より充実した使用例や活用のポイントをまとめた資料もご用意していますので、
ぜひ、こちらからダウンロードしてください。

冬の集客に役立つ!表現力を高める手引き
・お客さまへのメッセージを送る
・イベント企画のキャッチコピーを考えたい
・冬の宿泊プランで魅力的な言葉を使いたい
など、冬の集客施策の場面で活用できる素敵な大和言葉と漢語を38単語集めています。
冬の情緒をまとった大和言葉
冬は、空気が澄んで景色がいつもよりきれいに見える季節です。寒さが厳しいほど、雪や星の光がいっそう際立ち、きらきらとした風景がはっきりと浮かび上がります。大和言葉は、そんな冬ならではの情景をやわらかく表現し、寒さとの対比によって、宿泊先で過ごす時間のあたたかさや安らぎを自然に感じさせてくれます。
たとえば、下記のような大和言葉があります。

写真では伝えきれない余韻をそっと引き出し、情景の説明ではなく“その奥にある気配”まで感じさせてくれる、そんな役割を果たしてくれるのが大和言葉です。
また、冬は元旦を迎える季節でもあります。大和言葉はおめでたい気持ちや縁起の良さを表現したい場面にとても相性が良く、祝意をやさしくお客様に届けることができます。
こうして選ばれた一語一語が、宿の世界観をより品格あるものにし、細やかな心配りを印象づけることにつながります。冬の大和言葉は、滞在の価値を高めるとともに、季節の演出や縁起のよいプラン作りにも役立つ表現として、幅広く活用できます。
それでは、冬の大和言葉と使用例をご紹介します。
宿ブログや、DMで使える「冬の大和言葉と漢語」の使用例
冬らしい風景や空気、晴れやかな節目を彩る、10の言葉をご紹介しています。

【意味】 晩秋から初冬にかけて訪れる、暖かくて穏やかな天気のこと
【使用例】
― 小春日和とは、春ではなく初冬の晴れた日をいうようです。今週末は、まさにそんな穏やかで気持ちの良い小春日和になるようです。計画は後回しにして、思い立ったまま小さな旅を楽しんでみるのも心地よいものですよ。
― 本日は小春日和となり、ロビーは柔らかな光が差し込んでいます。心地よい自然光を感じながら、旅の余韻を楽しみ、次のご予定を立てるゆとりの場所としてお過ごしください。
【意味】 初冬、星(昴)がよく見える頃に吹く北東風のこと
【使用例】
― 「星の入東風」という言葉をご存じでしょうか。
初冬に吹く北東の風のことで、澄んだ夜空に映える星の美しさを見せる古い日本語だそうです。冷たく吹く風は、星がいつもより輝いている合図かもしれません。そんな夜に露天風呂に浸かると、冷たい風も星もどちらも心地よいものになりそうです。
― 湯けむり越しに見上げる夜空は、星の入東風の通り、凛として澄み渡っています。自然に包まれた当館の露天風呂で、冷たい外気と温かいお湯の心地よい調和を味わいながら、ご入浴の時間を心ゆくまで満喫ください。
【意味】 柊の小さな白い花
【使用例】
―「柊」と聞けば、クリスマスの赤い実を思い浮かべるかもしれませんが、実はあれ「西洋柊」で、日本の柊には赤い実はつきません。その代わり、日本の柊は「香り」という特別な贈り物を持っています。 鮮やかな色で目を楽しませるのではなく、透き通るような甘い香りで、心を和ませる。そんな日本らしい心をこの花はもっているようです。日本の柊の香りを探してみるのも、冬旅の楽しみですね。
― 寒さのなか小さな白い花を咲かせる柊は、古くから魔除けとして当館を守ってきました。当館の庭先でも、お客様の滞在を見守るように、ひっそりと花をつけています。

【意味】 冬の真夜中のこと
【使用例】
― ご存じでしたか。冬の星空が美しいのは、空気が澄んでいるからだけではないそうです。冬は、明るい一等星が一番多く見られる季節であり、日本の冬にかかるジェット気流が空気を揺らすことで、星の瞬きがいっそうキラキラと輝くのだとか。夜半の冬、こぼれるほどの星空を見上げながら、そんな話を誰かに語りたくなるのも、旅の夜ならではですね。
― 「夜半の冬(よわのふゆ)」とは、冬の真夜中のことで、人が眠りにつく真夜中こそ、星たちが最も輝く時間です。静けさに映える星空を独り占めできるのは、冬の宿ならではの愉しみです。
【意味】 寒さが厳しく澄み切った空に星がはっきりと輝く様子
【使用例】
― 冬は空気が澄み切り、星がいっそう美しく見えます。こんな冬の夜空の輝きを、星冴ゆると呼ぶそうです。
― 空気が澄み渡り、星の輝きが鋭く際立つ星冴ゆる夜。当ホテルの高層階からの夜景もまた、光一つ一つがきらきらと輝き、格別の美しさです。
【意味】 寒さは厳しいものの、日照時間が伸びて春の気配を感じ始める時期
【使用例】
― 当館の客室に差し込む明るい陽光は、まさに光の春を感じられます。この心地よい光の中で、気分をリフレッシュし、やがて来る活動的な季節に向けたエネルギーをチャージしませんか。
― 寒さの中に、穏やかな日差しが戻り始める光の春。当館では、この季節を祝し、一足早く春の山菜や魚を取り入れた特別料理をご用意しております。
【意味】 冬のからりと晴れた日のこと
【使用例】
― 空がからりと晴れ渡る冬晴るる日は、冷たい空気の中でも太陽のぬくもりが全身に沁みてきます。
― 冬晴るる日のお土産屋が並ぶ〇〇通り。饅頭屋や茶屋から立ち上る湯気が、冷たい空気の中でいっそう白く、濃く見えます。その温かそうな湯気を追いかけるのも、冬旅の楽しみですね。

【意味】 新年を迎えるための準備
【使用例】
― 門松や鏡餅、しめ縄を飾る年用意。 ひとつひとつ支度をするたびに、館内の空気が凛と新しくなっていくのを感じます。皆様の大切な一年の始まりを預かる準備が整いました。
― 年の瀬が近づき、年用意の気配が満ちてまいりました。小さなご褒美旅として、静かな温泉地○○へ1年頑張った自分をねぎらいにぜひいらしてください。
【意味】 その年の縁起のよい方角
【使用例】
― 明きの方と呼ばれ、その年の福徳を司る歳徳神(としとくじん)がいる方角に向かって事を行えば、何事も吉とされています。当館では、○○の方角に向けてお正月飾りをご用意し、お客様の新たな年の福徳を心より祈念いたしております。
― 当ホテルでは、お客様の一年のご多幸を願い、客室やロビーなど館内の明きの方に福を呼ぶ招き猫を飾っています。ご滞在中に、ぜひ招き猫たちを見つけ出し、新年の福をお持ち帰りください。
【意味】 年が変わり、新たな一年の始め
【使用例】
― 新しき年の朝は、光も空気も、すべてが生まれ変わったように澄み渡って感じられます。この清らかな光の中で、皆さまの笑顔にお会いできることが、私たちにとっては何よりの「福」。幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
― 新しき年が、皆さまにとって実り多い一年となりますように。当館では、地元の初春の食材を取り入れたお祝いの料理や開運の方角にちなんだおもてなしなど、良い始まりを感じていただける仕掛けをご用意しております。
<宿ブログやDMを送る時のポイント>
件名で「〇〇地域の冬をお届けします」と使用したり、本文の冒頭で「木々の葉が落ち、朝の空気に白い息が混じるようになりました。」の記述から具体的な情景、写真を示すことで、それを目にしたお客様は新しい季節の到来をより一層感じることでしょう。
宿泊プラン名や客室名、キャッチコピーなどに使える「冬の大和言葉と漢語」
続いて、冬の季節プラン名や、客室名として使用できる大和言葉と漢語をご紹介します。
○○会席/懐石や、○○部屋としてイメージしてください。
冬らしい風景や空気、晴れやかな節目を彩る、9つの言葉をご紹介しています。

葉を落とした木々が凛と立つ姿を表す冬木立は、一見寂しげながらも内に力強さを秘めた言葉です。
枝の線のようにシンプルだけどもで滋味深い『冬木立会席』や、
木の構造美やミニマルな意匠を取り入れた客室など、
研ぎ澄まされた美意識を表すシーンで活用できます。
淡雪は和菓子・日本酒・お米など、幅広く使われている言葉です。
ふんわりと降りてはすぐに溶けてしまう様子は、儚さや季節の移ろいを感じさせます。
期間限定の会席料理名や2〜3月頃の季節プラン名としても使用でます。
『淡雪会席』『Awayuki Stay』
冬の寒さのなか凛と鮮やかに咲く寒椿は、
お料理に冬ならではの彩りや上質感を添える表現として活用できます。
カニやお肉、お造りなどの鮮やかな色合いと組み合わせた『本格会席 寒椿』では、
目にも華やかで、冬のひとときを特別に感じさせる演出が可能です。

冬日和は、冬の厳しさの中で訪れる、つかの間の穏やかな恵みというニュアンスが強くあります。
この希少な暖かさを活かした体験イベントと結びつけるとよいでしょう。
冬の澄んだ景色を写真に収める『冬日和のフォトウォーク』
テラスや縁側を特別解放した『冬日和のカフェテラス』
のように、その日限りの特別感を訴求するのに効果的です。
茜色に染まる空は写真映えしやすく、館内や客室からの眺望を強調する訴求に向いています。
夕焼けをきれいに見られる宿としてのブランドづくりにも使いやすいキーワードです。
SNSやブログなどで、夕焼けの写真と『冬茜の空を眺める、静かな贅沢』などと使えます。
館内で過ごしているときに、春を感じられる場所や時間、
音や香りなどを一緒に伝えるとより情景を引き立たせます。
言葉の響きがやさしいので女子旅に『春隣のひだまり旅』、
記念日プランに『春隣の贈り物プラン』とやわらかく上品な世界観をつくることができます。

新年のご挨拶として、新しい一年を晴れやかに迎えるという上品な季語です。
お正月や新年期間の特別プラン・お食事などに使うことで、品格ある新春のおもてなしを印象づけることができます。
『お正月プラン 迎春』『迎春特別会席』
新年以外にも、結婚式・長寿祝いなど、人生の節目を祝う最もおめでたい語として用いられています。
また格式高く重みや品格を感じさせてくれます。
『お正月コース 寿』『お祝い懐石 -寿-』
お正月期間や記念日、節目の宿泊プラン・お料理名などに使うことで、
幸福に包まれる縁起のよい印象を与えます。
ホテル・旅館いずれにも使いやすい汎用性があります。
『祝い膳・万福』『万福ビュッフェ』
「皆様に多くの福が訪れますように『新春万福プラン』をご用意いたしました。
福笑いや福引きなどの縁日もご用意しておりますので、お正月の期間をぜひお楽しみください。」
このように、プラン名やお料理名、PRコピー、イベント名を美しい大和言葉や漢語の言葉から着想を得ると、いつもとは違う視点で新たな魅力を語れるでしょう。ご紹介してきた美しい言葉を参考にしていただき、自施設に合った言葉選びを実施ください。
ダウンロード資料には、これら以外の美しい言葉と例文もご紹介しておりますので、こちらもぜひご活用ください。
さいごに
言葉が冬の滞在をあたたかくする
冬の大和言葉は、景色の美しさや季節の静けさだけでなく、そこに潜むぬくもりまで感じさせられる表現です。プラン名や料理名、客室名に添えることで、冬の旅がより“情緒のある時間”に変わり、お客様の心にやわらかな余韻を残すきっかけになります。そうした小さな工夫が、宿の印象を自然と高めていきます。
また、宿泊施設では、おめでたい日や記念となる日にご滞在いただく機会も少なくありません。だからこそ、縁起の良い言葉をさりげなく添えることは、宿泊施設としての知覚品質を高めるだけではなく、お客様に特別感や前向きな気持ちを感じていただくための大切な要素となります。
ぜひ、ご紹介した「冬の大和言葉」や「縁起の良い表現」を、自施設の印象づくりに取り入れてみてください。冬に寄り添う言葉は、お客様の心にあたたかさと晴れやかさを届けてくれるはずです。
ぜひ、お役立ち資料もご用意しておりますので、次の季節に向けてぜひ資料をお手元に残しておいてください。

